「トゥモローランド」鑑賞

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公開中なのでネタバレせずに感想をざっと:

・田舎のティーンが不思議な事件に遭遇するSF映画、と言う意味で全体的な雰囲気は80年代のスピルバーグ作品のようであった。意図したものではないだろうけど、「SUPER 8」なんかよりもずっと似ていたと思う。

・でもスピルバーグ作品に比べて人の吹き飛び方とか、ロボットがボコボコにされるさまは結構えげつない描写がされていて、あれはアニメーター出身の監督だからですかね。映像を観ながら「アニメだったらどう描写してたかな…」とつい考えてしまうのは偏見かな。

・ストーリー自体は面白いものの、脚本に粗さが目立つのが残念。ビデオ撮りしてる冒頭から「はぁ?」となるし、「この先どうなるんだろう」というワクワク感よりも「いま何が起きてるんだろう」という五里霧中な印象を観客に与えてしまうというか。もう2回くらい脚本をリライトしてもバチはあたらなかったと思う。

・でもグッズ店の店主の名前が「ヒューゴー・ガーンズバック」だったり、店でのバトルの音楽が「スター・ウォーズ」のパスティーシュであったりと、SFに対するオマージュが散りばめられていて、監督の愛情が伝わってくる作品でありました。

・ビル・マーも自分の番組で指摘してたが、いまハリウッドにおける頭のいいキャラ(今回はアテナ)ってみんなイギリス英語を話しますね。

・「ルーパー」「エクスタント」に続き、ピアース・ガニォンって「SF作品に出てくる小生意気なガキ」ばかり演じているな。

・興行的にコケたので、今後ブラッド・バードが実写作品を撮るのは難しくなるかな?何にせよ次回はいよいよ「The Incredibles 2」なので大いに期待できますね!

「Kingsman: The Secret Service」鑑賞

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グラント・モリソンに恨みを買われてるマーク・ミラーと、アラン・ムーアに恨みを買われてるデイブ・ギボンズによるコミック(いや、別にこの言い方に他意はない)が原作の映画な。日本では「キングスマン」の題で例によってずっと遅れて9月公開とのことなので、ネタバレにならないよう感想をざっと:

・話の流れは原作に結構忠実なんだけど、労働者階級と上流階級のギャップよりも、監督のマシュー・ヴォーンによる昔のスパイ映画へのオマージュが前面に押し出された出来になっている。劇中でもスパイ映画について言及されたりしてるのだが、リアル路線を追求した今の007やジェイソン・ボーンものへの反動のような、秘密兵器と豪華なファッションが満載の作品となっていた。とはいえ結局はハッキング合戦になるのが今のスパイ映画の限界なのか。

・原作では主人公がもっと筋金入りのチャヴ(イギリスのDQN)だったような憶えがあるが、こちらは比較的素直な青年といった感じ。上流階級出身の仲間たちとの対比も控え目かな。彼が雇われる秘密組織「キングスマン」は紳士たちが揃ったエリート組織であり、悪の組織の首領も底辺の人々を抹殺しようとするエリート主義なわけで、一般の人が関わるようなシーンはなし。まあ昔のスパイ映画がそうだったといえばそれまでなんだけど、貴族の末裔だという監督にエリート全肯定みたいな話をやられるとちょっと鼻についたりもする。

・イギリスの田舎で若者たちが訓練するシーン、何かに似てるな…と思ったら「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」だった。その前の「キックアス」といい、マシュー・ヴォーンはどれだけ若者が訓練される映画が好きなのか。

・コリン・ファースにマイケル・ケイン、マーク・ストロングといったイギリス男優が揃ったキングスマン側の演技は鉄壁である。しかし彼らを相手にしても一切ひけをとらないサミュエル・L・ジャクソン親父の演技はもっと凄い。

・原作ではマーク・ハミルが本人役(?)で出てるのに、こちらではハミルが他人の役を演じてるのが勿体ないなあ。

・「2625」はあちらのテンキーだと「ANAL」だそうな。HAHA!

「キックアス」同様に、全編にわたって「これだけ無茶やればウケるだろ」みたいな計算深さが窺えるのが気になるが、まあ何も考えずに目の前で繰り広げられる暴力描写をゲラゲラ笑ってるぶんには楽しめるかと。続編も作られるようだし。

「EX MACHINA」鑑賞

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ちょっと前だけど飛行機の中で観て面白かった作品なので感想を簡単に。機内用の映像のため女性の裸とかにボカシが入ってたけど、話の内容は修正されてないはず。

検索エンジンの会社で働く若きプログラマーのケイレブが社内の抽選で無作為に選ばれ、会社の社長が住む山の奥地の別荘に招かれるところから話は始まる。そこでケイレブはエキセントリックな社長のネイサンに、人工知能を搭載したエイヴァと呼ばれるヒューマノイドと会話を毎日行ない、彼女の人工知能が本物であるかを試すように伝えられる。最初は真面目にテストを行なっていたケイレブだったが、やがてエイヴァに感情移入するようになっていき…というプロット。

ポスターとかではいまいち内容が分かりにくいが、意外と正統なSFサスペンスになっている。人工知能を備えたロボットの反乱、というと陳腐だけど、エイヴァとケイレブとネイサンの思惑が錯綜し、最後まで飽きさせない展開が続いていく。

