「FREE AGENTS」鑑賞


NBCの新作シットコム。例によってイギリスの同名作品のリメークらしいですが、オリジナルは未見。

オレゴンのPR会社に勤めるアレックスは妻と離婚の調停中の男性だったが、職場の同僚で婚約者を1年前に亡くしたヘレンと一夜の関係を持ってしまう。これがもとでヘレンに恋心を抱くアレックスだったが、ヘレンはさほど熱心にはならず、職場の同僚たちから隠れながらの、ふたりの友達以上恋人未満の関係が始まるのでした…というようなプロット。

アレックスを演じるのは「HUFF〜ドクターは中年症候群」のハンク・アザリア。基本的にコメディ畑の人だけど、どことなくいつも潤んでる目のおかげでこういうさえない中年男性の役が似合うんだよなあ。ヘレンを演じるのはキャスリン・ハーン…って「クロッシング・ジョーダン」に出てた人か。他のキャストも結構豪華で、「デイリーショー」のアル・マドリガルや「宇宙人ポール」のジョー・ロー・トゥルリオが名を連ねてるほか、「バフィー」のアンソニー・スチュワート・ヘッドがオリジナルと同じ役で出演している。

アレックスもヘレンも過去が忘れられず心に傷をもった人たちとして描かれていて、コメディながらもペーソスがあるところがキャラクターに深みを与えているかも。ただしオリジナルは6話しかなかったのに対し、このアメリカ版では2人の微妙な関係をどこまで引っ張れるものなのかね?「オフィス」みたいにうまくアメリカナイズすることができるのかな。

震災ボランティア


勤めてる会社(のグループ)が震災のボランティアを募ってたのでこないだ宮城県まで行ってきたのだよ。旅費とか宿泊費は会社持ちということだったので、1日数時間の労働と引き換えに仙台とか観光できればめっけもんかな、と不埒な気分で行ったわけですが、炎天下のなかで不慣れな労働をしたらフラフラになって観光どころじゃなかったですね(帰りはちゃっかり途中で塩原温泉に泊まってきましたが)。でも仙台は通りが広くてきちんと整備されたいいところでしたよ。

仙台市街とかはもう震災の被害は殆ど感じられないものの、北仙台駅の近くの神社では鳥居が崩壊していたりして地震の脅威を物語っていたほか、市街地から離れるとフェンスがひん曲がったり壁が崩れた建物がちらほら見かけられるほか、海の近くではクシャクシャになった車が転がってたり、あちこちにガレキの山が見受けられたな。7月とかに比べてもずいぶん片付けられたらしいけど、元のようになるにはまだまだ時間がかかるでしょう。これは政府がチンタラやってるせいなのか、それとも地震の被害があまりにも大きかったせいなのかは俺には分からない。たぶん後者だと思うけど。

そして俺らが行ったのは石巻のちょっと西にある七ヶ浜という町で、丘の上のボランティアセンターにおいて与えられた仕事は個人宅の片付けというもの。浸水した家の家具でも運び出すのかな、と思ったら全然違って、津波によって土台を除き家屋がぜんぶ流されたお宅のガレキ掃除をするというもの。ちゃんと海の前には数メートルの高さの堤防があって、その後ろには松林があったりするんだけど、海沿いの家はみんな跡形もなく流されていた。そこからちょっと先にある高台の上の家はみんな無事であるのを見ると、もう低地には住みたくないという被災者の意見はよく分かる気がする。

家の跡地の地面はどれだけ掘ってもガラスの破片や欠けた茶碗などが次々と出てきて、七ヶ浜がかつてのような海水浴場になるには長い時間がかかるだろうなあ。そんななかで子供の玩具や家族の写真とかが埋もれてるのを見ると、何とも言えない気分になりますね。七ヶ浜のキャッチフレーズは「うみ・ひと・まち」だそうだけど、それが津波によって文字通り一緒になったというのはどうも皮肉なものですな(失礼)。清掃作業は前述したように結構しんどかったけど、どうにか避難して仮設住宅に暮らしてる家主さんがジュースとか差し入れてくれるのを見ると、ぶっ倒れてでも作業しようという気になるわけで。

