「V」鑑賞

俺くらいの世代の人だと、80年代に日テレでやってた「V」のミニ・シリーズを熱心に観てた人も多いんじゃないでしょうか。あの頃のテレビの影響力は大きかった。「V2」はビデオ屋でレンタルするのが面倒で観なかったけど。そしてこれはABCによるそのリメーク。

第一話の展開はまあ典型的な異星人訪問ものをなぞっており、世界各地の都市に突如あらわれた異星人(ビジター)たちの巨大宇宙船は下部が巨大ディスプレイになっていて、そこに友愛のメッセージが各国の言語で放映されるという実に素晴らしい気配りをみせてくれる。宇宙船を見て『「インデペンデンス・デイ」みたいだ!』と言う奴がいるんだけど、あれ観てたら普通は宇宙船の下には行かないよな。

もちろんビジターたちが友愛の人たちでないことは最初からバレバレなわけで、彼らが怪しい目的を持っていることと、前回同様に人間の皮をまとったトカゲであることは比較的早めに明らかにされる。しかもビジターたちは昔から地球に侵入しており、政府や金融機関を乗っ取っていたことが明かされるんだけど、それじゃ「訪問者」じゃなくて「間借人」じゃん。そんなんだったらもっと人間をフヌケにしてから宇宙船を送り込めばいいのに。彼らの正体を知った人間側のレジスタンスが倉庫で会合を開いたり、それをビジター側が襲撃する描写などは「ゼイリブ」そのまんま。地球侵略に反対するビジターたちによるレジスタンスも存在するという設定は面白かったけど。

物語に登場する人間たちはシングルマザーのFBI捜査官とその反抗的な息子(とそのデブでマヌケな相棒)や、ビジターの訪問によって信仰心が揺らぐ神父、ビジターへのインタビュー権を手にするジャーナリストなどなど。全体的に話が型にはまっているような気がして、あまり続きを観たいという気にはならなかったかな。せめてレジスタンス側にマイケル・アイアンサイドがいればなあ。でも視聴率はずいぶん良かったみたいなので当分シリーズは続くんじゃないでしょうか。

というかビジターたちの服がグレーを基調としているためか、

俺には彼らが「ギャラクシー・クエスト」の人たちに見えてしまうのです。

ターミネーターを買おう!

「ターミネーター」フランチャイズの映像化権を持っているハルシオン・カンパニーが、破産法申請をしたことで映像化権を売りに出すんだそうな。2007年にマリオ・カサールに大枚はたいて映像化権を買って、サエない映画を一本作ってすぐに売りに出すというのはね、もうヴァカというかアホというか。強気にも7000万ドルくらいの値をつけるらしいが、ジョス・ウィードンは「100010000ドルくらいなら買ってもいいよーん」なんてことを言っております

ここは他の映画スタジオが映像化権を購入したとして、どのようなフランチャイズが出来上がるか考えてみる:

MGM:ロボコップvsターミネーター
フォックス:エイリアンvsプレデターvsターミネーター
ワーナー:スーパーマンvsターミネーター
ディズニー:マーヴェル・スーパーヒーローズvsターミネーター
東宝:ゴジラvsターミネーター

…などなど。実は上の3つは既にダークホース・コミックスからコミック作品が出ていたりする。ここらへんは大きなバジェットのいらないコミックの強みですかね。ちなみにハルシオンってフィリップ・K・ディックの小説の映像化権も持ってるはずなんだが、あれも売りに出されてるんだろうか。誰かこれらの権利を一緒に買って「ブレードランナーvsターミネーター」を作ってくれないかな。

「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」鑑賞

カーマイン・アピスって既に他界してたかと思ったんだけど、俺の勘違いだったのね。

バンドの努力と挫折を描いた非常に素晴らしいドキュメンタリー。ラーズ・ウルリッヒも冒頭でちょっと言及しているけど、アンヴィルが成功できなかった理由は彼らが「カナダ人であった」ような気がしてならない。国民性としてアクが弱いというか、リップスもロブも基本的にいい人すぎて、生き馬の目を抜く音楽業界で成功することは出来なかったんじゃないだろうか。でも成功したバンドの人なんてのは多くが家庭を崩壊させたり酒や麻薬で死にかけたりしてるわけで、そういう意味では暖かい家庭に恵まれた2人はそれなりに幸せなんじゃないでしょうか。

