「The Cabin in the Woods」鑑賞


「アベンジャーズ」で今をときめくジョス・ウィードンが脚本と製作を担当した作品で、監督は「クローバーフィールド」の脚本家のドリュー・ゴダード。2009年に撮影したのがいろいろあって公開が今年まで公開が遅れたらしい。

大学生のダナとその友人のジュールズ、およびその仲間たち計5人の男女が、田舎の山奥にある山小屋へキャンプに行くところから話は始まる。森のなかの山小屋に到着した彼らは湖で泳いだりと楽しいひとときを過ごすものの、やがて周りで奇妙な現象が起きることに気づく。そして彼らは何者かに監視されていたのだった…というようなプロット。

これ以上の設定をバラすと話がいっぺんにつまらなくなるので細かい説明は省くが、要するにホラー映画をとてもメタな視点から語った異色作になっている。典型的なティーン向けホラーを脱構築しているというか。メタな様子があるホラー映画というと「スクリーム」が以前にあったが、あれよりもさらに奇妙なプロットのツイストが加わっている感じ。また同じティーンの主人公たちでも、ケヴィン・ウィリアムソンよりもジョス・ウィードンの作品のほうが活発でいいですね。今回の5人はやはり「スクービー・ドゥ」の登場人物をモデルにしてるんだろうか。

キャストは雷神ソーことクリス・ヘムズワースが出演しているほか、中間管理職的な役をブラッドリー・ウィットフォードが好演。最後にはあのお方もカメオ出演しているぞ。いちばんのめっけものは主人公のダナを演じるクリステン・コノリーという女優で、1980年生まれとは思えない童顔でコケティッシュなスクリーム・クイーンぶりを見せつけてくれるぞ。

ホラーかと言うとそうでもないし、かといってSFやコメディというわけでもないし、なかなか一筋縄ではいかない映画だけに観る人を選ぶかもしれないが、こういう作品を作ってしまえることは凄いと思いますよ。何の前知識も持たずに観に行って、目の前で起きる怒濤の展開に呆気にとられるべき映画かと。

「The Mob Doctor」鑑賞


フォックスの新シリーズ。

シカゴの病院に務めるグレースは有能な外科医だったが、彼女は暗い秘密を抱えていた。ギャンブルにはまって多額の借金を抱えた弟を放免してもらう代わりに、彼女はマフィアの一味のために医療行為を行うことになったのだ。当初はケガしても病院に行けない構成員の治療などを行っていたのだが、ついには入院中の裁判の証人を殺すように命じられ…というようなプロット。

主人公のグレースを演じるのはジョルダーナ・スパイロ。って誰だ。若いわけでも美しいわけでもなく、うーんといった感じ。彼女の運命を握るマフィアの大物をウィリアム・フォーサイスが演じていて、まあビッグネームではあるのだが体型がもう緩みきっていて、全然凄みとかが感じられないのはどうかと。

そしてマフィアに従うことになったグレースはなんかオロオロしているだけ。気が強い女性だという描写はいくつもあるんだけど、じゃあ不遇な自分の運命をどう切り開いて行くのか、という決意のようなものが無いんだよな。その一方でマフィアとは関係ない病院の仕事でも患者を優先するあまりに上司にタテ突いたり、規程を無視したりして周囲に迷惑をかけまくっていたりする。マフィア絡みでは母親を危険にさらしたりしているし、主人公としてはどうも情けない。

どうも実話に基づいた暴露本をベースにしているらしく、ライフタイムあたりの2時間ドラマにしてたらコンパクトに収まったんだろうが、この設定でシリーズが続けられるとは思えんな。医療ドラマと犯罪ドラマをかけあわせたら、どっちつかずの凡作になってしまったという好例か。

「GUYS WITH KIDS」鑑賞


NBCの新シットコム。クリエーターにジミー・ファロンが名を連ねている。

内容は題名そのまんま。子連れの3人の男性が、子育てをしつつも自分たちの好きなように生きようと悪戦苦闘するコメディ。それって「Raising Hope」とか「Up All Night」で間に合ってますから。3人のなかには離婚したばかりのシングルファーザーとか、4人も子供がいて貧乏な一家の父親とかがいるんだけど、その貧乏親父が黒人だというのがステレオタイプ的でちょっとひっかかるな。

