外は天気がいいってのにカゼが抜けきらないので、ずっと家にいて「氷海の伝説」こと「ATANARJUAT: THE FAST RUNNER」をDVDで観る。以前に岩波ホールでやってた時は観に行けなかったので。カナダ政府から助成金をもらって撮影された映画であり、全編イヌイット語のフィクション映画という意味では世界初の作品らしい。
舞台となるのは数百年前のイヌイットの部族の居住地。部族の長の息子であるオキにはアートゥワという娘と結婚することになっていたが、これは親同士の取り決めに夜結婚であり、アートゥワ本人は「足の速い人」ことアタナグユアトと恋仲にあった。横暴なオキはこれを気に入らずアタナグユアトと勝負をするものの、アタナグユアトは逆にオキを打ち負かしアートゥワを妻にめとる。その後にアタナグユアトはオキの妹プヤも妻にするが(一夫多妻制らしい)彼女は災いの種となり、復讐心に燃えるオキたちによってアタナグユアトの兄アマクヤックは惨殺され、アタナグユアトは氷の張った海へ裸のまま逃亡することになる。奇跡的に氷の海を駆け抜け一命をとりとめたアタナグユアトは、やがてオキやアートゥアのいる部落へと帰ってくるのだが…。というのが主なストーリー。イヌイットに伝わる物語を映像化したもので話自体はシンプルなものの、日本の昔話にも通じるようなところがあり観てて飽きがこない。
役者は当然のことながら監督を含むスタッフのほぼ全員がイヌイットであり、衣装から道具、住居のすべてにいたってが細かい調査と伝統的な手法によって作られていて、当時のイヌイットの生活風景が見事なくらいに再現されている。最初はイヌイットの習慣が理解しにくかったり、登場人物の顔がみんな同じに見えたりするかもしれないが、やがて話にグイグイ引き込まれて3時間という長さがあまり気になってこなくなるほどだ。いわゆるハリウッド的な演出や展開は皆無で、全体的にはとても淡々とした雰囲気があるものの、それがかえって新鮮に感じられる。(恐らく)照明なしのビデオ撮りによる作品だが、映像の質もそんなに気にならなかった。
それにしても雪と氷と岩しかない環境で生きるイヌイットたちの何とタフなこと。男たちが狩ってきた動物の骨や皮からあらゆるものを作りあげ、氷の家に住み、犬ぞりに乗る彼らの姿を見ているだけでも楽しい。あんなところで暮らしたいとは思わないけど。
アラブ諸国で一番の人気を誇る衛星テレビ局「アルジャジーラ」の、イラク戦争時の光景を追ったドキュメンタリー「CONTROL ROOM」をDVDで観る。
「愛の落日」こと「THE QUIET AMERICAN」をDVDで観る。その「反アメリカ的」な内容が9/11テロ直後のアメリカで問題になり、公開が1年近くも延期された作品だが、日本ではこんな邦題で公開されていたとは。
ケヴィン・スミスと並ぶ90年代のインディペンデント映画界の雄、リチャード・リンクレイターの実質的デビュー作品「SLACKER」をDVDで鑑賞する。1991年に公開された本作はスミスに「クラークス」を撮らせる触発を与えた映画であり、90年代のインディペンデント映画の元祖的作品のはずなのだけど…正直言ってかなり退屈な映画だった。
「天才マックスの世界」や「ロイヤル・テネンバウムズ」を手がけたウェス・アンダーソン監督のデビュー作「BOTTLE ROCKET」をDVDで観る。主演&共同脚本はアンダーソン作品ではお馴染みのオーウェン・アンダーソンで、他にもルーク・ウィルソンやアンドリュー・ウィルソン、クマー・パラーナといったアンダーソン作品の常連がいろいろ出ていて楽しい。あと何故かジェームズ・カーンが出てたりする。