「ソーシャル・ネットワーク」鑑賞


2003年は遠くになりけり。これ観てて連想したのが、アップルとマイクロソフトの黎明期を描いたTVムービー「バトル・オブ・シリコンバレー」だった。だからという訳ではないが、意地の悪い言い方をすれば「ものすごく良く作られたTVムービー」という感じか。世間でちらほら言われている、2時間ドラマのような映画という表現はあながち間違ってないと思う。

いやね、技術的には大変良くできた映画だと思うのですよ。役者の演技から脚本から撮影技術に至るまで(ただしセピア色のカレコレは最近みんなやってて食傷気味だが)。トレント・レズナーによる音楽も効果的に使われていたし。最後にビートルズ持ってくるとは思わなかったけどね。ストーリーテリングも非常に重厚だし見応えがあり、ハーバードという一種特殊な環境における当時の雰囲気をきちんと描写しているんだが、最初から最後までそんな感じであるため、コース料理でメインディッシュをずっと出されてるような感触だった。話にメリハリがないわけではないけど、1本の映画としては大きなうねりに欠けているというか。

まあ俺自身がフェイスブックやってなくて、マーク・ザッカーバーグのことも殆ど知らなかったというのが原因なのかもしれないな。観てる間はとても楽しめたんだけど、そのあとに自分がこの映画から得たものは何なのかと考えたら、きちんとした答えが見つからなかったという、そんな作品でした。

「FAIRLY LEGAL」鑑賞


USAネットワークの新作シリーズ。主演のサラ・シャヒって「Life 真実へのパズル」の人か。彼女の元夫の検事を「ギャラクティカ」のアンダース君ことマイケル・トルッコが演じてるぞ。

サンフランシスコを舞台にした法廷ドラマで、最近亡くなった父親の法律事務所で働くケイトは正義感はあるが型破りなところがある女性で、もとは弁護士だったが調停人になってさまざまな事件を扱うのだった…というような内容。

朝寝坊して起きたら横に男が寝ていたというガチな展開から始まり、法廷で羽目をはずして裁判官に呆れられる場面とか、不当に逮捕された黒人少年を救おうとする姿などは今までの法廷ドラマで嫌になるほど観てきた描写であり、目新しさはまったくなし。ケイトの口うるさい義母が彼女くらいの年齢であり、法律事務所のボスだという設定が珍しいくらいか。ストーリー展開もごく平凡であり、それだけでは1時間半のパイロット尺が埋められないのでどうでもいいBストーリーを持ってきているようでは先が思いやられるな。サンフランシスコの風景は美しく撮られてるけどね。

こういう軽妙な法廷ドラマって、主人公が難解な状況を克服して勝利(正義)を勝ち取るというカタルシスをどれだけ視聴者に与えられるかというのが重要なポイントだと思うんだけど、あまりにもストーリーが平凡すぎてろくに主人公に感情移入できなかったよ。今後は相当頑張らないと1シーズンで打ち切られるんじゃないだろうか。

「FACE OFF」鑑賞


ジョン・ウーのやつじゃないよ。Syfyチャンネルのリアリティ・シリーズだよ。

アメリカ各地からやってきた特殊メーキャップの達人たちがさまざまなチャレンジを与えられていくという内容のもので、リアリティ・シリーズが嫌いな俺でも、こういうプロたちが腕前を競い合うものはそれなりに好きなのです(素人参加型のやつは観てられないけど)。

番組のテンプレートは「トップ・シェフ」そのまんまなんだけど、製作会社が同じなのかな?1話のなかでまず第1のチャレンジがあって、それから難易度の高い第2のチャレンジがあり、最下位になった人が外されるという仕組みのもの。第1話ではホテルに集まった参加者たちが「このホテルにあるものを組み込んでメーキャップをしなさい!」と命じられ、それから「動物と人間を組み合わせたメーキャップを作りなさい!」というチャレンジを与えられていた。

