「From Dusk Till Dawn: The Series」鑑賞


ロバート・ロドリゲスが立ち上げたヒスパニック向けケーブル局「El Rey」初のオリジナルシリーズだそうな。ロドリゲスが監督した1996年の同名映画のシリーズ化だけど、こないだの「ザ・ファーム」といいこんどの「ファーゴ」といい、90年代の映画のTVシリーズ化が最近顕著なのは何なんだ?オリジナルを劇場で観たアラフォー世代あたりを狙ってるのか?でも20年近く前の映画の内容なんてあまり憶えてないよう。

いわゆる名義貸し的な作品かと思いきやロドリゲスがガチで絡んでいて、第1話の脚本と監督を担当していた。文字通り夕暮れから明け方までの半日を舞台にしていた劇場版をシリーズ化しているために当然ながら話がものすごく引き延ばされていて、第1話では例のナイトクラブなどは登場せず、その前の酒店におけるゲッコー兄弟と保安官とのスタンドオフがみっちりと展開されていく。

いちおう吸血鬼らしき存在も出てくるものの、内容は完全なガンアクション。気になるのはゲッコー兄弟が平気で人を殺すサイコパスとして描かれているところで、極めて不快。あれを主役にしてしまうのは無理があるのでは。むしろ彼らに復讐を誓う若き保安官が主役扱いになるのかな?ゲッコー兄弟も保安官も比較的無名の役者が演じているが、第1話にはドン・ジョンソンがゲスト出演していたほか、ロバート・パトリックがこのあと登場してくるみたい。

劇場版を知ってると展開がたるい気がするのは否めないが、出来はそんなに悪くないかと。しかし本当にどうやって話を引き延ばしていくのだろう?

「BELIEVE」鑑賞


こないだアカデミー監督賞を穫ったアルフォンソ・キュアロンが製作と第1話の監督を務めるNBCの新作ドラマ。プロデューサーとしてJJエイブラムスも関わっているみたい。

少女のボーは幼いころから超常的な能力を発揮することができ、その能力を謎の組織に狙われたために里親を転々としていた。彼女を守る別の組織に属するウィンターは死刑囚のテイトに目をつけ、彼を脱獄させる代わりにボーを保護するように命じる。仕方なしにボーと出会ったテイトだったが、そこにボーを狙った女殺し屋が現われたことから、ボーとテイトの長い逃避行が始まる…というストーリー。

なんか80年代にあった超能力少女マンガっぽいような…。池上遼一の「舞」ってこんな話じゃなかったっけ?ボーは人の感情を読み取ったり漠然とした予知能力を持っていることが示唆されるのだが、感情が高まるとさらに過激な能力をつかうことができ、要するに「イヤボーンの法則」ですな。日本のマンガだけでなく「キャリー」とかもそうだけど、ちょっとクリーシェ感が強いかと。

冒頭にちょっと長回しっぽい演出が使われているものの、それ以外は比較的普通の演出だったかな。CGのチョウとかがいかにも作り物なのが興醒め。テイトを演じるのがジェイク・マクラフリン、ってよく知らんな。ボーを演じるのはジョニー・セクオヤ(Sequoyah)という女の子なんだけど、女性なのにジョニーというのね。あとはウィンター役にデルロイ・リンド、その助手にジェイミー・チャンと手堅い役者で脇を固めている。あとはボーを狙う黒幕をカイル・マクラクランが演じてるのだが、携帯電話で指示を出して「フフフ…。」とほくそ笑んでいるだけなので今後はどう話に絡んでくるのか分からず。

決して革新的な作品とかではないものの、アルフォンソ・キュアロンのネームバリューもあるので日本でもどこかで放送されるんじゃないかな?ただ今年の新作ドラマはSFものが多い一方でどれも苦戦してる印象があるので(Agents of SHIELDとか)、まず本国でどこまで頑張れるかが人気の分かれ目になるでしょう。

「MIND GAMES」鑑賞


ABCの新作ドラマ。

前科持ちの元詐欺師であるロス・エドワーズは、双極性障害を患っているものの有能な心理学者である兄のクラークと組んで、心理操作を用いて諸々の問題を解決する会社を立ち上げる。懐疑的なクライアントに心理と人間の行動の関係について説明しようとするロスだったが、クラークの突拍子もない行動のためにうまくいかない。さらにロスの元妻やクラークの元恋人が会社に加わったことで話がややこしくなり…という設定。

劇中に出てくる心理操作というのがいまいち良く分からんのだが、要するに人に暗示をかけるようなものかな?マインドコントロールではないと明言されてるんだけどね。「アドレナリンが放出されて気分が高揚した直後は暗示にかかりやすくなる」などといったもっともな説明がされたりするんだが、どこまで本当なのだろう。さらに結局はクラークの知識よりもロスの手腕に頼ってたりして、それって心理操作というよりも単なる詐欺ではないの?という気がしなくもない。

