ドイツ出身のニューウェーブ・シンガー、クラウス・ノミの生涯を追ったドキュメンタリー「ノミ・ソング」を観る。
いやもうやっぱクラウス・ノミ最高。「奇抜」とか「前衛的」といった表現が失礼に思えるくらい。従来のアートの概念を粉々にするようなパフォーマンスを、しれっとした顔でやってのけてる姿が実に衝撃的だ。俺みたいな凡人の頭を100回トンカチで叩いたって出てきそうにないコンセプトのファッションで踊り、超音波のごときファルセット・ボイスで歌う姿は、もはやこの世のものとは思えないほどに神々しい。
このドキュメンタリーでは彼の生い立ちや私生活が語られ、彼のイメージ作りに関わった人たち(コントーションズのマネージャーなんてものいたらしい)にインタビューすることによって良くも悪くもノミの「非神格化」が行われているものの、それでも彼の独創性はビクともしない。多くの人が述べているように、ニューヨークに移ってきたばかりの無名時代から彼はすでに特殊な存在であって、周囲の人はあくまでも彼に手を貸していっただけのような気がする。パイを焼くのが趣味だったとかツィステッド・シスターの前座をしたとかいう「ちょっといい話」を聞かされても、彼が普通の人間であったということは信じ難いわけで、作品中でも言及されているように、実は宇宙から来た存在だったとしても何ら不思議はない。誰もエイズなんて病気を知らなかったときに(1983年)エイズで死んだというのも、彼がいかに時代を先取りしていたかを象徴しているんじゃないかな。
あと300年くらいすれば、我々人類はノミの真の素晴らしさをやっと理解することになるだろう。

こないだ取り上げた「
ヴェルナー・ヘルツォークの比較的最近の作品「神に選ばれし無敵の男」をDVDで観た。
アメリカでは来週ついに「SUPERMAN RETURNS」が公開されるわけで、既に鑑賞した批評家たちからは絶賛されてるらしい。ああ早く観てえ。だがとりあえずその前に、こないだ発売されたDVDムービー「SUPERMAN: BRAINIAC ATTACKS」を観る。 これはアニメ・シリーズ「SUPERMAN: THE ANIMATED SERIES」の長編作品で、例によってブルース・ティムがデザインしたキャラクターたちが画面中を動き回ってくれるのです。ただし「SUPERMAN : TAS」や、特にあの大傑作「JUSITICE LEAGUE UNLIMITED」では俺みたいなオールドファンも喜ばせてくれるような話の展開が多々あったのに比べ、今回の作品は明らかに内容が子供むけ。スーパーマンの宿敵ブレイニアックはただの巨大ロボットみたいで、シリーズ版にあった知的で冷酷な感じはなくなってるし、「JLU」では主人公なみのクールさを発散していたレックス・ルーサーに至っては、やたら騒いでくだらないダジャレをとばすような、実につまらないキャラクターになってしまっている。おまけにどうも絵が下手だし、「JLU」並のクオリティを期待してると本当に失望させられる内容になっている。おかげでアマゾンでも酷評されまくってるようだ。