「WORLD OF TOMORROW EPISODE TWO: THE BURDEN OF OTHER PEOPLE’S THOUGHTS」鑑賞


タイトルが長すぎてきちんと表示されないかな?「WORLD OF TOMORROW EPISODE TWO: THE BURDEN OF OTHER PEOPLE’S THOUGHTS」です。

ドン・ハーツフェルトにおる、アカデミー賞候補になった短編アニメーション「「WORLD OF TOMORROW」の続編。22分ほどの短編な。

前作の主人公である少女エミリーのもとに、また未来のエミリー(前作とは別のもの)が現れる。エミリー6と呼ばれる彼女はエミリーの第三世代のクローンのバックアップであり、エミリーの記録を保持するために作られたのだが、その記憶が不完全なものであったために、未来からエミリーに会いに来たのだという。そしてエミリー6はエミリーの記憶を得るために二人の記憶を連結させ、二人はお互いの記憶の世界をさまよっていく…というあらすじ。

話の設定は前作とよく似ているものの、直接的なつながりはなくて、前作がどちらかといえば未来のエミリーの外部の環境を扱ったものだったのに対し、今回はエミリー6の記憶が主なテーマになっている。エミリー6はエミリーの記憶の容器として造られたものの、彼女自身の人生もまた経験しており、幼少時に仲の良かったまた別のエミリーのクローンの話とか、ダンサーになりたかったという夢などが語られていく。現在のエミリーが経験したことは彼女の記憶となってエミリー6にも瞬時に伝わり、さらにはエミリー4とか7といった別のクローンにも伝わる、というタイムトラベルの原理を用いた入れ子のようなプロットがあり、さらには記憶をテーマにした哲学的な話が語られて、その可愛らしい絵柄とは裏腹に内容はかなり難しかった…。もういっかい見直してみます。

エミリーをはじめとするキャラクターは相変わらずの単純な線で描かれたハーツフェルト特有のスタイルだが、今回は前作以上にCGの背景が美しくなっていて、星のきらめきとか記憶の世界の花の描写などが大変素晴らしい。これ映画館のスクリーンで観ても迫力あるんじゃないかな。

死にゆく世界に生まれ、エミリーの記憶のなかに自分の存在を見出そうとするエミリー6のもの哀しさがきっちり描かれた、コミカルなようでしっかりとしたSFアニメーションであったよ。前作はエミリーの声をハーツフェルトの4歳の姪っ子があてていたが、今回は彼女は5歳になってたそうで、これからも彼女の成長にあわせた続編を作っていく可能性をハーツフェルトは示唆しているとのことなので、今後のエミリーの冒険がどのようなものになっていくか興味深いところである。

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