衣装のデザインを競う「プロジェクト・ランウェイ」同様に、こうした勝負の評価って観る人の美的感覚に左右されるところが大きいと思けど、それでもやはり稚拙なメーキャップと巧いものの違いは素人目でも明らかだったな。審査員はハリウッドで活躍するメーキャップ・アーティストたちで、「ん〜、ノドのところのメークの質感がいいね〜」などと論評されてもよく分からないところがありましたが。

衣装や食事などよりも特殊な分野を扱ったものなので万人受けする番組ではないだろうけど、特殊メーキャップという職業でもアメリカは層が厚いんだなあと実感させられるものでしたよ。あとみんなやはりスケッチが巧いんだよな。パッと頭にひらめいたアイデアをすぐ絵にしてしまうところは見事だった。

「PERFECT COUPLES」鑑賞


NBCの新作シリーズ。3組のカップルを描いたシットコムで、1組のカップルはケンカばかりしていて、もう1組は自分たちの関係がうまくいってると考えていて、もう1組は…何だったっけ。憶えてられないくらいに特色のないカップルが騒ぎ合うだけの番組で、目新しさは全くなし。こういう凡庸なシットコムを求める人たちがいるのは分かるけどさ、「THE OFFICE」や「COMMUNITY」といったNBCの他の強力なシットコムに比べると圧倒的に劣った内容になっているぞ。

出演者もストーリー同様に無味乾燥な人たちばかりなんだけど、唯一の特色は「デイリーショー」のオリビア・マンが出ていることか。ただし彼女ってベトナム系で美人なんだけど「デイリーショー」のレギュラー陣のなかではダントツにジョークのデリバリーが下手で、他の人とのジョークの流れを断ち切ってしまうことが多々あるんだよな。よってむしろこちらの番組で成功して、「デイリーショー」からは降板するのがいいんじゃないかと淡い期待を抱いてしまうのです。

「グリーン・ホーネット」鑑賞


ポスターを一瞥しただけでも、何故いまさら「グリーン・ホーネット」なのか?何故ミシェル・ゴンドリーなのか?何故セス・ローゲンなのか?何故ジェイ・チョウなのか?といろいろ疑問がわいてくる作品なのだが、映画を観てもその答えは与えられなかったよ。

確かこの映画ってもともとはケヴィン・スミス監督で主演がジェイク・ジレンホールで企画され、そのあとチャウ・シンチーの監督&出演という噂があって、それから回りまわって、それでやっと今回のスタッフに決定したんじゃなかったっけ。このように製作の時点で右往左往した作品についてほぼ100%言えることは、スタジオが完成を急ぐために製作側のクリエイティブな面が疎かにされるということであり、それに今回はハリウッドで最も独創的な監督の1人であるミシェル・ゴンドリーが関わってしまったというのは不運というか皮肉というか。

ゴンドリーの従来の作品って少なくとも1本に1度は「このアイデアすごい!」と感心させられるところがあったんだけど、悲しいかなこの作品ではそれが無いのですよ。せいぜい主人公が今までの手がかりを回想するシーンがちょっとゴンドリーっぽかったことくらいかな。

そもそも原作はもっとストレートなヒーローものなのに何でバディ・コメディにしてしまうんだか。当然ながらセス・ローゲンはミスキャストで、ジェイ・チョウの拙い英語も聞いててしんどい。そしてキャメロン・ディアスを「ホットなお姉さん」として扱うのはいいかげん限界が来てるんじゃないだろうか。他の役者はけっこう良い人たちが出ていただけに残念。これを機にゴンドリーはしばらくフランスに戻って「恋愛睡眠のすすめ」みたいな小品を作ったほうがいいんじゃないだろうか。

あーあと3Dはまったく意味が無いので無理して高い金は払わないように。会話のシーンとかはメガネを外して普通に視聴できてたぞ。いちばん3Dになって見える部分が、最後のエンド・クレジットだというのはどういうことだよ!