「OUTSOURCED」鑑賞


NBCの新シットコム。いちおう元にある映画が存在してるらしいが、誰も知らんがな。

ここ数年のアメリカのテレビ界のトレンドとしてインド系の役者が増えてきてるというのがあって、ざっと思いつくあたりでも「ハウス」のカル・ペン、「THE OFFICE」のミンディ・ケイリング、「PARKS AND RECREATION」のアジズ・アンサリなどなどがレギュラー出演してる(してた)な。こないだエミー賞とった「THE GOOD WIFE」のアーチー・パンジャビもインド系だし。アメリカにおけるインド系の住民の数がここ数年で増えたというわけではないはずなので、これはインド系のコミュニティがアメリカ社会で存在感を増してきたことを反映してるのかな。最近選挙で立候補する人にはインド系が多いという話も聞いた事があるし。

でもまあハリウッドにおいて彼らが普通のアメリカ人として扱われるケースはまだ少ないわけで、流暢な英語を話す役者が無理矢理インド訛りの英語を喋らされ、マヌケな外国人の役をやらされる例も過去に何度か目にしたことがある。

この「OUTSOURCED」も限りなくそちらに近い作品で、主人公のトッドはノベルティ・グッズを販売する会社に務めていたが、そこのコールセンターがインドのムンバイへ外部委託(アウトソース)されることになったため、自分も仕方なしにインドへ向かうことに。そこで彼は個性的なインド人の部下たちとのカルチャー・ギャップに戸惑いながらも、皆と団結してグッズを売っていこうとするのだった…というのが大まかなプロット。

第1話を観た限りでは典型的なインド絡みのジョークとカルチャーギャップが描かれてるだけで、あまり面白くないなあといった感じ。たぶん「THE OFFICE」的な仕事場でのコメディを目指してるんだろうけど、インドというネタだけで何話も引っ張れるのかは微妙だな。アメリカ人は真面目なボスで、部下のインド人たちはクセ者だらけという図式もあまり感心できないし。

でもまあマイノリティが多く出演する番組が地上波ネットワークで放送されること自体は良い事だと思うので、今後のクオリティの向上に期待したいところです。本国の評判は微妙らしいのですぐ打ち切られるかも知れないけど。

「RUNNING WILDE」鑑賞


フォックスのシットコムはすべて「Arrested Development」と比較してしまう、なんてことを少し前に書きましたが、今年の新シリーズのなかでは理論的にはいちばん「AD」に近づきそうなのがこの「RUNNING WILDE」で、なんたってクリエイターが「AD」と同じミッチ・ハーウィッツだし、主演はウィル・アーネットだからね。おまけにデビッド・クロスもちょっと出てるぞ。しかしあくまでも理論の上の話で、実際のところは「AD」の再来ではないよな。といった感じだった。

ウィル・アーネット演じるスティーブ・ワイルドは石油会社の資産を受け継いだ大富豪だったが、そのボンボン暮らしが災いして世間一般の常識には疎く、その行いは傍若無人で、召使いなどのほかは友人もいないような状況だった。そんな彼が唯一心を開ける存在だったのが幼なじみのエミー(「フェリシティの青春」のケリ・ラッセル)だったが、そのエミーは環境保護の活動家となってボーイフレンドとともに娘をもうけ、アマゾンの奥地に暮らしていた。そしてスティーブが人徳者になったという話を聞いて一時帰国するものの、何も変わっていない彼を見て呆れてアマゾンに帰ろうとするものの、娘が戻るのを嫌がったことからスティーブのもとに滞在し、彼にまともな生き方を教えようとするのだった…というようなプロット。

こうして書くとコメディよりもドラマの要素が多いような気がしてきたな。とにかく第1話は悪い意味でいろいろ詰め込みすぎて、どういう方向に話を持っていきたいのかよく分からなかった。「AD」は個性的なキャラがたくさん出てきてドタバタを起こすのが非常に面白かったけど、この作品ではウィル・アーネットとケリ・ラッセルだけでどこまで話を抱えられるかは微妙なところだな。そもそもラッセルってコメディ向きの人じゃないような気がするけど。ラッセルの娘を演じる女の子も可愛いけどいまいち良く分からない存在になってるし。あとスティーブの隣人役に「LOOK AROUND YOU」のピーター・セラフィノウィッツが出ていたぞ。

「AD」と比べるのは酷としても、これから面白くなるのかどうなのか見極めが難しい作品かもしれない。ハーウィッツとアーネットは昨年「SIT DOWN, SHUT UP」という駄作を作っているだけに不安はあるのですが、でも面白くなりそうな要素もあるので今後に期待したいところです。

「THE EVENT」鑑賞


意味不明の現象が起きて、それから謎がゆっくり解明されていくという、いわゆるLOSTライクなNBCの新シリーズ。昨年「フラッシュフォワード」が失敗したことでこのジャンルは完全に下火になったかと思ってたけど、夏の「PERSONS UNKNOWN」も含め、まだ需要はあるみたい。あるいは製作者のアイデアが尽きているだけか。登場人物が多いうえ時系列が乱れて話が進むので、とりあえず登場人物とその行動について記すと以下の通り:

