いまいちばん観たい映画


俺も名前だけは知っていたカナダのメタル・バンド「アンヴィル」のドキュメンタリー「Anvil! The Story of Anvil」が先週末にアメリカでは公開されて、非常に高い評判を得ているらしい。売れなくても地味に公演を続けて来た彼らの姿はリアルなスパイナル・タップとまで呼ばれ(しかもドラマーの名前はロブ・ライナーだ!)、笑いあり涙ありの傑作ドキュメンタリーになっているんだそうな。

こないだの「KING OF KONG」もそうだったけど、俺はダメ男が奮闘するドキュメンタリーに弱いのかもしれない。そういうのに限って日本で公開されないんだよな。

クリス・モリスの近況

BRASS EYE」のクリス・モリスって最近何をやってるのかと思ったら、「FOUR LIONS」なる自爆テロリストを主人公にした映画を作っているらしいぞ。ネット上に転がっていた文書を訳してみると:

「Four Lions」プロジェクトがいったい何なのか、多くの人が我々に尋ねてきました。撮影されていない映画を公開できないことは明らかですが、あたりに流布していた書類からいくつかの文章をここにまとめました。これは恥知らずの宣伝ではありますが、正確なものであります :あなたが新聞で読んだことの大半と違って。この映画の脚本を読んだ事がある人は、ここに書かれたことを否定できないでしょう。

3年の調査期間をかけ、クリス・モリスはテロリズムの専門家やイマーム、警察、シークレット・サービス、そして何百人ものイスラム教徒と話をしました。ジハードの訓練をして戦った者でも、バカげたことの多さを語っています。訓練用のキャンプにおいて若きジハード兵たちはハチミツについて口論し、母親を求めて泣き、お互いの足を吹き飛ばし、ヘビを追いかけ、喫煙したことでキャンプを追い出されます。自爆用のビデオ撮影開始から1分たったとき、困惑した表情を浮かべて「いまの質問なんだったっけ?」と聞き返す自爆テロリスト候補。1999年の大晦日に、アメリカの戦艦を爆破しようとした5人のジハード兵たち。彼らはボートを水に浮かべ、爆薬を注意深く積み込みました。ボートは沈みました。

テロリストの部隊は、男だけのパーティーや5人サッカーのチームのごときグループ精神を持っています。そこには葛藤や友情、誤解やライバル意識があるのです。テロリズムの背後には思想がありますが、それと同時にマヌケもいるのです。
「Four Lions」は愉快でスリルに満ちた架空の物語で、我々の文化のすべてを超えた洞察力をもって、現代のイギリスのジハード兵に光をあてます。この映画は、若きジハード兵たちを理解できない異国人としてみなす我々に新たな見解を与えてくれます。彼らがどこかに失せて欲しいと願ったり、彼らを生む文化全体を拒否することの愚かさを教えてくれるのです。この映画はテロリズムがいかに男性ホルモンと結びついているかを説明します。またジハード兵が人間であることを説き、そして人間が本質的にバカであることを説きます。「スパイナル・タップ」がヘビー・メタルを理解し、「博士の異常な愛情」が冷戦を理解したように、「Four Lions」もまた現代のイギリスのジハード兵を理解しているのです。

だってさ。なかなか面白そうではありませんか。当然ながら資金集めは苦労したらしいが、早ければ年内にも撮影&公開されそうなので、ここはひとつ期待しておきましょう。

マイク・ジャッジの新作


日を追うごとにその偉大さが増しているような気がする大傑作「Idiocracy」がこないだやっと日本でも(「26世紀青年」というヒドい邦題で)発売されたマイク・ジャッジの新作は「EXTRACT」というらしいぞ。

職場でも家庭でも悩みを抱えた工場長を描いたコメディなんだとか。ジェイソン・ベイトマンが主人公ということで期待大。ベン・アフレックの存在が不安と言えば不安だが。今回はミラマックス配給ということで、ちゃんと劇場公開されるんだろうか?

Kumar goes to White House

(以下ネタバレあり)
「ハロルド&クマー」のクマーことカル・ペンが、役者業を休業してホワイトハウスでの役職に就くことになったそうな。オバマの就任式か何かでスピーチをしてたのは知ってるけど、ここまで政治に興味があったのか。具体的に何をやるかは明らかにされてないけど、アジア人のスタッフということで応援したいところです。

んでこの休業にあたりレギュラー出演していた「HOUSE」を降板したんだが、よりによって彼のキャラクターが突然の自殺を遂げるというかなり強引な展開で降板したためファンのあいだでは議論が巻き起こっているらしい。そりゃそうだろうな。

むしろ個人的に心配なのは、第3弾が予定されていた「ハロルド&クマー」シリーズがどうなってしまうのかということ。マリファナと下ネタジョークが満載の映画にホワイトハウスの職員が出るのはマズいだろうな…。あ、でもマリファナが合法化されれば何の問題もなく出演できるのか。というわけでカル・ペンにはそっちの方でも頑張って欲しいところです。

「スター・トレック」の続編

公開が待たれる劇場版「スター・トレック」ですが、早くも続編の製作が決定したそうな。よって興行成績を上げて続編を作らせるという我々ファンの目的は公開を待たずして達成されたので、各自劇場には行かず自宅で待機するように…というわけにはいかないか。

「2」ということはカーンは出てくるのかカーンは。個人的にはここ最近完全に「いい人たち」になってしまった感のあるクリンゴン人の中から極悪非道な悪役が出て来て欲しいところです。あとこの映画、プロモーションに時間かけるのはいいんだけど5分〜10分単位の「チラッと公開」をいろんなところでやってるもんだから、既に半分くらい観てしまったような気がするのです。