ドニー・ダーコ

大傑作映画「ドニー・ダーコ」のDVDをリチャード・ケリー監督とジェイク・ギレンホールのコメンタリーつきで観る。前に日本でレンタルしたやつにはコメンタリーが付いてなかったので。ただしこないだ発売されたディレクターズ・カットの方ではない。

コメンタリーでは普通に観ただけだとなかなか気づかない、各シーンや物体が象徴する意味をいろいろ解説してくれてるので助かる。これってオカルトっぽいSF作品だと思っていたのだけど、監督によるとSFだけでなく「聖なる介入」の物語でもあるそうだ。つまり乱れた時間軸を正して世界を破滅から救う役目を神(であれ何であれ)がドニーに与え、生者や死者を操りながら彼を導いていく、というのが話の趣旨らしい。なるほど。奥が深い。

この映画を観るたびに思うが、これだけの傑作をデビュー作で撮ってしまったリチャード・ケリー(俺より若い)の才能はハンパなものじゃない。次回作はまだか?

アメコミ映画ニュース

ハリウッドでは相変わらずアメコミの映画化が盛んなようだが、ワーナーの「ワンダー・ウーマン」の脚本&監督が「聖少女バフィー」のジョス・ウィードンに決定したらしい。短命に終わったシリーズ「FIREFLY」の映画版「SERENITY」を現在作ってるはずだから、そのあとに取りかかるのだろう。スーパーヒーローの映画はまだしも、スーパーヒロインの映画ってどれだけ需要があるのか不明だけど、アメコミのライターでもあるウィードンなら結構いいものが作れるかもしれない。

んで「Xメン3」の監督が、ガイ・リッチーの一連の映画のプロデューサーであり、監督デビュー作「LAYER CAKE」がそろそろ公開されるマシュー・ヴォーンに決定したらしい。監督としての技量は未知数だが、個人的にはストーリーが「ダーク・フェニックス・サーガ」を下敷きにするのかが気になる。俺あの話は嫌いなんだが…。

「Xメン」の1と2を監督したブライアン・シンガーは現在「スーパーマン」を撮影中。ケヴィン・スペイシーがレックス・ルーサーでヒュー・ローリーがペリー・ホワイトをそれぞれ演じるというのが渋い。

そして「シン・シティ」の新トレーラーが公開されてた。あれって映画化は無理な作品だと思うのだけど、どんな出来になるのだろう。

India, U.S. Moviegoers Pay Least -New Costs Index

各国の人々の給料と映画のチケット代を比較すると、インドでは16分労働しただけで映画が1本観れるのに対し、ブルガリアでは123分労働しないといけない、という調査結果が出たそうな

それで肝心の日本はどうかというと、48分労働すればいいらしい。でも日本のチケットって1500円くらいするわけだから、普通に考えると約50分で1500円稼ぐということは時給1800円の仕事に就いてないといけないわけで、これって庶民の感覚からしてみれば実に一般的じゃない高給じゃないか?すくなくとも俺はこんな時給もらったことないぞ。
どうもエコノミスト誌の「ビッグマック指数」をもとに算出したそうだが、ちょっと調べてみれば日本のチケット代がどれだかバカ高いか分かりそうなものだけどねえ。

ちなみに欧米では平日昼間なら割引になる「マチネー料金」が一般的なので、俺もその恩恵をうけて最近はよく4.25ドル(400円弱)で映画を観に行っている。日本に帰ったら金払って映画を観に行くのがバカバカしくなるような値段である。何で日本のチケット代があんな高いのかというのはいろんな原因があるんだろうけど、1つ理解できないのは館外からの飲食物持ち込みをなぜ容認してるのかな、ということだ。アメリカではポップコーンなどによる売上の方がチケット代よりも大きい、というような話を聞いた覚えがあるが、日本の映画館も持ち込みは一切禁止して館内で(割安の)飲食物を売ればもっと儲かると思うんだが。まあ客のバッグを調べるわけにもいかないし、全ての館で一斉に禁止しないと効果はないだろうけど。俺もよく100円ハンバーガーを持ち込んでパクついてた過去があるので偉そうなことは言えません。

V FOR VENDETTA PRESS CONFERENCE

アラン・ムーアのコミックが原作の映画「V FOR VENDETTA」の製作発表が、ナタリー・ポートマンや製作のジョエル・シルバーなどを迎えて行われたらしい。公式サイトも出来上がっていた。主人公の「V」を演じるジェームズ・ピュアフォイの顔を見るのは何だか変な気分がする(原作では素顔も正体も一切明かされない)。公開はいつだ?

前にも書いたかもしれないが、原作はムーアの作品の中で個人的に一番好きな作品である。ストーリーは明らかにサッチャー政権の全体主義的傾向が反映されたものだが、市民を監視して圧政を敷く政府と、それにテロリズムで抵抗する主人公、そして全体に流れるアナーキズム対全体主義などのテーマはむしろ現在の方が身近なものになっているのではないか。

「コンスタンティソ」の件は水に流す。頼むからこの映画だけは原作通りに作ってくれ。