来年の2月26日だってさ。思ったよりも早いかな。ここで紹介されてる画像を見る限り、なかなかいい出来に仕上がってるみたい。期待してまっせ。
カテゴリー: アメコミ
シンプソンズ版アラン・ムーア
こないだの「シンプソンズ」についにアラン・ムーア御大が登場したそうな。下の画像の真ん中だが…本人そのままやんけ。「シンプソンズ絵」になってもここまで似てる人って珍しいよな。ちなみに左が「マウス」のアート・スピーゲルマンで右が「ゴースト・ワールド」のダニエル・クロウズなんだとか。クロウズってこんなに老けてたっけ。
マーヴェル・コミックスの有料アーカイブ
マーヴェル・コミックスが、有料で自社の作品を閲覧させるサービスを始めた。スキャンしたコミックをフラッシュ形式で見せる方式で、ダウンロードはできない。いまのところ2500作品が揃えられていて、月10ドルで読み放題。やはりコミックスはダウンロードよりもサブスクリプション・ベースの商業モデルのほうが向いているのかな。
ざっとサービスを試用した感想としては、ブラウザで閲覧できるのでマックでも制限がないし、変なソフトウェアをインストールしなくていいのは便利。スキャンの質は悪くはないものの、やはり紙媒体に比べると色合いなどが明らかに劣る。ただし「Smart Panel」なる機能を使えば1コマずつ読むことができて、ブラウザでもちゃんとコミックが読めるようにデザインされているのには感心。あとはどれだけ充実したラインナップを揃えられるかが課題だな。個人的にはライディーンやダンガードAが登場する70年代の怪作「Shogun Warriors」あたりを読みたいのですが、あれって現在の権利はどうなってるんだろう。
「100 BULLETS: ONCE UPON A CRIME」読了
何度でも言うが現在続いているコミック・シリーズとしては最高の作品である「100 BULLETS」の、最新単行本「ONCE UPON A CRIME」を読了。序文をトム・フォンタナが書いていた。この作品はやはり単行本になってから読む方がいいね。そのほうが何層にも連なった重厚なストーリーをゆっくり吟味しながら読み進められるような気がする。(以下ネタバレあり)
前作は世界を操る13の家系「トラスト」の話にいささかページをとられすぎて少し話がまどろっこしいところがあったが、今回はついに全員が覚醒したミニットメンたちによる駆け引きが読み応え十分で、話が佳境に入ったことがよく分かる。でもやはり俺のいちばん好きだったキャラであるワイリー・タイムズが死んでしまったのは残念なところ。まあ奴だけカッコ良さが際立ってた部分があったので、こうなる運命だったんだろうな。でもブライアン・アザレロのストーリーの巧いところは、フラッシュバックを効果的に使うことで既に死んでいるキャラクターでも現在の話に絡んでくるという点で、我々がワイリーの姿を目にすることはこの先もあるだろう。彼を失ったヴィクター・レイの行動に注目。
そしてストーリーもさることながら、エデュアルド・リッソによるアートも相変わらず素晴らしい。夜の歓楽街の妖しい雰囲気とか、通行人の何気ない仕草とかを描かせたらこの人の右に出るアーティストはそういないんじゃないの。ちょっと前に「スタジオ・ボイス」か何かでアルゼンチンのイラストレーター特集をやってたけど、むしろリッソのような人をちゃんと紹介しないといかんのじゃないかい。
この単行本では第76話から第83話が収録されていて、シリーズ自体は第100話で完結する予定だからあと2冊くらい単行本が出ることになるのかな。これからクライマックスに向かって続くであろう怒濤の展開に期待。
古書市での掘り出し物
職場のあるビルの地下で古本市をやっていたので何気なく覗いてみたら「アメコミ5冊」という名でパック売りがされていたんだが、その中になんと「WARRIOR」が含まれていたので仰天する。
「WARRIOR」というのは80年代初頭にイギリスで数年間だけ刊行されていたコミック誌で、アラン・ムーアの実質的デビュー作である「V・フォー・ヴェンデッタ」や「マーヴェルマン」などが収録されていたことでファンの間では名高い雑誌なのだ。こんなものが日本で入手できるとは。さっそくパックを購入したら「WARRIOR」は2冊入っていて、そのうち1つには今まで読んだことがない(アメリカでリプリントされたときに含まれていない)「マーヴェルマン」の話が掲載されていたことに感激。しかもアートはスティーブ・ディロンだ。ムーアとディロンが組んだことなんてあったんですね。また「V・フォー・ヴェンデッタ」も、後にDCコミックスから出されたカラー版と違い、白黒であることから生じるコントラストが非常に大胆で、まるで「シン・シティ」の原型のようだ。他にも「LASER ERASER & PRESSBUTTON」なんて懐かしい作品も入っていたりして、イギコミ好きの身としては非常にうれしい。おまけに読者の投書欄では、若き日のウォーレン・エリスの手紙が紹介されていた。
このパックには他に「STARBURST」というSF映画雑誌が1冊入っていて、デイブ・ギボンズのコミックが1ページほど掲載されていた。残りの2冊は「SUPER HEROES」というアメリカのコミックを白黒でリプリントした雑誌だが、これに掲載されている作品がすごい。ニール・アダムスのスーパーマン! ジョー・キューバートのホークマン! ギル・ケインのグリーン・ランタン! カーマイン・インファティーノのフラッシュ!とまあ、シルバー・エイジを代表する作家たちの作品が並べられていて非常に素晴らしい。こういった本を古書市で発見するなんて、ギーク冥利につきますね。