映画化もされたスティーブン・キングの小説のTVシリーズ版で、放送局はSpike。

まあ設定はご存知のように、謎の濃霧がメイン州(where else?)の田舎町を覆い尽くすようになり、それと同時に怪現象が起きるようになって住民が殺されていくというもの。ただし登場人物はみんなオリジナルの設定になっているみたい。第1シーズンだけでも10話あるので話の展開はやたら遅く、第1話では後半になって濃霧が出てきて、ゴキブリが人を襲うような描写はあるもののクリーチャーなどは登場せず。あとこちらの濃霧は人を狂わせる(記憶喪失にさせる?)効力を持っているみたい。

登場人物は性教育を教えたことで学校をクビになった女教師とその夫、彼らの娘でパーティーでデートレイプされたらしき少女、そのゲイの男友達などなど。あとは保安官とそのジョックなアメフト息子とか、霧のなかから現れて記憶を失っている兵士、他界した町の住人の友人だという謎の女性などが出てきます。性教育を敵視する保守的なママさんが、映画版の宗教おばさんみたいな役回りになるのかな、と思いきや警告を無視して外出して真っ先に殺されておりました。

ショッピングモールに閉じ込められた母親と娘、警察署から外に出た教師の夫と保安官たち、あとは夫を霧から出てきた男に殺された老婆という3チーム(?)が主体になって話が進んでいくのかな。保安官や兵士がいるあたり「ウォーキング・デッド」っぽい展開になるかもしれないが、いかんせん謎のキャラクターが多くて今後の展開はよく分かりません。

登場する役者はモーガン・スペクターとかアリッサ・サザーランドとか、よく知らんなあ…。このあとイザイア・ウィットロック・ジュニアが登場するみたい。

話の設定はやはり面白いと思うものの、基本的にこの作品は密室劇であるわけで、何エピソードも話を引っ張ることってできるのかな?スモークを炊いたセットで撮影してるだけなので製作費は安くつきそうだけどね。


米ショウタイムの新作シリーズ。放送は今週末からだが第1話がオンラインで先行配信されていた。

舞台となるのは70年代のロサンゼルス。若手スタンダップ・コメディアンのクレイはコメディアンの登竜門であるジョニー・カーソンのトゥナイト・ショーに出演することとなり、さらに披露した芸がウケて、コメディアンの羨望の座であるカーソンの横の席へ招かれる。こうして一夜にして成功を手にしたクレイだったが、その晩にホテルから外出したところをバスにひかれて即死してしまう。あとに残された彼の友人や恋人たちは突然の出来事に唖然としつつも、彼の通夜の手配を行い、やがてクレイの両親や、彼にたまたま会いに来ていた故郷の友人、さらには彼と面識がないもののコネをつくろうとやってきた者たちが通夜に集まるのだった…というのが第1話の展開。

これだと話がよく分からないかもしれないが、成功を夢見るコメディアンたちの群像劇といったところ。カーソンの番組への出演を夢見る彼らは、まずサンセット・ストリップのコメディ・クラブ「ゴールディーズ」での出演の場を求め、貧しいながらも切磋琢磨していく。コメディアンの番組であってもコメディ番組ではなくて、彼らの暗い側面も描かれるみたい。そもそもクレイの事故死が実は自殺ではないかということが示唆されるのだが、その話はどこまで引っ張られるのかな。

自らの体に火をつけたリチャード・プライヤーに象徴されるように、アメリカの(そしておそらく世界中の)コメディアンってステージ上では面白おかしいことを言ってても心の内ではすごくドロドロしたものを抱えているというのが通説であって、そういう暗さとコメディのバランスをどうとっていくのだろう。

また劇中では観客が大爆笑しているはずのネタが、実際の視聴者にはお寒い内容だったということもよくあるので(STUDIO 60 ON THE SUNSET STRIPな)、コメディをテーマにした番組って常に一定の評価を得ながら続けていくのは結構難しいんじゃないだろうか。

なお同名のノンフィクション本があって、それをもとにしたシリーズらしい。70年代のロサンゼルスといえば無名時代のデビッド・レターマンやロビン・ウィリアムス、ジェイ・レノをはじめとするコメディアンたちが多数集まって、スタンダップ・コメディの黄金時代を築いていたそうな。プロデューサーにはジム・キャリーも関わっていて、彼の自伝的な内容ではないものの、地方から出てきた若者が家賃が払えずにクローゼットで寝泊まりしている設定などは彼の経験をもとにしているとか。

