今年はそれなりに劇場に足を運んで映画を観た年だったかな。じゃあ傑作が多かったかというと必ずしもそうではないのだが。よってちょっと無理に10本選んだ感もあるが、以下は順不同で。
映画そのものよりも、Youtubeとかにあがってる「海外の観客のリアクション」が面白い作品だった。過去のキャラクターの活躍に大声で狂乱する客とか、日本ではあまり見られない光景だからね。
『ウエスト・サイド・ストーリー』
スピルバーグ健在。冒頭のカメラワークから引き込まれる。ヤヌス・キンスキーの色褪せた撮影スタイルって好きじゃないのだけど、今回はそれが控えめで色調豊かだったのも良かった。
『アフター・ヤン』
コゴナダの作品は前作の方が好きだったけど、美しい映像で語られる物静かなアンドロイドの物語。
今年の1位を挙げるとしたらこれかな。大友克洋の「童夢」のパクリだろ、と言われればそれまでなのだが雰囲気の盛り上げ方が素晴らしい。
『Mad God』
グロシーンのいくつかは半年たった今でもトラウマです。
『GOOD LUCK TO YOU, LEO GRANDE』
自分には関係ないテーマとはいえ、老いた女性の性を真正面から扱った良作。エマ・トンプソンの演技が素晴らしい。
『神々の山頂』
これと「アルピニスト」は山好きにとって楽しめる映画だった。原作読んでなかったので比較せずに観れたのも楽しめた理由かな。
『Weird: The Al Yankovic Story』
これと「マッシブ・タレント」合わせ、メタなコメディが面白かった1年。内輪ネタにならない、絶妙なバランスを突いているのよな。
ストーリーよりも映像美。3Dで観ることで、なにか新しい映画の視聴形態を体験していることを実感させてくれたのは貴重だった。
笑って笑って最後には泣かせてくれるという傑作。
自分で選んでおいて何だが支離滅裂だな…。あとは「ノースマン」「Old Henry」なども良かった。『RRR』は未見。世間で評判の良い「トップガン マーヴェリック」は、やはりこう自分がトム・クルーズを好きではないというバイアスがかかってまして…。「ザ・バットマン」「リコリス・ピザ」は完全にハズレ。ウェス・アンダーソンの作品はどんどん感情移入できにくくなっていく。
TVシリーズは「ピースメーカー」「PISTOL」などが秀逸。話数が多いものは自分がキャッチアップできないという理由もあるのだけどね。
あと今年の映画の傾向として、「年配の女性の恋愛(性愛)」の描写が多かったような?自分が年取ってそういうのに気づくようになっただけかもしれないが、 『LEO GRANDE』を筆頭に『エブリシング〜』や『Three Thousand Years of Longing』、あとまあ『X』もそうか。興行収入を稼げる映画スターの年齢層が上がってきているという記事もあったし、かつてハリウッドで言われていた、女性の役者は歳をとると役にありつけなくなる、という悪しきトレンドが変わってきているのかなと思いましたです。