「COMBAT HOSPITAL」鑑賞


ABCの新作ドラマ。どうもカナダ製らしくて、この時期にやるということは同じくABCの「ルーキーブルー」と同じような扱いになるのかな。外国製で製作費が安く、夏で視聴率があまりとれなくても構わない番組というか何というか。

舞台となるのは2006年のアフガニスタンはカンダハール。そこでタリバンと戦っているNATOの基地に派遣された軍医のレベッカは、戦場の過酷な病院の状態やいつ襲撃されるか分からないという状況に圧倒されながらも、厳しいが心優しいマークス大佐のもと、同僚のボビーたちと一緒に負傷した兵士や地元の住民たちの治療にあたるのだった…というような話。

戦場の医療ものというと真っ先に「MASH」が思い浮かぶが、こっちはコメディではなくて真面目なドラマ。「チャイナ・ビーチ」に近いのかな?俺あれ観たことないですが。とんでもない辺境で頑張る女性医師という点では昨年の「OFF THE MAP」によく似ていたな。片言の英語が話せる現地民がバカっぽく描かれてるところとかも。

ことあるごとに頭上をヘリコプターが飛びまわり、手術室にヘビが出たりして「ここは戦場なんだ!」と上司に叱責されるあたりはなんかベタな感じがしますが、「クラッシュ」のイライアス・コティーズが出てることもあってそんなに悪い内容ではないと思う。

基地のセットはトロントに作ったらしいけど、基地の外のシーンを撮影するような金はないだろうから、ずっと基地のなかで話が進んでいくのかな。今後の話の展開がどうもつかみにくい作品ではある。

「The Nine Lives of Chloe King」鑑賞


これまたABCファミリーの新作。ヤングアダルト向け小説が原作みたい。

ウクライナの孤児院から養子にとられ、サンフランシスコで育ったクロエ・キングは普通のティーンの女の子だったが、16歳の誕生日を迎えたあたりから体に異変が起こり、常人離れした敏捷性や体力や聴力などを持つようになったほか、指先からは鋭い爪が出てくるようになったのだ。こうした変化に戸惑う彼女だったが、すぐに何者かに命を付け狙われるようになる。それによって命を落としたかのように思えた彼女だが、すぐに息を吹き返し、自分が古代から続く特別な能力をもった種族の末裔であり、その種族を抹殺しようとしている組織があることを、彼女の前に現れた同じ種族の者たちから教えられる。こうしてクロエは普通のティーンの暮らしをしながらも、彼女を狙う者たちと戦うことになるのだった…というような話。

まあ所詮はABCファミリーの作品なので、シリアスな場面とか難しいプロットとかはあまりなくて、すごい能力を身につけた女の子が悪をやっつけて活躍するような内容になっている。予算もないんで凝ったVFXとかも無いけど、そのぶん気楽に観られる作品になっているかな。最近流行りの「普通の人がスーパーパワーを身につける作品」としては「THE CAPE」や「NO ORDINARY FAMILY」よりも楽しめるんじゃないの。ABCファミリーのアクションものとしては「THE MIDDLEMAN」には遠く及びませんが。

なおクロエの種族は「普通の人間とキスをすると相手が死ぬ」という意味不明な能力を持っているほか、クロエはそのなかでも「選ばれし者」なので9つの命を持っているという設定になってるんだが、それってストーリー上どうなんだろう。主人公がどんなピンチに陥っても「あと8回死ねるからいいや」といった感じでスリルが削がれたりしないんだろうか。ここはやはりオシシ仮面のように、主人公が死んだら身内が後を継ぐようにして…。

「Switched at Birth」鑑賞


顔も名前も知らない白人のティーンたちがいろいろ出てくるABCファミリーの新作が放送されるようになると、ああ夏が始まったんだなと最近は感じるようになってしまったよ。これもそうした作品の1つ。知ってる顔としては「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のリー・トンプソンが出演していた。

裕福な家庭に育った女子高生のベイは、学校の科学の実験で自分の血液型が両親のものと適合しないことを知り、不審に思ったので病院で調べてもらったところ、何と彼女と両親は血がつながっていないことが判明する。出産時に病院のミスで赤ん坊が入れ替わってしまっていたのだ。それでは自分たちの赤ん坊はどこに?と両親が探したところ、彼女はダフネと名付けられてシングルマザーに育てられていた。そして2つの家族が出会うことになったが、ダフネは幼少時の病気のため耳が不自由だった…というような話。

こうして運命の出会いをしたダフネとベイはプロのバイクレーサーとなって腕を競い合い…という展開は当然起きず、姉妹同然の暮らしをすることになった2人の生活が描かれることになるみたい。もちろん番組のポイントはダフネが難聴者だということで、実際に耳の不自由な俳優を起用している点は評価できるものの、あまりにも話が政治的に正しすぎて、観ててなんか疲れてしまうのですよ。道徳の授業で見せられたビデオみたいな感じ。ベイの父親がダフネに普通の暮らしをさせたくて聾唖学校から一般の学校に転校させようとするのに対し、彼女が「耳が聞こえなくったって普通の人間よ!」なんて反論するあたりはもうクサくって。

