「SHERLOCK」シリーズ2開始


前シリーズから待つこと1年半、やっと来たよシリーズ2。

今回も90分×3本というミニシリーズ構成だが、ベースにしている原作が「ボヘミアの醜聞」「バスカヴィル家の犬」「最後の事件」というグレイテスト・ヒッツ的な大盤振舞い!この時点でこんなに有名な作品を使い切ってしまって大丈夫なんだろうか。そしてシリーズ3はやはり「空き屋の事件」で始まるのだろうか。

そういう心配は置いとくとして、第1話の冒頭ではシリーズ1のクリフハンガーが結構あっけなく片付いて、ホームズとワトソンはまた別の事件に巻き込まれていくことに。そして登場するのは当然ながらアイリーン・アドラーなわけだが、ホームズと同等の明晰さを持つ彼女とホームズ(およびマイクロフト)との二転三転する駆け引きが繰り広げられ、息もつかせぬ展開になっていて大変楽しめるぞ。彼らに比べるとワトソンは相変わらず損な役回りだけど、狂言廻し的な存在になって話にアクセントを加えてくれている。来年のいまごろはマーティン・フリーマンは「ホビット」のおかげで大スターになってるのかな。

前シリーズ同様にスマートフォンとテキストメッセージが事件の謎解きに大きく関わっており、例の「宙に浮くテキスト」も大量にでてくるぞ。ただし情報量が多すぎて、これを日本語化するのは結構しんどいかもしれない。あと序盤の「ハイカーの死」の謎解きはちょっとイマイチだったかな。

シャーロックの奇怪な行動と周囲の反応を見ていると、「ドクター・フー」に通じるものが感じられますね。ラッセル・T・デイビスの「大人向けドクター・フー」が「トーチウッド」だったとしたら、これはスティーブン・モファットにとってのそれなのかもしれない。シリーズ2でモファットが脚本を担当したのはこの第1話だけらしいが、残る2話にも大きく期待できそうです。

謹賀新年2012


みなさま明けましておめでとうございます。

昨年は震災を筆頭にいろいろ多くのことがあった年でしたが、まあこうして新年を迎えられているわけで、人間しぶとく生きていけるものだと思うこのごろです。決して楽観論者ではありませんが、やれ日本が終わるだの世界が終わるだの唱えている連中には感心しませんね。震災のボランティアにやってくる多くの人たちを見て、みんなやるじゃんと昨年は思いましたよ。

とはいえ先行きが見えない時代に生きているという実感は明らかでして、自分も仕事が今年は正念場かなあと。まあ養う妻子もいないし家のローンとかもないから根本的には気楽なものですが。健康には気をつけたいところです。

それでは今年もよろしくお願いいたします。

今年観た映画トップ10

去年ほど明確な順位付けができそうにないので、良かった映画を日付順に10本挙げていく:

「DOGTOOTH」
実はこれを年間ベストに推したい気持ちもあるんだけどね。でも単なるキワモノ好きのように思われるので。ギリシャ映画は今年も注目しよう。

「127時間」
ラストのシガー・ロスの曲がかかるシーンがとても素晴らしいです。

「恋とニュースのつくり方」
普通だったら選ばないような出来の作品ですが、震災後にモヤモヤしていたしていたとき観に行ったらいい気分転換になったので、感謝の念を込めて。

「ブラック・スワン」
アロノフスキーの作品としては「レクイエム」と「レスラー」の延長線上にあるような感じで決して期待してたほどではなかったのですが、それでも出来の良い映画であることは間違いない。

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」
今年のアメコミ映画のなかではこれがいちばん好き。マシュー・ヴォーンやるじゃん。

「ミッション: 8ミニッツ」
純粋に楽しめるSF映画。邦題が残念なところではある。

「スーパー!」
繰り返して言うが、目の前で行列に割り込んだ奴を撲殺する光景は素晴らしい。

「サブマリン」
飛行機のちっちゃい画面で観たことには気が引けるが、とてもよく出来たボーイ・ミーツ・ガールものだよ。

「ATTACK THE BLOCK」
ニック・フロストなら「宇宙人ポール」よりこっちのほうが面白いよ。来年に日本でも劇場公開されるはず。

「WARRIOR」
最近観たばかりだから印象が強いのかもしれないが、しっかり作られたスポーツ映画でした。

他にも良かったのは「FOUR LIONS」「トゥルー・グリット」「マイティ・ソー」「MI4」などなど。

それなりに観ているようでイーストウッドとかソダーバーグあたりの作品が抜け落ちているのはいかんなあ。来年はアジアの映画もしっかり観ないと。そして非リア充であるがゆえにロマンス映画を敬遠してるのではないかと、映画のリストを見ていて気付いた次第です。もっとまんべんなく鑑賞しないといかんですね。