国民性といえば「日本人はコンサートに早く来る」ことも重要なファクターになっていることも見逃してはならない。あちらでは前座のバンドを律儀に最初から見るなんてことはあまりないですからね。あとアメリカでのライブの光景が1つも紹介されないけど、この作品の撮影時に彼らはどのくらい人気があそこであったんだろう。

それと多くのバンドが抱える悩みである、アルバム製作の資金の工面やアルバムの売り込み、そして配給の問題といった音楽業界の事情についてもそれなりに詳しく取り上げられているのが興味深い。作品中に彼らが仕上げたアルバムはレーベルが見つからず結局自分たちで配給することになったわけだが、そうしたことでバンドの手元に入る利益はどう変わったのかとか、インターネットによって配給の仕組みがどう影響されたかなんて話も聞きたかったな。

日本でのライブで終わる最後は「スパイナル・タップ」そのまんまで感動的。日本政府はこういう年取ったメタルの人たちが安泰に暮らせる保養地のようなものを作って、地方をドサ回りさせたりすればいいんじゃないでしょうか。定年退職したスコーピオンズのファンとかにとってのいい娯楽になりそうなもんだが。

「BEING HUMAN」鑑賞

昨年から始まったBBCのドラマ。吸血鬼のミッチェルと狼男のジョージ、幽霊のアニーがブリストルにある家に同居して、なるべく普通の人間らしい生活を送ろうとするのですが、彼らの忌まわしい過去や仲間の怪物たちがそれを邪魔することになって…というようなファンタジー色の強い作品。

これをコメディとして紹介しているサイトもあるんだけど、第1話を観た限りでは笑えるところはあまりなくて、むしろ現代社会で怪物として生きることの苦悩を描いたストレートなドラマになっていた。全体的な雰囲気は「トーチウッド」に近いものがあるかな。禁欲生活を送る吸血鬼とか生前の恋人を懐かしむ幽霊とかといった描写にはあまり目新しさを感じないけど、まかりなりにもBBCだけあって特殊効果とかも含めて手堅い作りにはなっている。もうちょっと怪物もののクリーシェを打破するような内容になってても良かったんだけどな。

本国ではシリーズ2が製作中のほか、アメリカでもリメイクされることが決まったらしいので、とりあえず今後もっと面白くなることに期待。

「SPLATTER」鑑賞

こないだ書いたロジャー・コーマン&ジョー・ダンテによるウェブ用ミニシリーズ。他にも脚本をリチャード・マシスンの息子が書いていたり、キャンディマンことトニー・トッドが出てたりとスタッフはそれなりに豪華だったりする。

話の内容は落ちぶれたゴスのミュージシャンが短銃自殺を行い、その通夜に彼のマネージャーや元恋人など5人の男女がやってくるが、ミュージシャンの罠によって彼らは屋敷に閉じ込められ、さらにゾンビとして甦ったミュージシャンによって彼らは惨殺されていくのだった…というもの。

ベテランのダンテが監督しているだけあってカメラのアングルが巧みで、それなりに楽しめる作品になっている。そのぶんウェブ用作品の常としてセットやライティングなどが安っぽく、全体的に悪い意味でチープな感じになっているのが残念なところ。名監督であってもビデオ撮りのショボさは補えませんでしたね。あとホラーなんだから出てくる女性たちはもっと叫ぶように!ゾンビが目の前に出てきても驚かないんだもの。

第1話では5人の男女のうち2人が殺される展開。あとは誰が死ぬかが視聴者の投票によって決定され、次回の11月6日までに急ピッチで製作が行われるとのこと。ちなみにミュージシャン役のコリー・フェルドマンがつい先日奥さんに離婚訴訟を起こされたらしいので、いっそセットに奥さんを誘い出して殺してしまったりすれば史上最強のホラー・ギミックになりそうなもんなんだが。