「BURNING LOVE」鑑賞


コメディ集団「THE STATE」のケン・マリノが日系人のカミさんと作ったウェブシリーズ。米ヤフー!のサイトで配信中で、日本から観るにはIPアドレスをゴニョゴニョする必要あり。

同じくウェブシリーズとして始まった「CHILDRENS HOSPITAL」が「ER」のような医療ドラマのパロディであるのに対し、こちらは「The Bachelor」のような恋愛もののリアリティー・シリーズのパロディで、独身の消防士マークの妻の愛を求めて、10数人の女性たちが競い合うという内容になっている。

それで集まった女性たちがみんなクセもの揃いで、妊娠中だったり80代だったりパンツ履いてなかったりと、いろんなネタが仕込まれていて結構笑える。なぜかケン・チョンが女装して紛れてたりするし!あと盲目の女性がいてきわどい差別ギャグの対象になってたんだけど、あれいいのかな。そして彼女たちは徐々に花嫁候補から脱落していき、やがて勝者が決定されるみたい。

マークが女性たちの特徴にまるで気付かぬままシュールな展開が繰り広げられていくんだけど、ゲストに出てくる俳優陣がとても豪華で、前述のケン・チョンのほか「THE STATE」のマイケル・イアン・ブラックが番組の司会者役で出演していたり、ベン・スティラーやアダム・スコット、さらにはジェニファー・アニストンがチョイ役で出てたりするぞ。

「CHILDRENS HOSPITAL」同様に、ろくにストーリーなど設定せずに、短い尺にギャグをぎっしり詰め込んでるのが面白いですね。今後のアメリカのコメディ番組って、視聴率や放送時間枠に左右されずに番組を作れるウェブシリーズがどんどん伸びていくのかもしれない。

「RED TAILS」鑑賞


ジョー・キューバート御大のポスターはかっこいいね。最近引退説がいろいろ出てきてるジョージ・ルーカスが自腹を切って製作した戦争映画。

「タスキーギ・エアメン」の名で知られる、黒人のみで編成されたアメリカ陸軍航空隊第332戦闘機隊の活躍を描いたもので、そこのパイロットたちは優秀な腕を誇っていたものの、軍内部の偏見により前線での活躍の場を与えられず、中古機を与えられてイタリアで後方支援をしていた。しかし幹部たちの上層部へのアピールが認められ、ドイツ軍との初めての空中戦でも成果を出したことから、最新鋭の戦闘機P-51ムスタングを与えられる。そして彼らは機体の尾翼を赤く塗ったことで「レッド・テイルズ」の通称で知られるようになり、ベルリンへの爆撃機の援護にあたるのだった…というようなストーリー。

いちおうクレジット上ではテレンス・ハワードとキューバ・グッディング・Jr.が主役扱いだけど、彼らはお偉いさんの役で地上から戦闘を見守ってるだけで、その部下のパイロットたちの活躍と葛藤に焦点が当てられている。トリスタン・ワイルズやアンドレ・ローヨなど「ザ・ワイヤー」の役者が多く出演してるぞ。

それで内容はとにかくベタ。戦争映画のクリーシェが山ほど出てきて「戦争が終わったらあの娘と結婚するんだ」とかやってくれるほか、やたら説明調なセリフが次々と出てきてちょっとウンザリ。2時間超の尺にいろんな展開を詰め込みずぎて盛り上げに欠けてるというか、TVムービーのダイジェストを観ているような気になってくる。イタリア娘とのロマンスとか捕虜収容所からの脱走とかを削ってでも、もうちょっと1つ1つのシーンを丁寧に描いてもよかったと思うんだけどね。軍のなかで差別されてた黒人たちが空中戦で成果を出したら「お、やるじゃん」と白人に認められてそのまま仲良くなる、というのもさらっと描かれ過ぎてるし。

また見せ場になるドッグファイトのシーンもいまいち迫力がないというか、「デス・スター突入」なみのスリルを求めてはいけません。せいぜい「エピソード1」の空中戦くらいのレベル。監督のアンソニー・ヘミングウェイはこれが初劇場作品とはいえ「ザ・ワイヤー」とか「ギャラクティカ」を手がけてるので臨場感のある演出はもっとできそうなものなんだがなあ。また脚本には「ブーンドックス」の作者であるアーロン・マクグルーダーが関わっていて、彼は「エピソード1」が公開されたときに「ジャー・ジャー・ビンクスは黒人のカリチュアだ!」と文句言ったところ「じゃあお前がやってみい」といった感じでルーカスにこの脚本を託されたらしいが、コミックでは気の利いたセリフを書けても映画ではそうもいかなかったということか?

