「PRIME SUSPECT」鑑賞


ヘレン・ミレンが主演したイギリスの刑事ドラマ「第一容疑者」のリメークで、主演はマリア・ベロ。彼女の上司としてエイダン・クインも出ている。

ニューヨーク市警の殺人課に配属されてきたジェーン・ティモニーは非常にタフで腕利きの警部だったが、周りの男性警官たちは女性が警部であることが気に入らず、露骨に彼女を蔑む始末。おまけに警部の1人が心臓発作で急死し、ジェーンがその後を継ぐことになったことで周囲は彼女を殆ど敵視するまでになってしまう。それでもジェーンは逆境にめげず、殺人事件の第一容疑者を捜すことに毎日奔走するのだった…というようなストーリー。

実はイギリスのオリジナル版を観たことがありませんでして、あっちと比べてどうなのかはよく分かりませんが、女性だからといって差別されながらも自己流の捜査で犯人を挙げていく主人公の姿はなかなかカッコいい。マリア・ベロはこうした役には最適かと。夜になるとメゲて恋人に泣きついたりしているけどね。しかし実際の警察があんなに差別的だったら嫌だなあ。

最初からレイプされて惨殺された被害者が出てくるなど、犯罪の描写とかは結構キツくて、気軽に観られる刑事ドラマというわけではないな。製作と第1話の監督はピーター・バーグが勤めているが、同じく彼が手がけたシリーズで、パイロットから傑作だった「FRIDAY NIGHT LIGHTS」に比べると見劣りすることは否めない。視聴率も苦戦しているらしいが、オリジナル版の人気のせいか海外セールスは好調らしいのでそれなりに長続きはするんじゃないかなあ。あるいは「FNL」みたいに地上波以外の局に移って放送されるとか?

「LAST MAN STANDING」鑑賞


ティム・アレン主演のABCの新シットコム。「ティム・アレンが帰ってきた!」なんて上の写真には書いてあるけど、要するに90年代の人気シットコム「Home Improvement」の成功後に「トイ・ストーリー」とか「ギャラクシー・クエスト」のような優れた映画に出演したものの、その後が続かなくて結局シットコムに戻ってきたんだなあ、という感が否めない。

話の設定も「Home Improvement」に似ていて、ティム・アレンが演じるのは3人の娘たちのパパ。アウトドアグッズのメーカーに勤める彼は男らしいタフな生活を送りたいと思うものの、家では娘たちと妻という4人の女性に囲まれて、男としての威厳を保つのに苦労する…というようなもの。主人公の上司役をヘクター・エリゾンドが演じてるが、「シカゴ・ホープ」のイメージが強いのでコメディがなんか似合わないような?

まあ内容は非常に典型的なマルチカメラのシットコムといった感じで、気の抜けたパパさんに対して頭の回転の早いティーンがシャレた文句を言うたんびにラフトラックが過剰気味に入る展開がずっと続いてく。ここまで典型的なシットコムはむしろ最近珍しいかも。主人公がもっと男性至上主義で銃や狩猟が大好きなティーパーティーの人だったらもっと面白くなったかもしれないが、そこまで過激な内容にはできなかったか。でも娘の1人がシングルマザーだってのは時代を反映してるのかもしれんな。

今シーズンはタフな男になろうとするヤワ男を描いたシットコム「How To Be A Gentleman」が速攻で打ち切りになったりしてるわけで、文字通り「最後の男」となってしまったこの番組はいつまで続くことやら?

「テラ・ノヴァ」鑑賞


鳴り物入りで始まったフォックスのSFドラマ。世間的には「スティーブン・スピルバーグ製作のドラマ」として宣伝されてるけど、実際のショウランナーは「スター・トレックをダメにした男」ことブラノン・ブラガであることにご留意。主演はアメリカ版「ライフ・オン・マーズ」のジェイソン・オマラで、他には「アバター」のスティーヴン・ラングが「アバター」そのまんまのタフなリーダー役で出演している。

2149年の地球は人口増加による環境汚染により人がまっとうに住める星ではなくなっており、食料が足りず出産制限が設けられる状態であった。そんななか8500万年前の白亜紀の時代に通じるタイムポータルが発見され、人類は生存の望みをかけて白亜紀への移住を行い、新たな地球である『テラ・ノヴァ』の設立を計画する。そして元警官で3人目の子供を持ったために投獄されていたジムは、妻で医師のエリザベスがテラ・ノヴァへの移住者に選ばれたことから監獄を脱走し、家族とともに8500年前の地球へと向かうが、そこは恐竜たちが跋扈する、さまざまな危険に満ちた世界だった…というようなストーリー。

普通に考えればタイムポータルで19世紀くらいに戻ってその時代の人たちに「お前ら資源の無駄遣いはヤメろよ」と説教すればいいんじゃないかとか、白亜紀で恐竜を殺したりすると「いかずちの音」みたいに未来が変わってしまうんじゃないかとか思うんだけど、タイムポータルは「行き先は8500年前のみ、しかも一方通行」という設定で、しかも未来の地球とテラ・ノヴァは異なる時間軸に存在しているらしい!それでもどうやら過去から未来にメッセージは送れるようなので、どうも強引な設定だよなあ。

