「UNDER THE DOME」鑑賞


スティーブン・キングのベストセラー小説「アンダー・ザ・ドーム」を原作にしたCBSのミニシリーズ。全部で13話になるのかな?

舞台になるのは(キング作品の常として)メイン州にあるチェスターズ・ミルという小さな田舎町。そこではいつもと同じ一日が始まろうとしており、近隣の街で行われるパレードのために町長などが町を離れたばかりであった。しかし突然巨大な地鳴りとともに透明のドームが町を包み込み、チェスターズ・ミルは外界から遮断されてしまう。そのドームは光は通すものの音声や電波などは通さず、外界とのコミュニケーション方法は筆談程度の非常に限られたものになってしまう。さらにドームが降りた瞬間にその場にいた人たちが切断されたり、自動車がドームに突っ込んで大破したことで町はパニックに陥る。ドームのなかに隔離された人々が生存の方法を探るなか、何人かの住民が謎の幻覚に襲われ、「ピンクの星が落ちる…」と呟くのだった…というようなプロット。

町の全体がドームに包まれるのって「ザ・シンプソンズ MOVIE」でもやってましたが、キングはあれよりも先にネタを考えついてたそうな。町が災害に見舞われたからって住民が一致団結するわけでもなく、腹黒い地元の有力者やそのサイコな息子、「仕事」で町に来ていた殺し屋などといった人たちの思惑がドロドロと交錯していく展開になるらしい。限られた空間とはいえ町が舞台なので「ミスト」よりも「ジェリコ 閉ざされた街」に雰囲気は似ている。

原作は未読ですが、ウィキペディアでざっと確認したところ登場人物の設定などがそれなりに異なっているみたい。さらにキング自身の許可を得たうえで話の結末が原作と異なるものになるらしいので、はたしてそれが吉と出るかどうか。

プロデューサーにキングやスティーブン・スピルバーグらの名前が出ているほか、脚色の担当をしているのはアメコミ作家のブライアン・K・ヴォーン。彼は以前にも「LOST」の脚本を書いてたりしたのでテレビの仕事は初めてじゃないんだが、「SAGA」みたいなコミックでの絶妙なストーリーテリングの能力をテレビでどこまで発揮できるかな?

あと出演者はあまり有名どころはいないみたいだけど、「ブレイキング・バッド」のディーン・ノリスが出ています。彼は「バッド」で大変素晴らしい演技をしていたのにブライアン・クランストンの陰に隠れてしまってた感があるので、こっちでさらなる注目がされることに期待。

原作は日本でも知名度が高いし、おそらくWOWOWあたりが放送するんじゃないですかね?

「DEVIOUS MAIDS」鑑賞


「デスパレートな妻たち」のマーク・チェリーによるライフタイムの新シリーズ。メキシコのテレノベラをベースにしているらしい。名前の通りメイドさんたちが主人公なんだけど、日本の「ご主人さま☆」みたいな人たちでなくヒスパニックの家政婦さんたちの話なのでそこんとこよろしく。

ハリウッドを舞台に、横柄でグロテスクな金持ちの主人たちに雇われたメイドたちの悲喜劇を扱った内容になっていて、メキシコから子供を連れてこようと努力する女性や、シンガーとしての才能を雇い主に認めてもらいたい人、家の若主人に惚れてしまう人など、さまざまなメイドの人間模様が描かれていく。また冒頭では主人と不倫をしたメイドが何者かに刺殺されるという事件が起き、この事件の解明が今後の大きなテーマになっていくみたい。

エヴァ・ロンゴリアがプロデューサーとして関わっていることもあり、メイドたちの描写はヒスパニックのステレオタイプのようなものではなく、筋の通った一人前の女性たちとして描かれており、過酷な労働条件に我慢しつつも、逆にメイドがいなくては何もできないような主人たちに一泡ふかせるような、痛快な内容の番組になっている。ただ登場人物が多いせいか、第1話はちょっと詰め込まれすぎのような気がしたな。

女性たちの赤裸々な日常と殺人などのブラックなユーモアが軽快なテンポで語られていくさまは「デスパレートな妻たち」そのまんまなのですが、ヒスパニックの家政婦たちが主人公ということで日本では放送されにくいかな?普通はドラマの主人公になりそうにない人たちにスポットライトをあてたという点は素直に評価したい番組。

「RAY DONOVAN」鑑賞


こんどShowtimeで開始されるテレビシリーズ。ビデオキャストで提供されてた第1話を観たら、セリフの半分くらいが規制のため無音状態であった。つまりそんな言葉が行き交う内容の番組です。

レイ・ドノヴァンはハリウッドのセレブたちを顧客にするフィクサー。有名俳優やスポーツ選手を相手に、死んだ娼婦の始末やスキャンダルのもみ消しなど、表沙汰にできないことを引き受けていた。無骨な彼だが妻と2人の子供といちおう仲良く暮らしているし、障害を抱えた弟たちの面倒も見ている人物であり、ストーカーに狙われている少女に仕事とは関係なしに警告してあげるなど、暗いなりに規律を持った男であった。クセのある人物たちに囲まれながらも黙々と仕事をこなすレイだったが、筋金入りのゴロツキである父親が20年ぶりに刑務所から出所し、彼のもとにやってきたことでレイの人生は大きく変わることになる…というようなプロット。

なんか不幸な人がてんこ盛りの内容になっていて、レイの妻は彼との生活に不満を抱いているし、娘や息子は学校でいじめられていることが示唆され、レイの2人の弟のうち1人は病気持ちでもう1人は子供のこと神父に性的虐待を受けたトラウマからアル中になっている始末。さらにレイの妹(なのかな?)は以前に自殺したらしく、身内のほかにも親に搾取されたティーンのアイドルとか、女性ファンに大人気なのに男に手を出してしまうスターとか、いろいろ悩む人たちがたくさん出てきてます。でもみんな悪態ついてるだけで、キャラクターに深みがあるわけでもないのですが。

LAノワールというかハードボイルドっぽい描写もあり、どぎつい暴力シーンなどもあるのだが、じゃあそれらが実際にストーリーを前に進めているのかというとそうでもなくて、あくまでも「それっぽい」描写が並んでいるだけで、今後はどういう方向に行きたいのかがよく分からないんだよな。出所してレイのもとに戻ってきた父親も相当なワルであることは分かるのですが、父親との確執がテーマになるのか、レイのフィクサー稼業に焦点があてられるのか、いまいち分からず。第1話ですべてを説明する必用もないけど、今後の展開へのつかみを残しておくことは重要でしょう。

主人公のレイ・ドノヴァンを演じるのはリエヴ・シュライバー。まあ妥当なキャスティングだよね。その父親を演じるのがジョン・ヴォイトで、他にもエリオット・グールドやピーター・ジェイコブソン、デニス・クロスビーなどとそれなりに知られた役者が名を連ねている。今後はジェームス・ウッズもゲスト出演するのかな?ただやはりキャストが豪華でもストーリーが面白くないとどうにもならんので、あと数話のうちにシリーズの方向性を打ち出さないと、他のShowtimeの番組と肩を並べられるほどの人気を獲得するのは難しいのではないか。

「A Glimpse Inside the Mind of Charles Swan III」鑑賞


ロマン・コッポラの新作。「AVクラブ」では最低点の「F」をつけられ、その他の批評でもケチョンケチョンに叩かれていたいわくつきの作品で、iTunesストアで99セントでレンタルしたから金の無駄にはならなかったものの、まあ観るだけ時間の無駄な作品であったよ。

舞台は70年代。チャールズ・スワンは成功したグラフィック・デザイナーだったが、分かれた彼女のことが忘れられず、胸に痛みを感じて病院に担ぎ込まれる。そこへ彼の友人や妹、マネージャーなどが見舞いに訪れるが、スワンの頭のなかでは夢と現実がごっちゃになっていき…というプロット。

コッポラの前作「CQ」は60年代を舞台にした映画監督の物語だったわけで、どれだけ引き出しが小さいんだよ!こちらはストーリーを語ることももはや放棄していて、60〜70年代テイストの悪夢がつなぎあわされてるだけ。時には西部劇っぽく、時にはスパイものっぽく夢が展開していくのですが、中身がからっぽであることは一目瞭然なわけで。いちおう大団円のようなものも最後にあるけど、それまでに主人公が苦境に遭うわけでもなく、ただ淡々と話が進むのでカタルシスも何も感じられず。

遊び人である主人公のスワンを演じるのはチャーリー・シーン。実生活でもバッドボーイのイメージが定着しているシーンは確かにこの役に合ってはいるのですが、あまりにも本人そのまんまというか、役者に役が完全に食われてしまっている。あとはジェイソン・シュワルツマンとかビル・マーレイとかパトリシア・アークエットなどがペラペラの役で出ています。マーレイを出すことができたのはウェス・アンダーソンつながりかな。

そのウェス・アンダーソンだって60年代テイストを多用してるけど、あっちは家族愛とかをしっかり根底に描いているわけで、こんなスタイル以外に何もない映画のようにはなってないでしょ。とりあえずロマン・コッポラはミシェル・ゴンドリーや元義弟のスパイク・ジョーンズあたりに弟子入りして夢のシーケンスの撮り方を学ぶように。

確かにスタイル「だけ」は見事に決まっているし、いかにもなラウンジ・ミュージックも似合ってるよ。でも映画ってそんな上っ面だけのものじゃないだろうに。渋谷系(死語)とか好きな人はビジュアルだけ見て賞賛するかもしれないが、そんな人とは仲良くなりたくないね。「僕ってこんなの撮れるんだよ。ねえ、オサレでしょ?」というコッポラの自己満足だけが漂ってくるような作品。最後に本人が顔を出すところはもう勘弁してくれよ、といった感じでした。金持ちのボンボンに映画を作らせると、どんだけの駄作が出来上がるかがよく分かる1本。

「TWISTED」鑑賞


ABCファミリーの新作シリーズ。ABCファミリーはこれとか「THE FOSTERS」などの新作ドラマの視聴率が好調で、そのあおりを受けて評判は良いけど視聴率が微妙な「BUNHEADS」のシーズン2製作がなかなか決まらないでいるらしいけど、いいのかそれ。

ダニーとジョーとレイシーは幼い頃は親友だったが、ダニーは11歳のときに自分の叔母を殺害してしまい、鑑別所に送られてしまう。それから5年がたち、ジョーとレイシーはスクールカーストの関係で疎遠になっていたが、ダニーが鑑別所から釈放されて2人と同じ高校に通うという知らせが飛び込んでくる。ダニーの釈放はメディアにも注目され、周囲の学生からソシオパス呼ばわりされるダニーだったが、彼はそれらを気にもせずにジョーとレイシーとの再会を喜ぶ。しかし彼がなぜ叔母を殺したのかを知っていると告げた女生徒が殺害されるという事件が起き、真っ先にダニーが容疑者として疑われることに。そしてダニーは自らの潔白を証明しようとするが…というようなプロット。

第1話ではジョーが主人公的な扱いで、ダニーは不気味くんとして描かれているのですが、だんだんダニーが話の中心になっていくのかな?ABCファミリーでいちばん視聴率を稼いでいる「プリティ・リトル・ライアーズ」にあやかったティーン向けミステリーものといった感じだけど、黒幕は誰か?という設定で話を引っ張り続けている「ライアーズ」に対してこちらは秘密の鍵を握るダニーと言う人物が最初から素材しているわけで、どこまで謎を引っ張れるんだろう。「なぜダニーは叔母を殺したのか?」というのが大きな秘密になっているようなんだが、ダニーはいわゆる「信頼できない語り手」のような立場になるのかな?

ダニーを演じるのは日本でもやってる「ビクトリアス」のアヴァン・ジョーギア。彼の母親をデニス・リチャーズが演じていて、かつてのボンドガールも今ではABCファミリーの脇役ですか、とつい思ってしまいますが、息子の無実を盲信するちょっと不気味な感じが、微妙にトウのたった外見が意外と似合っていたりもする。

面白くなる可能性を持った作品ではあるとは思うので、あとは謎解きをどう展開させていくか次第ですかね?