「ミニミニ大作戦」の解決法

(ネタバレ注意)60年代の傑作映画「ミニミニ大作戦」のラストは金塊を積んだバスが崖から半分飛び出して宙ぶらりんになるという文字通りのクリフハンガーで終わるわけだが、無事に金塊を確保する方法をイギリスの王立化学会が募集したところ2000ものエントリーがあったらしい。みんなちゃんと金塊の重さとかバスの長さを計算して解決策を導き出しているあたりが素晴らしいなあ。

それで1位に選ばれた案は、まずバスのガラスを割り、タイヤの空気や燃料を抜いてバス全体を軽くし、それから周囲の岩をバスに積みこんでバランスをとってから金塊を確保するというものなんだとか。計算式が複雑すぎて俺にはこれが正しいのかどうか全然分かりませんが。ちなみにあれって企画だけされた続編「THE BRAZILIAN JOB」ではヘリコプターに救出されるとかというオチなんじゃなかったっけ。

アカデミー賞ノミネート発表

なんか全体的に地味だねー。ゲイの活動家の伝記とか、修道院の虐待の物語とか、受賞しても客の入りが伸びるとは思えない作品ばかりのような気がする。

あと「おくりびと」が外国語作品賞にノミネートされたことで日本のマスコミはいろいろ煽るんですかね。前評判からいって明らかに「Waltz with Bashir」の勝ちだと思うんだが。

個人的にはヴェルナー・ヘルツォークの「Encounters at the End of the World」がドキュメンタリー作品賞にノミネートされたのが嬉しい。

映画版「ファウンデーション」の監督決定

なぜかローランド・エメリッヒだと

ということはつまり、銀河の片隅で百科事典の編纂作業にとりかかっていた平和な惑星ターミナスが突然悪の帝国軍のUFOに襲撃され、ついでにでっかいイグアナが出て来て大災害を巻き起こすものの、実はターミナスには古来から伝わるセルダン・プランなるものがありまして、こういった出来事を事前にすべて計算していたためにすんでのところでターミナスは帝国軍を撃破することに成功したのでした…みたいなストーリーになるんだろうか。なんか原作と全然違うような。

「指輪物語」3部作の成功にかこつけてか複数の巻がある小説の映画化がいっとき流行ったけど、その多くが息切れして途中で打ち切られてるわけで(「ナルニア」とか)、この「ファウンデーション」もちゃんと最後まで(3作?7作?)作られるのかえらく不安ではある。

フランク・ミラーの次の監督作

コミック・ファンのあいだでは定説となりつつある話として、「フランク・ミラーはここ10年のあいだ、徐々にしかし確実に正気を失いつつある」というのがありまして、これは例えば「シン・シティ」の「THE HARD GOODBYE」と「TO HELL AND BACK」、もしくは「ダークナイト・リターンズ」と「DK2」を読み比べてみたり、「ALL-STAR BATMAN AND ROBIN」を一瞥してみれば明らかなことなんだけれども、ここしばらくの作品はみんな話が大味になっていて、登場人物に深みが無いものになってるんだよね。911テロに精神的打撃を受けたことは本人も認めてるし、カラーリストのリン・ヴァーリィとも離婚したりして、まあいろいろあったのかもしれないけれど、昔はもっと業界で絶大なリスペクトを受ける作家だったんだがなあ。

でもその一方で「シン・シティ」と「300」という自身が原作者の映画がヒットしてしまったため、最近は映画業界の人になってしまった感があるのですが、その監督第一作である「THE SPIRIT」は公開前からボロクソに叩かれているらしい。これでもう映画監督としてのキャリアは無くなったかな、と思いきや次は「バック・ロジャース」の劇場版を監督するという話が伝わって来た。なぜ今になってバック・ロジャースなのか?ミラーのスタイルとは180度違う、明るくて未来的なコミックなのに…?「ミラー流の暗い話になる予定だ」なんて書かれてるけど、誰もバック・ロジャースにそんなもの期待してないぞ!とりあえずゴミ映画を作るのであれば、他人のコミックではなく自分の作品を映画化しましょうね。

ちなみに俺は70年代の「バック・ロジャース」のTVシリーズのオープニングが死ぬほど好きなのです:

こちらは「サウス・パーク」の良く出来たパロディ: