機内で観た映画2019 その4

9月から月イチで飛行機に乗ってるのだが、さすがに疲れますな。観るものがなくなってきてR指定の作品を鑑賞したりしたが、あまり内容はカットされていなかったと思う。ストリッパーの映画を観てるのを周りの乗客に気づかれたりしないか、ちょっとドキドキしましたが。

  • 「READY OR NOT」: 金持ち一家に嫁いだ花嫁が、結婚式の晩に奇妙なゲームに参加することになるという、文字通りの「さあゲームの始まりです」映画。まあその手の邦画よりは予算かかってるだろうし、そこそこ面白いのだが。ただ屋敷でのかくれんぼというルールながら、結構早い時点で屋敷の外に出てしまっているのが残念。最後のオチもなんとなく分かったし。どうせB級映画なのだから、もっとえげつない展開にしてもよかったのに、比較的無難な出来になってしまっていた。
  • 「ハスラーズ」:リーマンショックの時期にも頑張ってウォールストリートの社員たちから金を稼ごうとするストリッパーたちの物語。胸はさすがいにボカシ入ってました。プロデューサーにアダム・マッケイ(&ウィル・ファレル)がいるので金融業界を風刺した内容になっているけど、「マネー・ショート」ほどシャープなわけでもなく、これも無難な出来になっているかな。「クレイジー・リッチ!」のコンスタンス・ウーが体を張った演技をしてますが、ポールダンスを軽々こなす姉御役のジェニファー・ロペスがおいしいところをみんな取ってしまっていた。
  • 「パラサイト 半地下の家族」:上記2作と違って、こちらは全く無難ではなく、そこまでやるか!という内容。1つの家を舞台にしながらも韓国の社会格差を巧みに描き、音楽の使い方やシーンの対比なども効果的でした。世界的に絶賛されてるのもよくわかるな。核攻撃する将軍様のモノマネが出てくるのが韓国映画の強みだろうか。
  • 「モンスターズ・ユニバーシティ」:唯一観てなかったピクサー映画なので。前作は少女とモンスターの仲良し具合があまり好きではなかったが、こちらはモンスターたちが「怖がらせる」ことに重きを置いているので、続編にしては意外と楽しめた。

「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」鑑賞

まあ実は聖地ってあまり関係なかったりするのだが。好きなシリーズの最終章ということでちょっとドキドキしながら観ました。日本公開前なので感想をざっと:

  • 舞台は前作の1年後。部族の長となったヒックが、ドラゴンを狙う人間たちの侵攻をいかに退けるかがテーマになっていて、悪い人間VSヒックたち、という構図は前作に似ているかな。ヒックが青年になっていることもあり、よりシリアスな内容になっているのも特徴。
  • その一方ではポスターにあるようにトゥースレスの相方みたいなドラゴンも登場しまして、その馴れ合いのシーンが第1作のヒックとトゥースレスの湖畔(だっけ)のシーンに通じるところもあって、うまく過去作を反映させているなと。
  • 悪い人間側には、前作以上に狡猾なハンターが出てきてトゥースレスを狙ったりするのだが、変にヌケたところもなく、かなり知的なヴィランであったのが話に緊迫感を与えて良かったですよ。ボウガン強すぎだろ、と思ったけど。
  • 部族とドラゴンたちの安全を模索するヒックの苦悩が大きく扱われているものの、リーダーの割には事前準備(偵察)とかしないで物事を実行に移していたような?賢いお母さんの言うことをもっと聞きなさい!
  • 主題歌は前2作に続いてもちろんシガーロスのヨンシー。どことなく平凡な曲だったのが残念だけど。
  • 前作同様、第1作を傑作たらしめていたボーイミーツガール(&ビースト)要素がなくなっているので瑞々しさに欠けることは否めないのだけど、その一方で3作にわたってキャラクターが成長し、最後に大団円を迎えるところはさすがにウルっときてしまったよ。
  • 本国でもそれぞれ配給会社が変わり、日本では前作が劇場公開されない憂き目にあったシリーズだが、ピクサー作品に匹敵する出来のシリーズでありますので、まだ観てないかたはぜひ観てみてください。

