「THIS IS THE END」鑑賞


ジャド・アパトー系のコメディアンがみんな本人役で出演したコメディ映画。でもアパトー自身はこれには関わってないよ。

ジェイ・バルチェルがカナダから久しぶりにロサンゼルスにやってきて、旧友のセス・ローゲンと再会するところから話は始まる。2人はそのあとジェームズ・フランコの大邸宅で行われているパーティーに参加し、ジョナ・ヒルやマイケル・セラ、クレイグ・ロビンソンといった同業者たちに出会う。パーティーは夜中まで続いていたが、街が突然巨大な地震に襲われ、住民の多くが天からの青い光につつまれて昇天してしまう。これは聖書の黙示録に記された終末のときがやってきたのだ。

善人たちは神に選ばれて昇天できたが、ハリウッドのセレブなどという邪な連中が神に認められるわけもなく、大半が地割れに落ちたり業火に焼かれて死んでしまう。バルチェルとローゲン、ヒル、フランコ、ロビンソンの5人はフランコの家に閉じこもり、街を跋扈する魔物たちから身を守ろうとするが、招かれざる客としてダニー・マクブライドがやってきたことから内輪もめが始まり…というようなストーリー。

内輪ネタみたいなものは殆どないのだけど、まあ出演者(および彼らの出演作品)をどれだけ知ってるかで話をどれだけ楽しめるかが大きく変わってくるでしょう。話の中心となるのがジェイ・バルチェルやダニー・マクブライドであることを考えると、日本での劇場公開が見送られたのも無理はないかな。セス・ローゲンはエヴァン・ゴールドバーグと共同監督を務めていて、コメディもできるイケメンのジェームズ・フランコはやはり得だなーといった感じ。他にもエマ・ワトソンやリアーナ、アジズ・アンサリ、ポール・ラッドなどがチョイ役で出ています。そしていちばん体張ってるのがチャニング・テイタム。そこまでやるか?と思うくらいに頑張ってます。

話の半分くらいは出演者のアドリブだったらしく、口論のシーンなんかは本当にケンカしてたらしいが、そんな彼らのやり取りをずっと楽しむような内容になっています。プロット自体は中学生がノートに落書きしてるようなレベルなんだけどね。それで106分という尺はちょっと長いよな。長尺になるところは別にアパトーに見習わなくてもいいのに。あと出演者の大半がユダヤ系であるにも関わらず、「ヨハネの黙示録」通りに話が展開していくことへのツッコミが無かったのが意外だったかな。

前述したように人を選ぶ内容だし、吉本の芸人が総出演したようなノリの映画ではあるものの、個人的にはそれなりに楽しめました。アメリカではヒットしたことで続編の話も出ているらしく、今度はこの映画のプレミア試写会において天変地異がおきるという、なんかメタな話になるらしいのでそっちにも期待しておきます。

「MASTERS OF SEX」鑑賞


Showtimeの新シリーズ。公式サイトで第1話が視聴可能だよ。

ドキッとするような題名だが内容は決して卑猥なものではなく、50年代から90年代にかけて性科学の研究を行ったウィリアム・H・マスターズとヴァージニア・ジョンソンを主人公にした話になっている。産婦人科医であったマスターズは男女における性的興奮などに興味を持ち、勤務する病院が難色を示すのにも構わず独自に研究行為を行っていく。その彼に秘書として雇われたジョンソンは彼の有能な助手として働き、やがてパートーナーとなるのだが…というようなプロット。

当然ながら男女の裸もたくさん出てくるのですが、電極をいろいろ付けられて科学者の前で行為に及んでたりするのを見るとなんか萎えますね。カメラをつけて女性の内部を調べよう、なんてことを大真面目にやってるのは結構笑えたりする。テーマ的にはどうしても「愛についてのキンゼイ・レポート」に似ていて、マスターズが美人の妻を持ちながらも性には完全に素人で、そのため性を科学的に研究しようと思い立つあたりも「キンゼイ」に似ているかな。一方でジョンソンは性的に奔放で、その経験をもってマスターズを助けていたりする。

マスターズを演じるのがマイケル・シーンで、ジョンソンを演じるのがリジー・キャプラン。マイケル・シーンの演技を毎週観れるというのは、結構特筆すべきことなのでは。他にもボー・ブリッジスやマーゴ・マーティンデールなどが出演していた。

マスターズとジョンソンが実生活で結婚する(後に離婚)することを考えると、病院での研究だけでなく私生活のほうでもドロドロとしたドラマが描かれていくのかな。また彼らの研究は当時でも現在でも大きな議論を呼んだもので(同性愛者の「矯正」なども試みたらしい)、大きなタブーをきちんと扱っているのには好感が持てるのですが、時代的には60年代の活動が中心になるのかな?ウーマンリブや公民権運動などが絡んでくることも示唆されてます。

「AVクラブ」では今年の新シリーズのうちでも最良のもの、というような褒め方がされていたけど、個人的にはこれって「キンゼイ」でやってなくね?という感想でした。でも「マッドメン」みたいに高い評価を受ける作品になる可能性は高いかもしれない。

「HELLO LADIES」鑑賞


「THE OFFICE」以来、リッキー・ジャヴェイスと組んでいろいろコメディ番組を世に出してきたスティーブン・マーチャントが、ジャヴェイス抜きで主演・脚本・監督を担当したHBOの新シリーズ。第1話がyoutubeにアップされていた。

主人公のスティーブンはロマンスを求めてイギリスからロサンゼルスにやって来たウェブデザイナー。女の子をゲットするために律儀にクラブに行って「やあ彼女たち!」と声をかけたり、知り合った女性を食事に誘ったりするもののすべて失敗続き。その一方で彼の友人たちはうまく女性たちをものにしていて…というようなプロット。