これがライフタイム(女性向けケーブル局)のTVムービーとかなら良かったんだろうけど、TVシリーズとしては長続きできそうな要素がまるで思いつかんなあ。

「RUBBER」鑑賞


殺人タイヤの襲撃!というぶっとんだコンセプトのおかげで日本でも(一部で)話題になっていた作品。フランス人監督のカンタン・ドゥピューってミスター・オワゾという名義で活動してるミュージシャンらしいが、知らんなあ。

舞台となるのはアメリカの砂漠地帯で、意識を持った古タイヤがむっくりと起き上がるところから話は始まる。このタイヤ(クレジットではロバートという名前が付いている)は出会ったものを片っ端から破壊していくような気が荒い奴なのですが、いかんせんオンボロのタイヤであるために空き瓶も踏みつぶせない。しかしロバート君には秘密兵器があって、全身を震わせて意識(?)を集中させることで念動力を使うことができ、これで小動物や人間の頭を「スキャナーズ」よろしくボーンと爆発させることができるのでした。この能力をもってロバート君はモーテルや近くの町で惨劇を繰り広げていくのでした…というのが主なストーリー。

これだけ聞くと変なB級ホラーのように思えるかもしれないが、話にはもう1つメタフィジカルなコメディの要素があって、映画の冒頭から町の保安官が車のトランクから出てきて「『ET』のエイリアンはなぜ茶色なんだ?恋愛映画の登場人物はなぜ狂おしい愛に落ちるんだ?(略)それらに理由なんてありはしない。君たちがいまから観る映画にだって理由なんかないんだ。」なんてカメラに向かって語りだす次第。おまけにご丁寧にも10人くらいの「観客」がこの映画に登場していて、ロバート君の行動を双眼鏡でリアルタイムで観察しながら「いまのは念動力だぜ!」なんていらぬコメントをつけてくれたりしている。

やがて上述の保安官がロバート君の事件を担当したり、観客がひどい目にあって保安官のところに向かうなど、メインの話とメタな部分がどんどん絡み合っていくのだが、こういうのってイヨネスコあたりを意識してるんだろうか。でもこういった不条理さとB級ホラーって決して良い組み合わせではないようで、下手な楽屋オチを見せられた気分というか、話が進むにつれて誰が死のうがタイヤがどうなろうが結構どうでも良くなってくるのは否めない。あとタイヤに追いかけられるゴスのフランス娘は意外と可愛いんだが、ここはやはり金髪のスクリームクイーンが欲しかったな。

トレーラーをから真っ当なホラーを期待してると壮絶な肩すかしをくらわせられるし、劇場で金払って観るほどの作品ではないだろうけど、笑えるところは笑えるし、音楽も結構いいのでレンタルビデオとかで観るぶんには悪くない映画かと。

「TEEN WOLF」鑑賞


MTVの新シリーズ。俺らの世代にとって「ティーン・ウルフ」といえば、マイケル・J・フォックスが狼男になってバスケで大活躍したりビーチボーイズ流しながら車の上で踊りまくるアメリカーン!なコメディ映画だったわけですが(あとジェイソン・ベイトマンが主演したマイナーな2作目)、この作品は名前だけが一緒で、あとは上の写真からも分かるように「トワイライト」のバチモンのような、顔色の悪いティーンがすぐシャツを脱ぐ話になっていた。

カリフォルニアの田舎町に住むスコット君は、ある晩に森のなかで狼のような動物に咬まれてしまう。とりあえず応急処置をして翌朝学校に向かった彼ですが(狂犬病の心配くらいしろよ!)、自分の嗅覚や聴覚がものすごく鋭くなっていることに気付きます。さらに持病の喘息も消えてなくなり、運動神経も抜群になってラクロス部ではレギュラーをゲット!転校生の女の子ともいい仲になってノリノリの彼でしたが、満月の夜には凶暴な狼男に変身してしまうのでした…というのが第1話のストーリー。

内気な主人公、よくしゃべる親友、主人公を敵視するジョックとそのビッチな彼女、イヤミな体育教師、転校してきた美少女など、ここ最近のティーン向けドラマのステレオタイプなキャラクターをここまできちんと揃えたことには逆に感服せざるを得ない。第1話の監督がラッセル・マルケイだというのも凡庸さに輪をかけているというべきか。主人公が凶暴化する自分に苦悩するという点では「超人ハルク」に似たものを感じたけど、あれほど面白い作品にはならないでしょうね。あとMTVのシリーズだからかもしれないが、いろんなシーンでかかってるサントラがどうも耳障りに感じたよ。

ここまで内容が別物なら、「ティーン・ウルフ」という名前を使わなくても良かったんじゃないの、と思わざるを得ない作品。