暗黒面に堕ちたと噂されて久しいものの、個人的にはやはりジョージ・ルーカスって好きだし、彼のこの題材の映画化および公開にかけた熱意はインタビューなどからもひしひしと伝わってくるので、それがこういう凡庸な出来になってしまったのは残念なところですな。いちおう劇場ではそこそこの数字を稼いで、ホームビデオでも健闘してるようなので、この映画の成功(失敗?)をバネにして彼にはもう1本くらい映画を作ってほしいところですが…。

「MEN AT WORK」鑑賞


TBS(アメリカのケーブル局だよ)の新作シットコムで、クリエーターは「Franklin & Bash」のフランクリンことブレッキン・メイヤー。

マイローはニューヨークの雑誌の編集部に務めるナイーブな男性だったが、ガールフレンドにふられてひどく落ち込んでしまう。そんな彼を3人の同僚が慰め、奮起させようとするのだが…というのが第1話のプロット。

男4人がただダベっているだけの、ひどく凡庸なシットコムだなあといった感じ。「SATC」みたいにウィットが効いているわけでもないし、男の本音を描いてるわけでもなく、東海岸のマスコミ関係者が酒飲んでたわむれてるだけで、共感できるようなところが全然ないんだよね。第2話ではJKシモンズとかイーサン・スプリーなどと豪華なゲストも登場するものの、あまりまっとうに使われてなかったような。

ケーブル局なんだからもっと幅広いネタが扱えただろうし、ブレッキン・マイヤーって若い頃から映画業界にいるんだからもうちょっとオリジナリティのある作品にしても良かったと思うんだけどね。本国のメディアにも叩かれてるようなのであまり長続きはしないでしょう。

「アベンジャーズ」鑑賞


今週いっぱいアメリカに行ってたので、無理矢理時間つくって観てきたのだよ。

いやーもう最高。娯楽映画の極致ですな。ジョス・ウィードンって今までテレビの人という印象が強かったのだけど、劇場映画もここまできちんと作れてしまう人だったのですね。ドンパチ中心の映画とはいえ各キャラクターのストーリーもきちんとツボをおさえ、テンポの良いセリフまわしに絶妙なユーモアを交え、2時間半の長尺がまったく中だるみしない出来になっている。他のヒーローたちに比べて社長(アイアンマン)が活躍しすぎじゃないのとか、やっぱり物を言わない敵って魅力ないよねといったツッコミどころも探せば出てくるものの、そんなものが殆ど気にならないような傑作になっているぞ。ネタバレにならない程度に気に入ったところいくつか挙げると:

・「カミナリが怖いのか」「この後の展開が嫌でね」
・「そこの人、『ギャラガ』で遊んでるね?バレてるよ」
・”Puny God!”
・突然登場するハリー・ディーン・スタントン!
・アイアンマン・マークVIIの装着シーンは何度でも観れる。

興行的大ヒットによりさっそく続編の製作が決まったようですが、果たして第一作目を超えるものが作れるのかね?クレジットのあとに出てくる事件の黒幕って俺の好きなキャラクターではないので、あっちの方面には行って欲しくないのだが。

例によってあまり意味の無い3Dで観る必要はないと思うけど、これはぜひ劇場で観ることをお勧めします。

「CHRONICLE」鑑賞


ジョン・ランディスの息子が脚本を書いた低予算SF映画。以後ネタバレ注意。

アンドリューは暴力をふるう父と病弱な母をもったひ弱な少年で、学校でも周囲にバカにされていじめられ、ビデオカメラでそんな日常を撮影することだけに生きがいを感じていた。ある日彼は従兄弟のマットに連れられて行ったパーティー会場の外で、地面の奥深くにまで空いた謎の穴を発見し、マットおよび同級生のスティーブと穴の奥まで行った彼は青く光る奇妙な物体を見つけるが、そのあとの記憶を失ってしまう。気付くとアンドリューたち3人は穴の外におり、自分たちがテレキネシス(念動能力)を身につけたことを知る。最初はこの能力をイタズラ程度で使っていた3人だったが、やがてその力の使い方をマスターするうちに彼らの行動はエスカレートしていき…というようなストーリー。

アンドリューのビデオカメラの映像記録、といういわゆる「ファウンド・フッテージ」のスタイルがとられており、個人的にこのスタイルってあまり好きではないんだけど、別のカメラの映像を混ぜ合わせたり、カメラを念力で宙に浮かせることで第3者の視点のようにさせる手法は巧みだったな。

マットがあまり意味もなく哲学を語ったり、登場人物の1人が話の途中でいなくなってしまうあたりは脚本が弱冠拙いような気もしたけど、尺が短いこともあり、あまり中だるみせずに最後のクライマックスまで話をぐいぐい引っ張っている。能力を使ってせっかく学校の人気者になれたのに、初エッチに失敗して暴走するアンドリューの不憫さが涙をさそうぞ。

南アフリカで撮影したり、デビッド・ボウイの曲を使ったりとそれなりに金はかけてるみたいだけど、それでも予算は1200万ドルくらいなので低予算の部類に入るよな。しかし特殊効果の映像は大作映画に匹敵するくらいの出来で、特にラストの超能力バトルは迫力があって大変素晴らしい。怪獣パニック映画が好きな人はとても楽しめるんじゃないでしょうか。なお出演者は比較的無名の若手俳優が大半だけど、スティーブ役を「ザ・ワイヤー」のマイケル・B・ジョーダンが演じている。彼はあの若さで優れた作品に次々と出演してるので、これからもっと活躍していくでしょう。

あまり期待せずに観たら意外なくらいに面白かった作品。「アタック・ザ・ブロック」が好きな人に薦めたいな。世界中で大ヒットしたために早くも続編の製作が決まってるらしいけど、これ話が続けられるのかね?「ファウンド・フッテージ」ものの続編ってみんな蛇足になって失敗してる印象があるので少し不安ではある。

下着姿の女の子のシーンはカットされてた。チェッ。