少なくとも第1話はあまり話らしきものがなくて、スティーブンの奮闘ぶりがひたすら描かれる内容になっている。コメディ番組とはいえゲラゲラ笑えるようなものではなくて、同じくイギリス人が絡んだHBOの「エキストラ」とか「FAMILY TREE」みたいな、ペーソスが入り混じったコメディドラマになっているかな。クラブでカッコつけるんだけど相手にされず、酒だけ奢らさせられる主人公の姿は他人事とは思えないですね。

ただやはり立派な家を女友達とシェアしていて、一緒にクラブ行くような男友達がいて、ウェブデザインで生活していて、身長2メートルある主人公が非モテというのはなんか無理があるんじゃないだろうか。本当にモテないというのはなあ、といろいろ書き連ねたいのだがそれはまた別の機会にする。1人でさびしく夕食を電子レンジで温めてる姿なんかは似合ってるんだけどね。

第1話のパターンがこのまま続くようだとキツいだろうが、今後の展開はどうなっていくのかな。こないだの「FAMILY TREE」なんかは話が進むにつれてどんどん面白くなっていったので、そういうことになるのを期待。

「THE CRAZY ONES」鑑賞


こないだの「MONDAY MORNINGS」がいつの間にか終わっていたデビッド・E・ケリーが、負けじと世に送り出すCBSの新作コメディ。

シカゴの広告代理店に勤めるサイモン・ロバーツは離婚やアル中などを経験して私生活は乱れているものの、秀逸な閃きをもって数々の仕事を手にしてきた。しかし最近は落ち目で職を失う可能性に面しながら、自分の娘を含むスタッフを率いてクレージーなアイデアで仕事を獲得しようとするのだった…というようなプロット。

変人だらけのオサレなオフィスとか、歌うゲスト(ケリー・クラークソン)とか、セックスに関するカジュアルなトークとか、無茶な提案をして逆に公衆の前で恥をかくスタッフとか、いかにもデビッド・E・ケリーの番組だなあと思わせる展開がいろいろ出てくる内容になっていて、これは決して良いわけでもなく、なんかもうネタ切れが顕著なんですよ。「アリーmyラブ」あたりで観たような展開がそのまま繰り返されているという。

主人公のサイモンを演じるのはロビン・ウィリアムスで、TVシリーズに出演するのって70年代の「モーク&ミンディ」以来だよな。彼の娘を演じるのがサラ・ミシェル・ゲラーで他にもジェームズ・ウォルクやハミッシュ・リンクレイターなどと、他の番組で主役を張れそうな強力なキャストが揃っているものの、じゃあ演技が面白いかというとそうでもなく…みんなケリーの脚本のセリフを喋るのに手一杯という感じ。ロビン・ウィリアムスは決して嫌いな役者ではないのですが、役を演じるよりも普通に話しているほうがずっと面白い人だと思うので、セリフの多い脚本家との相性は悪いように感じられるんだが、どうなんだろう。

あと気になったのがマクドナルドなどの実在の企業がそのままクライアントとして出ていることで、別にプロダクト・プレースメントではなく金銭の授与も無いようなんだけど、普通に「お金をくれるありがたい存在」として描かれてるのはどうなんだろう。タイトルからしてアップルのアレの賛美だし。以前のデビッド・E・ケリーなら商業主義に対する皮肉を混ぜてた気がするんだが、俺のなかで過去の作品が美化されてるのかな。

まあキャストの知名度は圧倒的だし、視聴率も好調なようでそれなりの人気を獲得するかもしれないけど、もうちょっとヒネリを加えてもいいんじゃないかと思う作品。

「Agents of S.H.I.E.L.D.」鑑賞


鳴り物入りで始まったABCの新シリーズ。「アベンジャーズ」のスピンオフ的な作品な。

「アベンジャーズ」の戦いの後から話は始まっていて、劇中では死んだと思われていたエージェント・コールソンが現場に復帰し、シールドのエージェントの中から特殊チームを結成して特殊能力を持った超人(いちおう「スーパーヒーロー」と呼ばれている)などの脅威を防いでいくという内容になっている。これに加えて「コールソンはどうやって甦ったのか?」というのが大きな伏線になるみたい。

当然ながら「アベンジャーズ」並みのアクションが期待できるわけでもなく、メジャーどころのヒーローが出てくることもなく、司令部はヘリキャリアーから貨物輸送機へと代わって全体的に小ぢんまりとしてるのですが、それでもSFXなどは頑張っているほうかと。また「アイアンマン3」のエクストリミスをはじめ過去の映像作品やコミックの世界に関する言及がいろいろされるのですが、これはどこまで一般受けするだろう。

コールソンを引き続き演じるのはクラーク・グレッグで、マリア・ヒル役のコビー・スマルダーズも第1話に出演してるがニック・フューリーことサミュエル・L・ジャクソンの出演はなし。あとは特殊チームの一員をミン・ナ姐さんが演じてたりします。チームのほかの面子は機械が得意なギークとか一匹狼的なタフガイとかがいて、典型的といえば典型的かな。あとシールドの動向を探っているうちにそのまま彼らに雇われてしまう天才ハッカーの少女が準主役的な扱いになっていて、ここらへんは活発な少女が好きなジョス・ウィードン(第一話の脚本と監督を担当)の本領発揮ですかね。

大ヒット映画のスピンオフだといってあまり大きな期待をかけなければ十分に楽しめる内容だし、今後どれだけコミックネタが出てくるかに期待したいのですが、ウィードンのTVシリーズって最近は必ずしも当たっていないし、万人受けする設定でもないのでどのくらい人気が出るかは不明だな。「アベンジャーズ2」が公開されるまで続いてくれると良いのですが。