クリエーターはカイル・キレン。って「LONE STAR」と「AWAKE」の人か…かなり低い打率を誇っているような。さらにロスを演じるのがクリスチャン・スレーター。彼も出演したシリーズはことごとく短命で終わっている人なので、なんか不安だな。そしてクラークを演じるのがスティーブ・ザーン。俺は彼がとても好きなので頑張って欲しいところですが、長続きするかな…。

なんか話がいろいろ詰め込まれすぎで、それはそれで悪いことではないのだけど、視聴者の多くはついてけないんじゃないでしょうか。兄弟ふたりもケンカしてるばかりだし。もうちょっと頑張る必用があるであろうシリーズ。

「THOSE WHO KILL」鑑賞


A&Eの新作刑事ドラマで、デンマークの作品のリメーク。なんか北欧の人たちって「キリング」とか「ザ・ブリッジ」とか陰惨な刑事ドラマばかり作ってるような気がするのですが、暗くて寒いところに住んでるとそういう気性になるのでしょうか。

ピッツバーグ市警の警部であるキャサリン・ジェンセンは、工場で発見された変死体がシリアルキラーの犠牲者であることを見抜き、犯人を捕まえるために犯罪心理学者のトーマス・シェイファーの手を借りることにする。犯人の手がかりをつかんで新たな犠牲者が出るのを防いだ2人だったが、犯人には逃走され、さらにその後にはキャサリンが捕まってしまい…というような内容。

まあ典型的な猟奇犯罪ものかな…ケーブル局の番組なので描写はちょっとグロいです。犯人の猟奇性というよりも主役2人のメンヘラぶりに重きが置かれているようで、トーマスは事件解決を忘れて犯罪者の心理に没頭してしまうし、キャサリンは過去のトラウマを抱えているために振る舞いがちょっとサイコさんぽかったりする。今後は2人の過去が徐々に明かされていく展開になるのかな?心にトラウマを抱えた者がシリアルキラーの心情を理解できる、というのが作品のテーマなんだろうけど、その割にはキャサリンはあまり敏腕ではないような…犯人に2〜3回くらい裏をかかれていたぞ。

キャサリンを演じるのがクロエ・セヴィニー。だんだん彼女は体格が立派になってってますね。トーマスを演じるのがイギリス人のジェームス・ダーシーで、彼ってポール・マッガンに似てるな。あとはブルース・デイビソンが今後のエピソードに出てくるみたい。

今後の展開次第では面白くなるかもしれないが、第1話を観た限りでは他の猟奇もののTVシリーズと大差ないかもしれない。地上波ネットワークでも「ハンニバル」が高い評価を得ていることを考えると、もうちょっと頑張らないといけないと思う。

「ABOUT A BOY」鑑賞


ニック・ホーンビィの原作小説をヒュー・グラント主演で映画化したやつのTVシリーズ版。なんで今ごろ?という気もするけど、まあネタがなかったんでしょう。

例によって内容はアメリカナイズされていて、舞台はサンフランシスコ。大ヒットしたクリスマスソングの印税で優々としたシングルライフを謳歌していたウィルは、シングルマザーが容易に口説き落とせることに気づき、架空の息子を仕立て上げてシングルファーザーのふりをして女性に接近する。同時期に彼の隣の家にはシングルマザーのフィオナとその息子のマーカスがやったので、ウィルはマーカスに彼の息子を演じるように頼むのだが…というような内容。まあ映画版と大体同じかな。

プロデューサーにロバート・デニーロが名を連ねていて、第1話の監督はジョン・ファヴロー。主役のウィルを演じるのはデビッド・ウォルトン…って誰だっけ。隣人の口うるさいニューエイジかぶれのシングルマザーをミニー・ドライバーが演じてるのだが、あの人ってここ10年くらいはうるさいオバサンの役ばかり演じているような。あとは「デイリーショー」のアル・マドリガルが出演しているのだけど、彼って「デイリーショー」を降板するのか?

ずっと前に書いたようにニック・ホーンビィっていまいち大人になれない男性の心境を描くのが巧い作家で、俺もミックステープとか作ってたので「ハイ・フィディリティ」にはえらく共感して、好きだった女の子に文庫本を渡したらぜんぜん読んでくれなくて、えっと、えっと、何だったっけ。ああそうだ、それでこの主人公のウィルって周囲の友人がみんな結婚して子供つくって落ち着いてるなかでひとり好きなことやってるボンクラで、境遇的には自分と似てなくもないのだが、全く共感できないのよね。まだヒュー・グラントが演じてた時は寂しさを秘めたような感じがあったけど、今回は単に無責任なアメリカンというか。もうちょっと奥行きのある人物にすればよかったのに。

あと第1話が映画版のあらすじを大体なぞっているわけだが、今後の展開はどうするんだろうね?大人と少年のバディ・コメディだったら「ハーパー★ボーイズ」が既にやってるわけで。本国の評判も良くないようだし、この時期に開始される他のコメディドラマと同様に、あまり長続きはしないシリーズとなるでしょう。