・恋人と南海のクルーズ旅行に出かけた青年のショーン。ダイビングから帰ると恋人は失踪し、彼と恋人がクルーズ船に乗船した記録はすべて消えていた。その数日後、ショーンは銃を持って旅客機に乗り込み、パイロットと会話をしようとする。
・ショーンの恋人の一家。ショーンたちが旅行中に彼らは何者かに襲撃される。その後、一家の父親はショーンの乗った旅客機のパイロットとなる。
・新たに就任したアメリカの大統領。彼は超能力者の集団(?)がアラスカの秘密基地に囚われていることを知り、国家情報長官の反対にも関わらず彼らを解放することを決定する。そして彼が集団のことについて公表しようとした会場に、ショーンたちの乗った旅客機が突っ込んでくる…。

といった感じかな。当然ながら筋の通った説明などは一切ないのだが、特殊な能力を持った集団が何らかの「イベント」に関わっていて、それについて様々な人や勢力が暗躍したり巻き込まれたりする話になるみたい。第1話は例によって「意味不明だけど何かスリリングな展開」がずっと続くため見応えはそこそこあるんだが、こういうのってよほど面白いストーリーを展開させないと飽きられるのも早いんじゃないだろうか。個人的には次の話も観てみたいな、という気にはならなかった。たまにウィキペディアであらすじをチェックすればいいや、という程度で。それと超能力者(らしきもの)を登場させてしまうと、何でもありの展開になってしまうような気がするんだが、どうなんだろう?

出演者はジェイソン・リッターとか、「ER」のウィーバー先生ことローラ・イネス。なんてのはどうでもよくて、ジャンル映画ではおなじみのトニー・トッドがチョイ役で出てたのが良かった。ほんとにチョイ役だったけどさ。

日本人受けする内容ではあるのでAXNあたりでいずれ放送されるだろうけど、果たして本国では長続きするのかね?crackedでも「いろんな展開が起きるだけ起きて、5週目に打ち切られるだろう」なんてネタにされてたぞ。

スティーブン・コルベアー対アメリカ議会


こないだスティーブン・コルベアーが議会で証言を行ったらしいぞ。事の発端は「コルベアー・レポー」でのゲストの呼びかけに応じて、移民がやっている仕事をアメリカ人がやってみようという体験プログラムに彼が参加したことで、それが転じて移民の環境などに関して証言することになったらしい。しかし真面目に証言しているわけではなく、あくまでも番組内のキャラクターを演じきっているところが度胸があるというか何というか。

周りはカタブツの公務員ばかりなのでジョークを言っても爆笑が起きるわけでもなく、全体的にお寒い雰囲気が漂っている感じは否めないのですが、以前のブッシュ大統領の前で彼をコケにしたスピーチといい、実際にこういうことをやってしまうのは凄いよなあ。議会の税金のムダ遣いという人もいるかもしれませんが。

さらにはジョン・スチュワートと組んで、フォックスニュースのグレン・ベックが行ったワシントンでのマーチに対抗するマーチを10月30日に開催するようだし、コメディとニュース番組の境界がどんどんボヤけたものになってきてるんすね。

「LONE STAR」鑑賞


フォックスの新作ドラマで、現代版「ダイナスティ」みたいな作品。

詐欺師の父親に育てられたロバートは、テキサスを舞台に父親と組んで石油ビジネス絡みの投資詐欺を行っていた。そして石油王のクリント・サッチャーの資産を狙い、彼の娘であるキャットと結婚する。しかしその一方で彼はテキサスの別の場所にリンゼイという恋人がおり、2人の女性のあいだを秘密裏に行き来するという二重生活を送っていた。やがてサッチャー家のビジネスに深く関わるようになったロバートは、父親にリンゼイを捨てるように忠告されるのだが、普通の生活に憧れた彼はリンゼイとも結婚することになり…というような話。

いろんな利権の絡んだ石油ビジネスを背景に、2人の女性との関係に巻き込まれる男性を主人公にした内容だが、あまり昼メロみたいなドロドロした話にはなってなくて、むしろ主人公が奮闘するサクセス・ストーリーっぽいものになっている。これは主人公のロバートが非常に好人物として描かれているためで、2人の女性を本当に愛し、それ以外の浮気はせず、親の期待を裏切れないために詐欺を続ける彼の姿に、観る人が自然と共感してしまう作りになってるのが巧いな。

ロバートを演じるのはジェームズ・ウォークとかいう比較的無名の役者だけど、ニコニコ微笑むディラン・マクダーモットといった感じで、主人公をきちんと演じきっている。また彼の父親をデビッド・キース、クリント・サッチャーをジョン・ヴォイトといったベテラン俳優が演じて脇を固めている。ヴォイトって反オバマのトチ狂った発言を繰り返してるのでハリウッドから干されたかと思ってたけど、テレビではまだ仕事ができるんですかね。

なかなか重厚なドラマで、そのオリジナリティが批評家たちにも絶賛されて今シーズンの新作のなかでは一番の出来という声も高いようなのだが、残念なことに第1話の視聴率は散々だったらしく、早くも打ち切りの噂が飛び交っているらしい。これはたぶん地上波ネットワークでなくケーブル局向けの作品だったんだろうな。他の多くのフォックス作品のように「出来はいいんだけどすぐ打ち切られたカルト作品」になってしまうんだろうか?