「NURSE JACKIE」鑑賞

SHOWTIMEの新作シリーズ。主演はイーディ・ファルコ。俺って「ソプラノズ」をろくに観てないせいか、イーディ・ファルコとロレイン・ブラッコがいつも頭のなかでごっちゃになるんだよな。

そんな彼女が演じるのはニューヨークの病院に勤めるベテラン看護婦のジャッキー。腰痛を抱え無能な新人医師や口うるさい上司に悩まされながらも、病院にやってきた患者たちを助けるために彼女は我が道を進むのだった…といった感じの話。死んだ患者を偽って勝手にドナーカードにサインするなど、結構エグいことやってます。

いちおう30分コメディという扱いなんだけど、なんかね、笑えないんですよ。冒頭から患者が新人医師の怠慢により死んじゃったりするし。シニカルなんだけど時には非常識な手を使ってまで患者を救おうとする医者なんてのはヒュー・ローリーが「HOUSE」で完璧に演じちゃってるわけで、それに比べるとこのジャッキーって変なところで気弱な姿を見せたりして、どうも頼りないんだよな。おまけにジャッキーが夫に浮気してることが明かされたりして、いまいち彼女に感情移入できない話になっている気がする。

とりあえず俺にとってはもうどうでもいい作品。

イギリスの公共広告

きのう運転免許の書き換えに行ってきて、例によって講習を受けさせられ、冒頭に福留功男が出てくる運転安全のビデオを見せられたわけだが、前方不注意でバイクに衝突して脊髄損傷の大ケガを追わせたとか、飲酒運転で人をはねて多大な損害賠償を命じられ、妻が心労のため自殺したとかといった運転にまつわる悲惨な物語をいろいろ見せつけられ、人生の三大原則である

・運転するな
・飲酒するな
・結婚するな

を再認識した次第です。それで思い出したのが90年代初期のイギリスの公共広告。「LAKE OF FIRE」のトニー・ケイが監督したやつで、飲酒運転で人を殺めた夫を妻が罵倒するのを、子供が泣きながら見ているというもの。内容がショッキングすぎるとかで放送禁止になりかけたんじゃなかったっけ。

これに限らずイギリスの公共広告(意見広告?)って論議を呼ぶ内容のものが多くて、最近でもキーラ・ナイトレイが蹴り続けられる家庭内暴力のやつとか、女生徒が校庭で出産する10代の妊娠問題のやつとか、観ると結構トラウマになりそうなものがあるんだよな。どれも映像作品としての出来はやたら良いんですが。

「GLEE」鑑賞

フォックスの秋の新作ドラマ。それがなぜこの時期に?と思ったら、秋は他の新作ドラマが目白押しで埋もれてしまう可能性があるため、第1話だけ5月に放送して注目度を高めようという戦略なんだとか。みんないろいろ工夫してるんすね。んで見事この作戦は功を奏して各メディアから注目されることになったのに加え、作品の内容も高い評価を得ているようだ。

そこで第1話を観てみたけど、確かに素晴らしい出来になっている。舞台はオハイオの田舎の高校で、将来に希望が持てず元気の無い生徒たちにやる気を持たせようと、スペイン語教師のウィルがグリー・クラブを結成したところ、集まったのはゲイの両親に育てられた少女や車椅子の少年、どもりのある少女など、みんなクセのある生徒たちばかり。さらにウィルは歌唱力のあるアメフト部のクォーターバックを恐喝まがいの手段を用いてクラブに加入させ、皆で最高のグリー・クラブを目指すのだが…といったストーリー。

基本的にはコメディで、出てくる生徒も先生もみんな変人ばかりで、シュールなギャグが連発されるところは「アレステッド・ディベロップメント」を彷彿させる。その一方で歌とダンスのシーンも見応えがあって、悩みを抱えた生徒たちがクラブ活動を通じて成長していくさまは「FRIDAY NIGHT LIGHTS」に通じるところがあるかな。あの2つの番組が合わさった内容なんて想像もつかないかもしれないが、実際にそんな感じ。従来のTVシリーズとは一風変わったものであることは間違いない。