機内で観た映画2019 その3

こないだ何故かサウジアラビアまで行ってきたので、機内で観た映画の感想をざっと。

  • 「THE ART OF SELF-DEFENSE」: 路上で暴漢に襲われたことがきっかけで空手道場に通い始める男性をジェシー・アイゼンバーグが演じるダークなコメディ。道場が健全なようでそうでもないことが明らかになるのだが、マッチョの思想にとらわれて道場の師範の言いなりになる描写が「ファイト・クラブ」に通じるものがあるな。しかし1番ヤバい人物はアイゼンバーグだったというわけで、神経質なタイプを演じさせたら巧い彼の才能が100%活かされた作品ではないでしょうか。個人的には今年ベスト級の出来だった。
  • 「STAN & OLLIE」: 邦題は「僕たちのラストステージ」。まあローレル&ハーディの知名度が低い日本だとこういう邦題になるのかな。晩年の彼らを扱った内容のため、コメディアンが主人公ながらもダウナー系の出来になっているのはいかがなものか。なおむかしコミックの「プリーチャー」で語られていた「ローレル&ハーディが船でアイルランドに着いたとき、教会の鐘が彼らのテーマ曲を鳴らして迎えた」というシーンがあった。これウィキペディアにも載ってる有名な逸話らしいが、昔は真偽のほどが分からなかったのだよ。
  • 「MISSING LINK」: みんな大好きライカ作品。人に敬遠されるクリーチャーが主人公、という点では「ボックストロールズ」に似てるかな。アニメーションの出来は相変わらず素晴らしいし、ヒュー・ジャックマンのキャラクターとかも良いのだけど、「クボ」とかに比べると脚本が凡庸なような。英語のダジャレが多いので訳すとき大変そうだな。本国では興行成績が散々だったようで、これがライカ最後の作品になったりしないかちょっと心配。
  • 「クロール 凶暴領域」:これ似たような映画なかったっけ?水没した店でサメに襲われるやつ?地下室から抜け出して救出ヘリが見えたとき、そこで屋上に登って発煙筒焚けばいいと思ったのに、父娘がボートを取りにいこうとするのでイライラしてしまった。
  • 「SWORD OF TRUST」: ちょっといい評価を目にしていたインディペンデント映画。南北戦争で実は南部が勝利した証拠だという剣を売りつけようとするカップルと質屋の店長の物語。場面転換もそんなにない会話劇だが、店長を演じるのがマーク・マロンで、個人的に彼の演技が好きなので飽きずに観れた。別れた元妻(監督のリン・シェルトンが演じる)のことをしんみり語る姿とかがね、哀愁があっていいのよ。もっと陰謀論ネタに絡んでも良かった気がするが、面白い小品でした。音楽もマロンが担当していてね、全編にわたってブルージーなギターが聴けるよ。

ちなみにサウジは思ったよりずっと開放的なところで、英語もそこそこ通じるし人々も親切で、面白いところでした。まだ観光地として開かれていないので観光するようなところもないし、移動がタクシー頼みになってしまいますが、まあ脱オイルマネーを目指しているとのことで、これからもっと外国人にオープンになっていくんじゃないですか。

「ターミネーター:ニュー・フェイト」鑑賞

なぜ原題は「ダーク・フェイト」なのに邦題は「ニュー・フェイト」なのか。まあいいや。感想をざっと書きますが、以下はネタバレがいろいろ含まれてます:

  • マッケンジー・デイビスは正義。これは最初に言っておく。
  • 冒頭から「T3」を全否定するような展開で、あーそこからやり直すのね、という感じ。
  • しかしその後の話はいつものパターンで、未来からターミネーターがやってきて、それをやっつけるために戦うというだけ。6作目ともなると流石に飽きてきますよ。
  • 前も書いたように個人的には「T1」原理主義者なので未来がコロコロ変わるのは感心しないのですが、今回はかなりご都合主義的で、「スカイネットが阻止された→新たな敵が現れた」「ジョン・コナーがいない→別のリーダーが登場する」というゴールポストを動かすようなものでは、サラ・コナーたちが戦ってる意味がないと思うんだけどね。「ターミネーター」シリーズがいかにマンネリ化しているのかを実感させられた2時間だった。
  • いや今回はジェームズ・キャメロンのもとに権利が戻ってきたとかで、密かには期待してたんですよ。それなりに新しい方向性を打ち出すんじゃないかと。そしたら過去の蒸し返しになっていたのが残念。シュワとリンダ・ハミルトンが出ているのは良いのだけど、肝心のストーリーがねえ。
  • やけにメキシコの移民問題に焦点を当てているのはキャメロンの趣味だろうか。でも実際の流れはデビッド・S・ゴイヤー風味で、あまり奥の深いものではなかったな。珍しく飛行戦なども出てきたけど、夜間のアクションシーンは見づらかったぞ。監督のティム・ミラーは「デッドプール」ではスタイリスティックなアクションが演出できたのに、これくらいの大作になるとちょっと経験不足なんだろうか。
  • ターミネーター作品としての要素はしっかり入っているものの、6作目にしてそんなベーシックなストーリーテリングをして誰が喜ぶのか、ということになると思う。
  • スタジオはこれをもってフランチャイズを再起動させたかったのだろうけど、逆に作品の限界を感じてしまう内容であった。もうこれにて「ターミネーター」シリーズは打ち止めにするのが皆のためだと思う。

「HIS DARK MATERIALS」鑑賞

BBC & HBOの新シリーズ。フィリップ・プルマン原作の「ライラの冒険」シリーズの映像化で、あれって第1作「黄金の羅針盤」がすでに映画化されて大コケしたはずなのだが、それでも再映像化されるということは原作に根強い人気があるのででしょう。なお個人的には小説も映画も読んだこと観たことありません。

舞台は架空のイギリスで、空には飛行船が飛び交い、それぞれの人間にはダイモンと呼ばれる分身が動物の姿をとってつきまとっていた。世界はマジステリアムという強力な教会組織によって支配されていたが、その支配が届かないオックスフォード大学のなかで育って少女ライラは、叔父の冒険家アスリエル卿が発見した謎の粒子「ダスト」の存在を知る。さらに彼女の近辺では子供の誘拐が相次ぎ、親友までもがさらわれたライラは、事件を解決するために冷酷な女性ミズ・コールターとともにロンドンへ向かうのだった…というあらすじ。

第1シリーズで原作の1巻目をカバーする形になるのかな?いろいろ興味深いシーンも出てくる一方で、話の設定に時間を割いていることもあり、第1話は比較的地味な感じがしました。これから武装した北極クマとかが出てきて、派手な展開になるのかな?あと劇中の「教会」の描写が反キリスト教的だとして、原作や映画は批判されたようだけど、今回のシリーズ版ではどのくらい(反)宗教色を打ち出してくるのだろう。

キャストはライラ役に「ローガン」のダフネ・キーン。「ローガン」ではあまりセリフのなかった彼女がこちらではペラペラ喋ってるのに当初は違和感を感じたが、無難に役をこなしてます。あとはアスリエル卿にジェームス・マカヴォイでミズ・コールター役がルース・ウィルソン、他にもクラーク・ピーターズやリン・マニュエル・ミランダなどかなり強力な出演者が揃ってます。ダフネ・キーンの父親やマカヴォイの元妻なども出ているあたりは、イギリスの役者は血縁関係者が多すぎるだろ、という気にもなりますが。

まあ自分は原作を知らないので、今後の展開を普通に楽しめるんじゃないかと。「ゲーム・オブ・スローンズ」並のヒットになるかは分かりませんが、キャストの豪華さだけでも観る価値はあるでしょう。