「SPLATTER」鑑賞

こないだ書いたロジャー・コーマン&ジョー・ダンテによるウェブ用ミニシリーズ。他にも脚本をリチャード・マシスンの息子が書いていたり、キャンディマンことトニー・トッドが出てたりとスタッフはそれなりに豪華だったりする。

話の内容は落ちぶれたゴスのミュージシャンが短銃自殺を行い、その通夜に彼のマネージャーや元恋人など5人の男女がやってくるが、ミュージシャンの罠によって彼らは屋敷に閉じ込められ、さらにゾンビとして甦ったミュージシャンによって彼らは惨殺されていくのだった…というもの。

ベテランのダンテが監督しているだけあってカメラのアングルが巧みで、それなりに楽しめる作品になっている。そのぶんウェブ用作品の常としてセットやライティングなどが安っぽく、全体的に悪い意味でチープな感じになっているのが残念なところ。名監督であってもビデオ撮りのショボさは補えませんでしたね。あとホラーなんだから出てくる女性たちはもっと叫ぶように!ゾンビが目の前に出てきても驚かないんだもの。

第1話では5人の男女のうち2人が殺される展開。あとは誰が死ぬかが視聴者の投票によって決定され、次回の11月6日までに急ピッチで製作が行われるとのこと。ちなみにミュージシャン役のコリー・フェルドマンがつい先日奥さんに離婚訴訟を起こされたらしいので、いっそセットに奥さんを誘い出して殺してしまったりすれば史上最強のホラー・ギミックになりそうなもんなんだが。

「ADVENTURELAND」鑑賞

アメリカンなティーンの物語って個人的にはあまり好みじゃないんだが、この映画を監督したグレッグ・モットーラのインタビューを読んだらとても素晴らしかったので「これは観なければ!」と思った作品。何が素晴らしかったのか要約すると:

・僕(モットーラ)はティーンのときに脱毛症になってハゲになった。
・おかげで自分が化け物になったような気がして女の子とデートすることもできず、リプレイスメンツやスミスやREMといったカレッジ・ラジオを聴き込むことで正気を保つことができた。
・このため僕はティーンの時代に強いこだわりを持っている。
・僕(とその世代)はベトナム戦争のような大人になるための通過儀礼を経験できず、いつまでも大人にならないことができた。僕は最近やっと大人になる心構えができて、44歳になって2歳弱の子供がいる。

…といったもの。これを屈折してるとみなして笑いたいなら笑うがいいさ。俺はとても心に響くものを感じたよ(ハゲていないけど)。そして映画の冒頭から流れるのはリプレイスメンツの「Bastards Of Young」!監督、直球勝負すぎ!作品の内容もコテコテなボーイミーツガールもので、ピッツバーグに実在する遊園地アドベンチャーランドを舞台に、女の子にフラれたばかりの多感な童貞少年と、美しいんだけど家庭に問題を抱えていて年上の男性とつきあっている少女の一夏の恋を描いた内容になっている。登場人物も話の展開もとってもベタだけど、変に下ネタで笑いをとったりせず、10代の独特のやるせなさというか残酷さをストレートに描いてるところは評価できるかな。コメディというよりもドラマに近い作品ですよ。「フリークス学園」のマーティン・スターが相変わらず非モテなオタクを演じているのもいい感じ。

ただ舞台が1987年だというのと、ハスカー・ドゥやルー・リードが使われたサウンドトラック(音楽はヨ・ラ・テンゴが担当)からも分かるように、俺よりも上の世代を対象にしたような内容なんだけど、個人的には30半ばにもなってティーンエイジャーのボーイミーツガールものを観ることになんか複雑な思いを抱いてしまって、話を十分に楽しめなかったのも事実ではある。俺は本来ならば子育てや住宅ローンに関する映画を観てるべきなんじゃないかという思いが頭のなかに残ってしまって。いつかは俺もこうした映画を客観的に観れるほど大人になれるのかな。

※追記:あー登場人物は大学卒業して酒飲んでるんだからティーンのわけないか。すんません「20代前半の若者の物語」だと思ってください。

「ANGEL OF DEATH」鑑賞

クライム色の強いアメコミを書くことで知られるエド・ブルベイカーが脚本を担当した、ゾーイ・ベル主演のウェブ用映画。

敏腕の殺し屋のイヴはある人物の暗殺に成功するものの、格闘中に脳天にナイフを突き刺されてしまう。奇跡的に命をとりとめた彼女だったが、暗殺の際に一緒に殺してしまった14歳の彼女の姿が目の前に浮かぶようになっていた。そして良心の呵責に責められるようになった彼女は、意を決して暗殺を命じた彼女のボスたちに立ち向かっていくのだった…というような話。

いくら殴られても刺されても死なないベル姐さんはカッコ良いし、ウェブ用映画にしてはそれなりに話がきちんとまとまっているものの、チープなB級アクション映画の域を出るものではないかな。照明に金をかけられなかったのか、やけに画面が暗いような気がしたけど。そしてもうちょっとイヴの心境とかを描いても良かったのに。もともと数話に分けられて公開されたために、例によって話のペースがずっと同じで、大きく盛り上がったり落ち着いたりする展開に欠けてるんだよな。あとテッド・ライミとかルーシー・ローレスが友情出演してるけど殆ど出番はなかったりする。

ウェブ・シリーズ作品としては良く出来ていてDVDムービーにも劣らないくらいの内容だけど、ブルベイカーのコミックに比べたら圧倒的に劣っている作品。

「SIX SHOOTER」鑑賞

なぜか未だに日本で公開されてないブラック・コメディ「IN BRUGES」のマーティン・マクドナーがあの作品の前に作った30分の短編映画。こちらで視聴可能。何気にアカデミーの短編賞を受賞してるらしいけど、内容は「IN BRUGES」に負けず劣らずコテコテにブラックな作品だった。主演がブレンダン・グリーソンだというのと列車の中でのやりとりがあるのも「IN BRUGES」と同じ。

舞台はアイルランド。妻を病院で失った男が家に帰るために列車に乗ったところ、口の悪いティーンエイジャーと、赤ん坊を失ったばかりの夫婦と同席することに。ティーンエイジャーの口の悪さは勢いを増し、夫婦は気分を害することになって…というような展開。fuckの連発に加えて飛び降り自殺や爆発する牛など、なかなか極悪な展開が続いていく。ダイアログは秀逸だし見ていて飽きないものの、作者がこの作品を通じて何を言いたいのかはよく分からず…。マクドナーは本業(?)の舞台劇のほうも暴力描写が多いらしいけど、このブラックさは同じアイルランド系であるガース・エニスのコミックに通じるものがあるな。

何でこんなブラックな作品がアカデミー賞を穫れたのかよく分からんけど、まあ悪い作品ではないですよ。

「ゴジラ対メガロ」鑑賞

ジェットジャガー(笑)。

これはもはやゴジラ作品では無いような。最後の怪獣バトルがいちばんつまらないというのはどういうこったい。他の部分も冗長で盛り上がりに欠けるカーチェイスとか、ものすごく行き当たりばったりな展開とか、観ていてしんどいものばかり。世間的には評判の良いダムの破壊シーンも、さほど見事だとは思えず…平成シリーズはガキンチョ向けのような気がして観なくなったけど、よく考えたら東映チャンピオンまつりの作品も大差ないよなあ。

あとシートピア海底人は地上人の行った核実験によって被害を受けたために怒ってメガロを送り込んできたわけで、そういう意味ではゴジラは加担する側を間違えてるような。ウルトラセブンのノンマルトもそうだけど、海底人はいろいろ迷惑を被って可哀相ですね。