出演者はゴールディーズのタフな女性経営者を演じるメリッサ・レオをはじめ、クラーク・デュークやアルフレッド・モリーナ、アル・マドリガルなどなど。あとはゲストでロバート・フォスター、セバスチャン・スタン、ディラン・ベイカーなども出ています。

第1話を観た限りでは話の方向性が定まってないようで、70年代のカルチャーを背景に若者たちの話がダラダラ続くんだろうか。雰囲気的にすぐ終わった同局の「ROADIES」に近いものがあって一抹の不安を感じますが、ショウタイムはこないだの「ツイン・ピークス」シーズン3(大傑作!)で加入者が増えたそうなので、その人気にあやかって長続きすることに期待。


こんどの劇場版とは関係ないよ。知ってる人は知ってる話ですが、2011年に「ワンダーウーマン」のTVシリーズが製作されるという話があって、デビッド・E・ケリーが脚本を担当したパイロット版が撮影されてNBCが興味を示していたものの、出来が良くないという話で結局放送が見送られたことがあったんですね。そのオクラ入りになったパイロット版を観てみたいと長年願っていたのですが、twitter経由でウェブ上で公開されていることを知って鑑賞してみた(URLはいちおう伏せておく)。

コミックと設定がそこそこ違っていて、こっちのワンダーウーマンことダイアナ・セミスキラはスーパーヒーローであるとともに、ロサンゼルスに拠点を置く巨大企業セミスキラ・インダストリーズのCEOでもある(プライベートではダイアナ・プリンスの名で、素朴な女性として暮らしている)。

「ワンダーウーマン」は1つの巨大なブランドであり、セミスキラ・インダストリーズは彼女のマネージメントをしたり、マーチャンダイズ販売などを手がけているという設定。まあ基本的には正義のヒーローなので、違法なドラッグを扱っているとにらんだ企業に対しては記者会見を開いてそこのCEOを悪人呼ばわりし、捜査令状もなしに会社に乗り込んで暴れて人体実験の現場を暴いたりするのですが、それって明らかに合法的ではないよなあ。

でもこのワンダーウーマンは「法があなたを裁けないなら、私が裁くわ!」と言ってしまうタイプで、CEOというよりもビジランテのような感じ。一人乗りの小型ジェット(透明ではない)を乗り回し、黄金の投げ縄を使ってアクションを繰り広げるものの、原作と違って投げ縄には相手に真実を告白させるという能力はなし。よって彼女は悪人を痛みつけて情報を引き出すのだ!ブレスレットで銃弾を弾くシーンはあるもののティアラを投げたりはせず、代わりに奪った鉄パイプをブン投げて人を殺してしまうのはちょっと引きましたよ。自分の目標のためには手段を選ばないあたり、コミックのワンダーウーマンというよりも「アストロ・シティ」のウィングド・ビクトリー(女性至上主義のヒーローで、女性のための施設などを運営している)に設定が似ているかな。

彼女の無鉄砲さに秘書のエッタ・キャンディやセミスキラの重役は手を焼きつつも彼女をサポートし、彼女のお目付役として司法省から派遣されるのが、元カレのスティーブ・トレバー。悪い企業のCEOであるベロニカ・ケールというのもコミックからのキャラクターなんですね。

ワンダーウーマン役には「エージェント・オブ・シールド」のエイドリアンヌ・パリッキ。セミスキラの重役がケイリー・エルウィスでベロニカ・ケールをエリザベス・ハーレイが演じている。

スーパーヒーローものかと思わせつつ、すぐさま「大企業で働く女性もの」になってしまうのはデビッド・E・ケリーだなあという感じ。でも評判よりかはずっと楽しめた。これが製作された2011年って「アベンジャーズ」よりも前で、公明正大なヒーローが主流だった頃だから、こういうビジネスライクなヒーローものって受けなかったのかもしれない。でも「デッドプール」などが流行ったいまから観ると、ちょっとズレた感覚が新鮮に思えて面白かったです。

ワーナーとしては今度の劇場版に専念したいだろうし、デビッド・E・ケリーも長年パッとしない状況だったのがHBOの「ビッグ・リトル・ライズ」が久々にヒットしたし、この作品が復活するような可能性はゼロでしょう。でも過去にもシリーズ化されなかった「アクアマン」のパイロット版は世に出ているわけで、これも未完成のCG部分をチョチョイと直して売り出せばそこそこ話題になるんじゃないかと思うのです。