製作には相当な費用がつぎ込まれたようだけど、なんか全体的に安っぽいんですよ、これ。未来の地球で新鮮なオレンジを入手して喜ぶ家族とか、子供が3人いるために当局の捜査を受けるところとか、クリーシェ満載でまるでジュブナイルSFを読んでいるような感じ。地上波ネットワークの作品とはいえ、もっとハードSFの要素を入れても良かったと思うんだけどね。さらにファミリードラマやティーンドラマの要素も入ってるんだけど、どうもそれらがプラスになってるとは言い難いな。恐竜もCGであることがバレバレだし。

この手のドラマって、主人公たちが立ち向かう脅威や謎の存在が重要だと思いまして(サイロンやドミニオン、LOSTの島など)、いちおう居住者の反乱分子とか謎の落書きとかが出てくるんだけど、反乱分子の連中はなんかヘタレだし落書きについても殆ど言及がないので、「次はどんな冒険が待ち受けてるんだろう」というようなワクワク感がどうも抱きにくいんだよな。アメリカでも視聴者の評判はあまり良くないみたい。とはいえ大きなセットとかを作ってしまったために最初の13話くらいは意地でも放送されるんでしょうが、そのあともちゃんと続くことができるのかな?

「HOMELAND」鑑賞


ショウタイムの新作ドラマ。イスラエルの番組をもとにしたものらしい。

イラクで単独行動をしていたCIAのエージェントのキャリーは、アメリカ軍の捕虜がアルカイダによって「転向」させられたとの話を情報提供者から聞く。それから10ヶ月後、アルカイダによって8年ものあいだ捕虜になっていたブロディ軍曹がアメリカ軍によって発見・救出される。彼こそが転向した捕虜ではないかと直感したキャリーは上司にそのことを伝えるものの、ブロディを英雄とみなす上司たちはそれに耳を貸さなかった。仕方なくキャリーは昔の恩師に協力を頼み、ブロディの家に盗聴器を仕掛けて彼の調査にあたり、アメリカ本土へのテロを防ごうとするのだが…というようなプロット。

キャリーを演じるのはHBOの「TEMPLE GRANDIN」で突如として演技派となった感のあるクレア・デインズで、ブロディ軍曹を演じるのは「Life 真実へのパズル」のダミアン・ルイス。ちょっと豪華なキャストですね。

「ブロディは果たして転向したのか?」というのがストーリー上の大きな謎になっているわけだが、第1話から彼が怪しげな暗号を送ってるらしいことが描かれるなど非常にクロな扱いになっていて、このまま彼がテロ行為に走るのか、それとも何かどんでん返しがあるのかは今の時点では分からんな。有料ケーブル局の番組ということもあって作りは凝ったものになっており、評判もかなり良いみたい。ただし1つの謎でどこまで話を引っ張れるかというのは疑問でして、むしろミニ・シリーズにしたほうが良かったんじゃないかという気がしなくもない。謎を引っ張れるだけ引っ張ってオチをつけられずに総スカンをくらった「THE KILLING」の二の舞にならないことだけを願います。

機内で見た映画

週末から昨日まで海外出張に行ってたので、機内で観た映画の感想をざっと。眠かったんで行き帰りで合計4本しか観てないです。

「カーズ2」
車のディテールなんかは大変美しいと思うんだけどね。やはりストーリーの凡庸さが気になる。ドリームワークスやフォックスの作品だったら許容できたかもしれないが、ピクサーにはそれ以上のものを求めてしまうわけで。スパイアクションに友情の話とかを絡めても何だかなあ、といった感じ。これからピクサーは続編をいろいろ作ってくようだけど、ちょっと不安にさせられるな。

「ブルー 初めての空へ」
それでこっちはフォックスのCGアニメ。人間のデザインが「くもりときどきミートボール」に似てない?飛ぶことを学ぶ鳥の物語なのに肝心の飛翔シーンに躍動感が無いのはどういうことよ。製作者は「ヒックとドラゴン」を100回見直しなさい。ストーリーもおざなりで、いつものブルースカイ作品といったところか。とはいえ日本では全国公開されないのは勿体ないと思う。

「CEDAR RAPIDS」
コメディとして観ると笑えるところとかはあんまり無いんだけど、田舎の保険業界の裏側とか中年の挫折感を描いたドラマとして観るとそこそこ楽しめた。エド・ヘルムズは愚直な若造の役がよく似合うな。とはいえ映画を支えてるのはジョン・C・ライリーの演技力ですが。あとアン・ヘッシュが男好きの役を演じるのにはいまだに違和感を抱いてしまうな。

「SUBMARINE」
「IT CROWD」のモスことリチャード・アヨエイドの初監督作品。火遊びが好きな奇抜な女の子に恋をしたり、両親の不仲を修復しようとするウェールズの15歳の少年の姿を描いたもので、ものすごく美しい映像と絶妙なユーモアで語られていく物語が大変素晴らしい。多感な年頃の不安定な雰囲気がとてもうまく描かれた傑作。飛行機の小さな画面で観たのが勿体ないくらい。

あとは「ワイルド・スピード MEGA MAX」に何度か挑戦したが話のノリにまったくついていけず断念。予告編に出てくる「崖から落ちる車」というシーンのオチが「そのまま川に突っ込んで助かる」というのはズルいんでないかと。「Mr. Popper’s Penguins」も観たけど途中で寝る。過密スケジュールで疲れてたんだよ!

下は「SUBMARINE」の予告編。