企業からのボランティアは俺らのほかにもソニーや京セラなどが数十人規模で社員を派遣していたほか、大学生の団体などが来てましたね。あとは皆でお金を出し合って名古屋からやって来た市民グループとか、個人でやってきた人たちもいたな。和歌山からやってきたという老夫婦なんて、七ヶ浜に来る前は福島に物資を届けてたらしい。皆それぞれの理由とか思想とかあるんだろうけど、その行いにはただただ頭が下がる思いです。

ガレキの転がる空き地のなかでは子供たちが遊んでいたし、近くのコンビニは割れたウィンドウにブルーシートを貼って営業したりして、被害にもめげずにみんな以前の生活に戻ろうとしていたな。それに帰りの新幹線からは福島を見てきたけど、閑散としている一方で人々はめげずに日常の暮らしを続けているわけで、やれ放射能が怖いだの今までの日常は終わっただの騒いでる人たちこそ東北の状況を見てくるべきじゃないですかね。

僅かながらも人の役にたったという満足感を得た一方で、もっと手際よく作業ができたんじゃないかという奇妙な罪悪感を抱きながら被災地をあとにしたわけですが、また機会があればぜひ行ってみたいところです。

DCコミックスの再起動


賢明なる読者諸君は既にご存知の方も多いかと思うが、こんどDCコミックスのタイトルがみんな刷新されることになりまして(ヴァーティゴなどの別レーベルは除く)、今までのタイトルはすべて8月をもって終了し、9月から新タイトルが52作品出ることになったんだよな。

70年以上続いた「アクション・コミックス」などのタイトルもぜーんぶ終了。過去にもDCは「クライシス」や「ゼロ・アワー」などといったイベントでユニバースの歴史をリブートしたことがあったけど、あれらは長年タイトルが続いたことでストーリーに矛盾が生じ、肥大化したコンティニュイティーを整理する意味合いが強かったのに対し、今回のようにユニバースを(ほぼ)ゼロからリブートする試みはアメコミの歴史のなかでも非常に珍しいことではないかと。アメコミ映画がこれだけ作られるようになってアメコミの認知度が上がったこともあり、新しいファンがとっつきやすいようにする目的もあったのかもしれない。

そして8月末に「ジャスティス・リーグ」が出たのを皮切りに新しい第1巻が次々と出てきているわけだが、今のところ評判は上々なようで、グラント・モリソンの「アクション・コミックス」のほか「アニマル・マン」とか「スワンプ・シング」とかが高い評価を得ているようでひと安心(もちろん酷評されてるタイトルもあるが)。個人的には今回のリブートには懐疑的だったんだけど、モリソンやジェフ・ジョンズといった好きなライターが関わっていることや、タイトルをまたいだクロスーバー・イベントにかこつけて関連タイトルを大量に売りつける商法に嫌気がさしていたので(特にマーヴェルはあざとい)、いっそゼロからやり直すのも悪くはないかな、と考え始めていたのです。もっともこの新しいユニバースでもいずれクロスオーバー・イベントが行われるのだろうけど。

あと不満点としては「XOMBI」や「BATMAN INC.」といった素晴らしいタイトルが終わってしまったことや(後者は来年復活するらしいが)、みんな十分に準備する時間が与えられなかったのか、旧ユニバースのタイトルがどれも尻切れトンボなストーリーで終わってしまったらしいこと。アメコミの(打ち切りじゃない)最終回なんて滅多に書けるものじゃないんだから、アラン・ムーアが「クライシス」の直前にスーパーマンの最後の戦いを描いたように、みんな腕によりをかけた最終回を生み出して欲しかったところです。

なお今回の新タイトルの特徴としては、スタティックやミスター・テリフィックといったマイノリティ(有色人種)のヒーローを主人公にしたタイトルが多いことで、実際にアメリカでコミックを読んでるのはマイノリティが多いという話もあるので、従来の白人ばかりだった面々よりも多様性が出てきたのは良いことかと。