フォックスってこういう斬新な番組を作っておいてすぐに打ち切ることで悪名高いですが、今回はプロモーションにかなり力を入れてるみたいだし、少なくとも第1シーズンはきちんと放送してほしいところです。

「Sit Down, Shut Up」鑑賞

フォックスの新作アニメ。最近アニメばかり観てるな俺。「アレステッド・ディベロップメント(ブル~ス一家は大暴走)」のミッチェル・ハーウィッツがオーストラリアの実写シットコムをリメイクしたもので、声優にはウィル・アーネットやジェイソン・ベイトマン、ヘンリー・ウインクラーといった「アレステッド」でもお馴染みの俳優たちが参加している。キャラクターたちがアニメーションで背景は実写というのがちょっと目新しいかな。

内容はフロリダの高校に勤める教師たちの日常を描いたもので、筋肉バカの英語教師やヒッピーくずれの科学教師、バイセクシャルの演劇教師などといった変人教師たちがいろいろ登場する。でもね、肝心の話が面白くないのよ。「アレステッド」は「シンプソンズ」を実写にしたかのようなギャグの凝縮ぶりと絶妙なタイミングを誇った番組だったけど、逆にこちらはアニメになったことで「アレステッド」にあった下ネタのキワドさとかがすべて凡庸なものになってしまっている感じ。変人教師のコメディだったらデビッド・E・ケリーが「ボストン・パブリック」で既にやってるし。これはカートゥーン・ネットワークの「アダルト・スイム」に属するような作品であって、著名な俳優を使ってプライムタイムに流すようなものではないよな。

本国の評判も良くはないらしく、早くも放送時間の変更が告げられたことで、まず打ち切りになるだろうと見なされてるらしい。製作スタッフの皆さん、こんな番組を作ってる余裕があるんだったら、ファン待望の「アレステッド」の劇場版を作ってくださいな。

「G.I. JOE: RESOLUTE」鑑賞


「G.I.ジョー」ってそのアメリカバンザイ的なノリが嫌いでコミックもアニメも読んだ/観たことがなく、当然この夏の映画版も興味がないのですが、こないだウェブ用として公開されたアニメ「G.I. JOE: RESOLUTE」の脚本を「Global Frequency」や「Planetary」で知られるアメコミ作家のウォーレン・エリスが担当したと聞いたのでYouTubeでチマチマと観てみる。

これは全11話からなる作品で、G.I.ジョーの基地である航空母艦が悪の組織コブラに爆破されるところから話は始まる。それと同時に世界中の衛星通信が不通になり、コブラを率いるコブラ・コマンダーは1つの都市を一瞬にして消し去る威力を持った秘密兵器を披露し、世界が彼のもとにひれ伏すことを要求する。そしてG.I.ジョーたちは彼の野望を打ち砕くために奔走するのだが…といった話。

軍の極秘施設(HAARPとか)や大気圏外からの破壊兵器などエリスが好む題材がいろいろ詰まっていて、G.I.ジョーのアニメというよりもウォーレン・エリス作品にG.I.ジョーたちが出ている、といった感じ。でもアクションとバイオレンス満載の描写はファンのあいだでも評判が高いようで「80年代のアニメ版はこうあるべきだった」とか「夏の劇場版より面白いかも!」といった声が多いみたい。スネーク・アイズのオリジン話における変な日本の描写には苦笑するしかないが、全体的にはG.I.ジョーを知らない人でも十分に見応えがある内容になっている。

でもこういうウェブ用のシリーズ(ウェビソード)を観ていつも思うのが、話の尺が5〜10分という状況において各話の終わりでストーリーをいったん締める必要があり、全体としてみると話の盛り上がりに欠けるというか、ラストに向かっての大きな話の持ち上げが出来ないんだよな。おかげでこの作品の終わりかたはとてもアンチクライマックス的だったし、「ギャラクティカ」のウェビソードもそんな感じだった。要するにそれまでの話の流れを最終話できちんとまとめるには尺が足りないということなのかな。加えてウェビソードはTVシリーズなどに比べて副次的な扱いをされており、予算や製作面などでもいろいろ制限されているのかもしれない。でも今後も発展していく可能性は十分にあるフォーマットなので、いずれはこれを最大限に利用した作品というのが出てくるんでしょう。