監督のアレックス・ガーランドは「ザ・ビーチ」の原作とか書いた小説家でこれが初監督作品となるが、反射を効果的に使った映像が非常に美しいのですよ。あれは撮影監督の手腕が大きいのかな。哲学について語るシーンが多かったりするのは、まあ小説家が書いた脚本っぽいですね。

またケイレブを演じるのがドーナル・グリーソンで、ネイサン役がオスカー・アイザックなのだが、おれ最後のクレジットを観るまでオスカー・アイザックだとは気付かなかった。「ドライヴ」と「ルーウィン・デイヴィス」の役もまるで別人のようだったが、ここでもイメージを大きく変えてネイサンを演じている。

ちょっとでもSFや人工知能に興味がある人なら観て楽しめる作品じゃないでしょうか。日本でもいずれ劇場公開するでしょう。

「SENSE8」鑑賞

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「SENSE8」と書いて「センセイト」と読む。「バビロン5」のJ・マイケル・ストラジンスキーとウォシャウスキー姉弟によるネットフリックスのオリジナルシリーズで、多くのエピソードをウォシャウスキー姉弟が監督している。

第1話を観ただけでは話の全貌がかなり掴みづらいのだが、肉体的に遠く離れていても五感を共有することができるセンセイトという存在がいて、悪のセンセイトと善のセンセイトの間にいた女性のセンセイトが自殺し、それがきっかけとなって世界中の8人の男女にセンセイトの能力が授けられる。ソウルのビジネスウーマンやシカゴの警官、ドイツの金庫破りなど人種も経歴もまったく異なる彼ら8人だったが(みんな英語話してるのはご愛嬌)、他人が目撃したものを自分も目にするといった突然の感覚の共有に戸惑うことになる。しかしその感覚はやがて彼らを結びつけることになり…というストーリー。

まあネットフリックスのシリーズなので、例によってシリーズ全話を一気に視聴することが推奨されてるみたい。よって第1話観ただけでは話が全然分からないのですが、おれ全話観てる時間なんてないのよ。しかも第1シーズンでは8人のセンセイトが実際に出会う展開は無く、あくまでも世界各地での彼らの話が進んでいくらしい…って「HEROES」のティム・クリング作品っぽくってすごく不安なのだが。でも複数エピソードを観た人のレビューはそこそこ好評なようで、クリングの「TOUCH」などよりは面白い内容になってるのかな。

出演者はダリル・ハンナにフリーマ・アジャマンなど。ナイロビやムンバイといった世界各地でロケをしていて金がかかってんなーと思うものの、8人の姿が目まぐるしく描写されるため、どのキャラクターにも感情移入しにくいのだよな。おれ「マトリックス」以降のウォシャウスキー姉弟の作品ってまるで観れてないのですが、「クラウド・アトラス」もこんな感じなの?

たぶん話を追っていけば面白くなる作品なのだろうが…。既に日本語版も作ってるようなので、日本に来たときにみなさん代わりに観ておいてください。

「Kung Fury」鑑賞

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その80年代テイスト丸出しのトレーラーが大きな話題を呼んだアクション・コメディ短編。キックスターターで出資を募ってから完成が望まれていたが、この度ついに無料で公開されたのだよ。

舞台は1985年のマイアミ。悪がはびこり警官は平気で射殺され、さらにはアーケード・マシンが凶悪ロボットに変形して人を襲うなか、雷撃に打たれてコブラに咬まれたことで驚異的なカンフー能力を身につけた一匹狼の刑事カン・フューリーは一人で悪と戦っていたが、なぜか1940年代からやってきた悪のカンフー総統ヒットラー(「カン・フューラー」!)に上司を殺害されてしまう。上司の仇を討つため、天才ハッカーであるハッカーマンの力を借りてカン・フューリーはタイムマシンを使って1940年代を目指すものの、計器の故障によりはるか昔の恐竜が闊歩する時代に飛ばされてしまい…という展開。

とにかくシンセ音楽がバンバン鳴り響き、VHSのノイズが画面に走るなか、滑稽無糖なアクションで悪を倒すカン・フューリーがカッコいいのだよ!なんで警察の相棒がトリケラトプスなんだとか、恐竜時代に戻った意味ってあまりないんじゃないとかツッコミどころは当然山のようにあるものの、いいんだよ、細かいことは!突然画面がテレビ通販になったり、80年代アニメになったりと詰め込み過ぎのような気もするが、むしろこれくらいやってくれたほうが楽しいかと。

アマチュア映画とはいえ特撮とかアクションとかはよく出来てるし、クラウドファンディングで製作費を集めたところなどは「アイアン・スカイ」に似ているな…と思ってたら監督・製作・主演のデビッド・サンドバーグってスウェーデン人なのか。フィンランドの「アイアン・スカイ」といい、北欧ってこういう映画を製作できる土壌みたいなものがあるんだろうか。でもしっかりアメリカ市場を狙っていて、主題歌にデビッド・ハッセルホフを起用するあたり、日本の映画会社などよりも手堅い海外進出ができてるよね。

今回は30分の短編だが、劇場版の製作の話もあるとか。その際は出資を募ったら募金させていただきます。80年代に一泊500円で「レモ/第一の挑戦」とか「片腕サイボーグ」とかレンタルして観てた奴は今すぐ観よう!