それともう1つの特徴は紙媒体でのコミックの発売同日にデジタル版も専用アプリなどでデイ&デイトに購入可能になったことで、以前はデイ&デイトというとDVDとVODが同時に発売されるような映像業界の用語かと思っていたが、それが出版業界にもやってきたんだなあと。ただし個人的にはタブレットとかでコミックを読むのってどうもやりづらいと思うし、グラント・モリソンも「単にページをスキャンしてデジタル化するのは芸がない」みたいなことを言っていたし、アナログ人間のアラン・ムーアでさえも「ページをそのままデジタル化するのは30年代の印刷技術に制約されてるようなものだ。もっとデジタル機器に対応したコミックの読ませ方を考える必要があって、失敗することも多いだろうが、いずれ適切な方法を生み出す人がでてくるはずだ」みたいなことを言っていたな。

いずれにせよ今回のリブートは始まってしまったわけで、数年後に袋小路に陥ってまたリブートしたりしないよう、クオリティの高い作品が作られていくことを願うばかりです。

「ライフ いのちをつなぐ物語」鑑賞


なんか公式サイトがとても読みづらいですね、この映画。

何を期待していいのか分からずとりあえず観に行って、とりあえず予想していたものを観せられた、といった感じ。極地のアザラシの親子やアフリカの象の群れ、地面の昆虫や大空の鳥たちといった世界中の動物の映像を紹介し、彼らが生き延びるためにどのような行動をしているのかを描いたドキュメンタリーで、映像はBBCだけあって大変に美しい。氷の下を泳ぐアザラシとか、アリの巣の内部なんてどうやって撮影したのか不思議なくらい。ただし以前にどこかで観たことのある映像も使われてたな。

それと「いのち」という漠然としたくくりの下でいろんな動物の映像が次々と紹介されるだけなので、85分という短い尺ながらも終盤は結構飽きるかも。そういう点ではもっと細かいテーマでくくったBBCアースのテレビ番組の方が観てためになるかもしれない。

松親子によるナレーションは可も不可もなし。「祈る」とか「情熱」といった言葉が用いられてたが、これってどこまでオリジナルのナレーションに忠実なんだろう?動物たちの生き様を観ていると擬人化してわれわれ人間の生活と重ね合わせたくなる衝動はどうしても起きるのですが、それってどこまで正しいんだろうね?イルカがxboxで遊んだりダチョウがアニメにうつつを抜かすことも無いわけで、人間と動物の生き様は大きく離れたものだと思うのですよ(どちらが上というわけではなく)。とはいえ「猿の惑星」の予告編を観たあとに、道具を使ってヤシの実を割る猿の姿を観せられたりすると、いずれ人間は彼らにとって代わられるのではないかという気にもなりましたが。

「NEW GIRL」鑑賞


俺の嫁ことズーイー・デシャネルが主演するフォックスの新シットコム。上の写真はちょっとブスすぎると思う。

主人公のジェシカはボーイフレンドが浮気したことで彼と別れ、新しい住居を探してニックとシュミットとコーチという3人の男性とルームシェアをすることに。不思議ちゃんなキャラの彼女に最初は困惑する男3人だったが、やがて彼女の恋愛の手助けをすることに…というようなストーリー。第1話を観た限りではどんなシットコムにしたいのかいまいちよく分からんな。

女の子とヘテロの男3人が一つ屋根の下で暮らすとなれば、女の子が男たちにあんなことされたりこんなことされたりする展開を当然期待してしまうのですが、もちろんそんなことをされるような展開はなくて、女性が少ない「フレンズ」といった感じのバディ・コメディになっている。ズーイー・デシャネルのキャラは可愛いし個性的でいいんだけど、それ以外は凡庸なシットコムといった感じかな。

あとコーチ役は昨年「HAPPY ENDINGS」に出ていたデイモン・ウェイアンズ・ジュニアが演じていて、じゃああっちのシリーズは打ち切られたのか…と思いきや突然存続が決まったらしく、ウェイアンズ・ジュニアがこっちの番組に出るのはこの第1話だけなんだと!どうも順風満帆で始まりそうにないこのシリーズですが、ズーイー・デシャネルの人気が世間にどこまで通用するか?