2018年の映画トップ10

今年は明確なベスト作品が1つ。あとの9つは順不同とする。

<今年のベスト>
「スパイダーマン:スパイダーバース」
みんなが頑張ってアメコミを実写化しているのを横目に、スコーンとホームランを打って、やはりアメコミの映像化ってアニメが向いているんじゃないかと思わせるような作品。キャラクターの設定とストーリーがよく練られていて、観る人を圧倒させる出来だった。スーパーヒーロー映画に限らず、これからの娯楽作品の流れを変えるかもしれない画期的作品。

(あとは順不同)

「Columbus」
監督デビュー作とは思えない落ち着きっぷりで、街の数々の美しい建造物をバックに、男女それぞれの生き様が描かれるのが印象的だった。ジョン・チョーは「search/サーチ」も良かったね。

「シェイプ・オブ・ウォーター」
しっとりとしたファンタジー。デルトロ監督がオスカーを手にして言った「ドアはここだ。蹴破ってこい」というスピーチは記憶によく残っている。

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」
これ配信と劇場で2回観たのだが、再見することによって細かい演出(男は過去を見て左向きに座り、女は未来を見て右を向いている)にいろいろ気付くなど。話は説教くさいかもしれないけど、それをきちんと娯楽に昇華させているのよ。

「インクレディブル・ファミリー」
どうしても「スパイダーバース」に比べると劣って見えるものの、第1作の勢いをそのまま受け継いでましたね。今回はママさんとヴァイオレットという女性キャラが生き生きしていたと思う。

「デッドプール2」
前作よりもノリが良くなっていて大変面白い作品でした。スーパーヒーローものにはメタなギャグがよく似合う。次回以降はディズニー傘下になって毒が抜けたりしないか心配だが。

「レディ・プレイヤー1」
スピルバーグ御大が、あそこまでポップカルチャーネタを詰め込んでくれたら、もう満足するほかないでしょう。お腹いっぱい。

クレイジー・リッチ!」
個人的には「ブラック・パンサー」はさほど画期的だと思わなかったのだけど、あの映画にアフリカン・アメリカンたちが感じたカタルシスを、我々アジア人はこの映画に感じることができるんじゃないかな。客の多い映画館でゲラゲラ笑いながら観たのが楽しかった。

THEY SHALL NOT GROW OLD」
今年は殆どドキュメンタリーを観る機会がなかったのだが、そんななかで観たこれは非常に圧倒的な出来だった。こういうのもっと作ってください。

First Reformed」
そう話が展開するのか!と思いつつも、苦悩する主人公に共感せざるを得ない良作だった。

あとは「フロリダ・プロジェクト」を入れるか悩みました。「スパイダーバース」と「インクレディブル」に限らず、今年はアニメーション映画が面白かったな。「Teen Titans Go! to the Movies」もスーパーヒーロー作品にメタなギャグを入れてて非常に面白かったし、厳密には今年の映画じゃないけどスペインのアニメ「Birdboy: The Forgotten Children」も素晴らしかったです。

あとは道徳的なメッセージというか人生の教訓のようなものを、エンターテイメントのなかにしれっと混ぜ込ませるのが、ハリウッドは上手くなってきたなとよく思うようになった一年でした。

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」はさすがにあからさますぎるが、ボビー・リッグスの挑発を受けてビリー・ジーンが女性のために奮起するさまとか良く描かれていたし、「ぼっち同士でも気が合うなら、それが家族なんだ」と「デッドプール2」が訴えるのも良かったな。個人的にハッとしたのは意外にも「ジュマンジ」で友人が主人公に「誰だって人生はライフが1つなんだよ…」と説くシーンでした。トランプ政権下において、ハッタリでもこうしてモラルを説く姿勢を見せるのがいまのハリウッドの役目なのかもしれない。はてさて来年はどうなることやら。

「2018年の映画トップ10」への38件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です