これはファンメイドの映像。


コメディ・セントラルの新番組。

ドナルド・トランプが大統領になって以来、アメリカの深夜帯の番組は政治色を強めたことで視聴率を稼ぐようになっておりまして、選挙期間中はトランプをホストに迎えて彼の人気向上に貢献するという愚挙を犯した「サタデー・ナイト・ライブ」も最近はアレック・ボールドウィンの物まねなどで風刺の度合いを強めて人気を得ているし、「デイリーショー」仕込みの政治ネタを披露するようになったスティーブン・コルベアーの「レイト・ショー」は、トランプに日和ったインタビューをしたと叩かれたジミー・ファロンの「トゥナイト・ショー」を視聴率で追い抜いてしまった。

コメディ・セントラルにはすでに「デイリーショー」があるわけだが、そのトレンドに乗っかるべし、とでも考えたのか出してきたのがこの番組なわけですね。アンソニー・アタマヌイック(Atamanuik)なるコメディアンがトランプに扮してトークショー形式の番組をやるという形式で、マイク・ペンス副大統領のサイドキックつき。第1話はトランプのモノローグのあと、ニューヨーク市街に繰り出して通行人にインタビューしたりして、ゲストにはリベラルで知られるキャスターのキース・オルバーマンを迎えるという展開でした。

アタマヌイックって過去にもトランプの物まねをよくやってたようで、それが認められて番組に抜擢されたらしい。ボールドウィンには何故かディスられてるようだが、まああっちは短いスケッチをメインに行っているわけで、どちらの物まねが上手いというのは判断できんね。脚本のあるモノローグなどはさほど面白いとは思わなかったけど、アタマヌイックってインプロビゼーション集団のUCB(United Citizens Brigade)出身のようで、一般の通行人とのやりとりなどに、才能の光るものを感じました。

しかしまあトランプ本人がタチの悪い冗談の権化みたいな人なので、あれをどうコメディにしようとも現実の奇妙さには太刀打ちできないのではないか、という気もする。同じ局でやっていた、ブッシュ息子のパロディ番組「That’s My Bush!」もあっという間に打ち切りになってしまったしね。あとは戦争とかテロ攻撃が起きたりした暁には、大統領をコケにした番組は大変作りにくくなると思うのですが、そのような事態が起きないことを祈りましょう。


こないだ『レギオン』のシーズンが終わったばかりだが、早くもノア・ホーリーの名を世に知らしめたシリーズのシーズン3が始まったのだよ。

今回の舞台となるのは2010年のミネソタ。エミットとレイのスタッシー兄弟は兄のエミットが成功したビジネスマンであるのに対し、弟のレイは汚職に手を染めた保護観察官として貧乏暮らしをしていた。保護観察の相手として知り合ったニッキーと結婚したいレイはエミットに結婚指輪の代金を無心するものの、エミットにむげもなく断られる。頭にきたレイは元犯罪者のモーリスに、エミットが所有する高価な切手を盗むよう依頼するものの、エミットの家の住所を失念したモーリスは間違った家に押し入り、そこの住人である老人を殺してしまう。そしてその老人は、地元の女性警察署長の父親だった…というあらすじ。

なお冒頭ではいきなり1988年の東ドイツが出てきて、人違いで逮捕される男の話が語られるのだが、それが2010年のミネソタとどうやってつながっていくのやら?また一見裕福そうに見えるエミットも、怪しい連中から金を借りていたことが判明し、いろいろ複雑な展開になっていくみたい。

シーズン2はシーズン1のプリクエルという扱いだったが、今回のシーズンは過去のシーズンとどういうつながりがあるのかは明らかにされていない。シーズン1の4年後という時代設定の近さを考えるとシーズン1の登場人物がそのまま登場してくることも可能だろうが、はてさて。

シリーズの特徴である、ミスや悪運の連なりによって不遇な死を遂げる人が今回も出てきて、それが一連の物語の始まりとなるわけだが、過去のシーズンにくらべると比較的地味なスタートだったかな。もちろん今後の展開がどうなるかはまったくわかりませんが。

エミットとレイの兄弟はユアン・マクレガーが一人二役で演じている。双子ではなくて、メイクで別人になっている頑張りぶり。マクレガーってどの役でも同じようなイントネーションで話すことがよく知られてるが、今回はいちおうミネソタ訛りも入れてるのかな…?少なくともマーティン・フリーマンほどの訛りではありませんでした。レイのガールフレンドを演じるのがメアリー・エリザベス・ウィンステッドで、警察署長に『ゴーン・ガール』のキャリー・クーン。あとはデビッド・シューリスやマイケル・スタールバーグなど、相変わらず豪華なキャストが脇を固めています。

シーズンが始まったばかりなので話の展開の憶測などはとてもできないけど、過去のシーズンのクオリティを保てるのであれば大変面白いものになるはずなので、ここは黙ってワイルドな話の展開を楽しみましょう。