その黒人の父親を演じるのがアンソニー・アンダーソンで、彼ってコメディから始まって最近はもっとシリアスな役を演じているイメージがあったんだけど、まわりまわってまたシットコムに戻ってきたのか。でもこんな程度の番組にもどってきてもねえ。NBCって視聴率が凄惨なくらいに低迷しているとはいえ「30ロック」とか「Community」などといった熱心なファンを持つシットコムを揃えているのは強みいいと思うんだが、そのなかにこんな凡庸な内容の番組を持ってきてどうするんだろ。

最近はめっきり減った、観衆の前で撮影するマルチカメラのシットコムのスタイルをとっていることは褒めたいのですが、それ以外は何も特筆するところが無いような番組。

「THE GOSPEL OF US」鑑賞


「ザ・サンドマンの表紙の人」ことデイヴ・マッキーンが監督した映画。ただし彼が細かい演出などをしたわけでなく、ウェールズ出身のマイケル・シーンが同郷の詩人オーウェン・シアーズの小説をもとにした劇をウェールズの町ポート・タルボットで3日にわたって開催した光景を撮影したものらしい。

ベースとなるのはキリストの受難劇で、シーンが演じるのは「教師」と呼ばれるボロをまとった男性。海で洗礼を受けた彼はサンドウィッチを皆に分け与え、テロリストを説得したりして人々に慕われる存在になるものの、やがて警察に連行されて公開裁判にかけられ、頭に有刺鉄線の冠をかぶせられて磔にされることに…というのがものすごく大ざっぱな話の流れ。決して明確なストーリーがあるわけではなく、抽象的なシーンが連なっているような感じか。

ストーリーにおいて聖書の登場人物はすべて現代的になり、ローマ兵は高圧的な警察部隊になり、主人公を裁くのはスーツを着た地元の政治家であり、さらに神は高台から見下ろす工事現場のオッサン、という姿で登場していた。

そして劇といっても町全体が参加した大きなイベントのようなもので、シーン以外の役者はおそらく地元の劇団の人たちかな。それをとりまく人々は一般の市民で、シーンと役者たちのやりとりをビデオカメラとかで撮影してる姿がさらに撮影されているという、ちょっとシュールな映像もあったりします。おまけに地元バンドのマニック・ストリート・プリーチャーズのライブが突然始まったりと、何が何だか。

こうした設定ゆえにマッキーンの前作「ミラーマスク」に比べるとドキュメンタリーっぽい要素が強いものの、映像の加工や音楽などは彼が加えているため、セピアっぽい色調やソフトフォーカスが多用されたマッキーン的な映像は意外と多用されていた。彼の作品のファンなら観て損はしないでしょう。

映画館よりも美術館でかかってるアートフィルムという趣きが強い内容であったが、悪い作品ではなかったよ。

震災ボランティア2012


昨年に引き続き行ってきたのだよ。連休前だったこともあり新幹線が混んでて行きは立ち席という憂き目にあったが、無事仙台に到着。

昨年は破壊された車がまだ転がってたようなところもずいぶん整理されて、復興の進展が目に見えて進んでるところがある一方で津波の被害が甚大だった地域ではまだ家屋が破壊されたままだし、受け入れ先が不明なガレキがうず高く積まれていたりと、完全に以前のようになるにはまだまだ長い時間がかかるんだろう。

ボランティアセンターのスタッフは昨年は地元の人たちが多かったような気がしたけど、今年は関東から何度も来ているリピーターの人たちが核となって参加者をまとめていました。自分たちの仕事があるのに、身銭を切って週末に車をとばしてやってくる人たちだから偉いよなあ。別に政治思想などに基づいているわけでもなく、単純に人助けのためにみんな遠方からやってきているわけで。

俺があてがわれた作業は大豆畑の雑草苅りで、津波によって海水に浸かった畑では稲作ができないため今年は大豆を植えて、来年に稲作の再開を検討するのだとか。昨年のガレキ片付けよりも作業的には楽だったのでいい感じで進む。それでも疲れたけどね。

ボランティア活動も一段落したということで、俺が行った七ヶ浜町のボランティアセンターも11月以降は活動を縮小していくらしいですが、人手が必要な作業はホームページ上で随時告知していくようだし、東北にいなくても手助けできることはいろいろあるだろうから、自分のできるところからやっていけばいいのではないかと。こういう行動のほうが、ピクニック気分で反原発デモに行くよりも世の中のためになると個人的には思うのです。