「Doctor Who: The Doctor, the Widow and the Wardrobe」鑑賞


今年のクリスマス・スペシャル。安心のモファット・クオリティですな。シーズン6はよく出来た話が多かったもののリバー・ソングとサイレンスに関する謎が煩雑になりすぎてスカっと楽しめるようなエピソードが少なかった気がするが、これは今までの話と(殆ど)関係がなくていい息抜きとなる話でありました。

舞台は1940年代のイギリス。トラブルに陥っていたドクターは、通りがかりの優しいママさんに助けられます。その3年後にママさんは戦争で夫を失って寡婦になり、2人の子供をつれて田舎に疎開してくるのですが、彼女たちを迎えたのは恩を忘れないドクターでした。彼はママさんたちの住む家を素晴らしく改修してあげるものの、子供たちに与えるつもりだったプレゼントの箱の中が他の惑星に通じていて…というようなプロット。

エピソード名が指すように「ナルニア国物語」を意識した作りになってるんだけど、後半からの展開は純然たるSF。もうちょっと前半のファンタジーっぽい雰囲気が続いても良かったかな。しかし普通のオバさんが巨大マシンを駆って子供たちを救出するなんて展開が楽しめる番組は「ドクター・フー」くらいのものでしょう。マット・スミスの演技も相変わらず素晴らしいぞ。

ビタースイートな恋物語だった昨年のエピソードほどの完成度ではないような気もするけど、大変楽しめる話でしたよ。続くシリーズ7は来年後半にならないと放送開始されないそうなので、あと半年はドクターの活躍が観られないのが残念なところです。

「WARRIOR」鑑賞


興行的にはパッとしなかったものの評論家たちから高い評価を受けた、MMA(総合格闘技)の選手たちを主人公にした映画。

ピッツバーグに住むパディ・コンロンは元ボクサーで2人の息子たちも格闘家として育てていたが、酒のために身を持ち崩して家庭は崩壊し、妻は下の息子のトミーを連れて家を去り、上の息子のブレンダンもパディと絶縁してUFCの選手となり、引退後は高校の教師となって妻子を養っていた。そんなとき10数年ぶりにトミーがパディの前に現われ、彼を格闘家として再びコーチしてほしいと依頼する。一方でブレンダンは経済的理由から家のローンが払えず、家族を救うために格闘家に復帰しようと考えていた。こうしてパディとトミーとブレンダンはお互いに打ち解けることもないまま、ニュージャージーで開催されるMMAの大会に参加することになるのだが…というような話。

話の設定とか展開はかなりベタで、疎遠になった兄弟とか元アル中の父親、試合を心配そうに見つめる妻や生徒たち、強豪選手をスパーリングでノシて周囲を唖然とさせる無名選手、なんていう少年マンガ的な要素が前半はてんこ盛りで、トレーニングのシーンも「Xメン;ファースト・ジェネレーション」にあったスプリットスクリーンのモンタージュなんかを使っていて、定番だなあという感じ。

しかし後半のMMA大会になってからは話が俄然と面白くなってきて、試合のシーンがどれも非常にリアルなものになっている。俺自身はMMAにまるで詳しくないものの、「あ、これはウソだな」と思わせるような展開は無かったと思う。ブレンダンがちょっと打たれ強すぎる気はしたけどね。

役者の演技も非常によく、パディを演じるニック・ノルティはやはりアル中オヤジの演技がよく似合う。ブレンダン役のジョエル・エドガートン(って「スター・ウォーズ」のオーウェンおじさんの人か!)は目がちっこいのでいまいち感情表現が分かりにくいかな。圧巻なのはトミー役のトム・ハーディで、プロ顔負けの筋肉をつけて怪物みたいなファイティング・スキルを見せつけてくれる。これなら「ダークナイト・ライジング」のベイン役も期待できそうだな。あとブレンダンの妻を演じるジェニファー・モリソンが意外にも良かった。他にもMMAの関係者がたくさん出てるみたい。元WWEのカート・アングルもロシアの選手として登場するぞ。

ベタな内容でも話のツボをちゃんと押さえてれば面白くなるんだよ、というお手本のような良作。監督のギャヴィン・オコナーはアイスホッケー映画の「ミラクル」も撮っているのでこういうスポーツものの映画は慣れてるんでしょうね。日本でも劇場公開すべきだと思う。