今シーズンのドラマ群と人種問題

アメリカのドラマの新シーズンはいつも秋から始まるわけだが、今年はここ数年で初めて「黒人が主人公のドラマ」が無い、とNAACP(全米黒人地位向上協会)がお怒りになっているそうな。 これを単に「アメリカでは人種差別が根強いから」という理由で片付けてしまうのは簡単だけど、ただ偶然に黒人が主人公のドラマが全部打ち切られただけだとか、概して黒人向けのドラマが多かったUPNがWBと融合することになったんで今回の統計に入ってないとか、主人公じゃなくても準主役とかで黒人が出てるからいいじゃん、とかいろんな見方が出来るかもしれない。まあ準主役とか準々主役で有色人種が出ててもトーケニズム扱いされるのがオチだろうけど。

あとUPNの黒人向けシットコムとか観てて思うのは、あまりにも露骨に黒人の家庭向けになっているというか、なんか逆に黒人以外の人種を排除してるような気もするんだよね。何を言いたいかというと、黒人が主人公の番組はみんな黒人向けになってるのが問題であって、ごく普通のドラマなんだけど主人公はたまたま黒人、というような番組が作られるのがいちばん望ましいと思うのです。これに最も近かったのはSF番組の「ディープ・スペース・ナイン」だったような気がするんだけど、どうなんだろう。もっとも「コスビー・ショー」が黒人ラッパーたちに批判されているように、何をもって「黒人向け番組」と判断するかは難しいところなのかもしれない。

ちなみに黒人の場合はここまで話題になるけど、我々アジア人が主人公のドラマなんて「無くてあたりまえ」という扱いを受けてるんだよね。うーん。

「RIVER OF CRIME」始動開始

レジデンツの今年のプロジェクト「RIVER OF CRIME」がついにiTMSで販売開始された。50年代のラジオドラマ風に、犯罪の物語がレジデンツ流に語られる、いわば一種のポッドキャストらしいんだけど、肝心の中身をまだ聴いてないんでなんとも説明できない。 全部で5エピソードがiTMSから普通にダウンロードできるだけでなく、それらのダウンロード用のキー付きの空のCD-Rが発売されるらしい。つまり自分でダウンロードして自分でディスクに焼けという、実にDIYの精神に満ちた(?)キットになっている。

ちなみにウイアード・アル・ヤンコビックの計算によると、CDを購入したときよりもiTMSで曲をダウンロードしたときのほうが、アーティストに支払われる印税は少なくなるらしいぞ。

ケーブルテレビ2006

ケーブルテレビ関連の業者のコンベンションである「ケーブルテレビ2006」のためビッグサイトまで足を運んできた。 2年ぶりに見に行ったわけだが、以前は各ブースでパンフレットとかを配っているおねーちゃんたちは、みなが揃ったようにレースクイーン、もしくはそれに準じる格好をしてたんだけど、今回は8人に1人くらいが「メイドさん」の格好をしてたかな。ブームもここまできたか。でもこっちは真面目に仕事関連の話とかを聞きたいので、あまりアレな格好で寄られてきても逆に困ってしまうのであります。特に痛々しかったのがGEOのブースで、周りがおカタいハードウェア関連のブースなのに、1つだけメイドたちを何人も侍らせたその雰囲気は実に近寄りがたいものがあったと思う。

あーいったおねーちゃんたちは基本的に場違いだと俺は思うのだけど、業界とあまり関連のなさそうなカメラ小僧がブースなぞには目もくれずにメイドさんたちの写真をバカバカ撮ってたのを見る限り、あんなコンベンションでも需要(?)と供給(?)は満たされている、のかもしれない。

「サンダーバード6号」鑑賞

イギリスが誇るスーパーマリオネーション冒険活劇「サンダーバード」の劇場版「サンダーバード6号」をDVDで観る。まだ観たことがなかったのです。もう1つの劇場版(なぜか最後にクリフ・リチャードが出てくるやつ)は観たことあるんだけどね。 感想としては、まあ悪くもないけど期待してたほどじゃなかったかな。時間が長くなったせいで、TVシリーズ版にあった「限られた時間での救出活動」という緊張感がなくなっていて、全体に間延びした雰囲気になってるのが残念。しかも俺の好きなサンダーバード4号は冒頭にちょこっと出てくるだけだし。それでも1号や2号が大空を舞うシーンは非常にカッコいいし、ラストの複葉機によるアクションなんかもスリルがあって楽しめるかな。2068年が舞台の作品だけど、未来社会に対する夢のようなものが感じられるのがいいですね。脚本がダメダメだった「チーム・アメリカ」なんぞよりもずっと優れた作品だろう。

ちなみに特典に入ってる予告編は徹底的にネタばらしをやってるので、本編より先に見てはいけませんよ。

「マッスルモンク」鑑賞

一部でカルト的な人気を持つ、アンディ・ラウ主演の映画「マッスルモンク」をDVDで観る。 いやー。こういう作品だったとは。冒頭では肉じゅばんをまとって筋肉ムキムキのラウの姿には一瞬引くものの、アクション描写は相変わらず一流だし、サスペンスの醸し出し方なんかも上手でなかなかストレートに楽しめる。でも謎のインド人が逮捕されてからズルズルと話がすべっていくというか、プロットが徐々に破綻していき、冒頭の展開からずっと離れたところに着地して終わるラストが、まあ、なんというか、といった感じ。このユルさ加減を楽しめるかどうかが、この作品を観るときの最大のポイントなんだろう。

ストーリーを逆にたどっていくと辻褄が合わない点がいくつもある、というのはカンフー映画では決して珍しくないことだけど、この「マッスルモンク」も、ありそうで実はない伏線とか、印象的なくせに途中から出なくなるキャラクター(上記のインド人だ)とか、なんか行き当たりばったりな展開がてんこ盛り。そもそもよく考えてみると、主人公が筋肉男である必要性もあまり感じられなかったりする。ここまで話が破綻してると、普通は脚本の段階で気づきそうなものだけど、それがそのまま大金をかけた映画になってしまうところがスゴイなあ。

でもやっぱり、ヒロインのあの運命はちょっと…。前世が日本兵だと、ロクなことがないんですね。