「SIMPSORAMA」鑑賞

THE SIMPSONS Meets ÒFuturamaÓ in a Special Crossover Episode!
過去に2〜3回打ち切られた「フューチュラマ」がまた帰ってきた!

といっても残念ながらシリーズがまた始まる訳ではなく、これは「シンプソンズ」におけるクロスオーバー的エピソード。「シンプソンズ」はこないだ「ファミリー・ガイ」ともクロスオーバーをやったのでギミックにばかり頼ってんなあ、という気はするもののプラネット・エクスプレスの面々がまた拝めるのは嬉しいこってす。

雷雨の夜にシンプソンズ家に現われた侵入者、それは31世紀からやってきたベンダーだった。ビール好きなことで彼とすぐに意気投合するホーマーだったが、実はベンダーの指名はホーマーを殺すことだった。しかしベンダーはそれに従えず、代わりにリーラやフライたちが過去にやってくる。実は31世紀のニュー・ニューヨークはホーマーのDNAを持った怪物たちに占領されており、壊滅状態なのだという。その原因を調べることにしたシンプソン一家とプラネット・エクスプレスのクルーたちだったが、怪物たちがタイムマシンを破壊したことで今度は皆が31世紀に行ってしまい…というプロット。

まあ「シンプソンズ」の黄金期(3〜8シーズンあたり)に比べるとジョークの密度も薄くなってて、ネタもベタになってはいるんだけど、記念すべきエピソードとして大目に見てあげましょう。「フューチュラマ」の主要キャストはみんな出演していて、ファンズワース教授とプロフェッサー・フリンクのマッドサイエンティストのコンビとか、通常はハロウィン回にしか登場しないカングとコドスがオミクロン星の大王様に出会ったりと、クロスオーバー回ならではの貴重なシーンが出てくるぞ。あとはバーンズ所長とマムの面会シーンとかがあれば完璧だったかな。フライの忠犬シーモアとか、「30世紀フォックス」のロゴなんていう小ネタも見逃せない。

実のところフォックスは「シンプゾンズ」をそろそろ終了させて、「フューチュラマ」をまた復活させるべきだと勝手に考えてるのだが…ダメですかね?

「TO BE TAKEI」鑑賞

To Be Takei
第二次大戦中は日系人の強制収容所で育ち、60年代に「スター・トレック」のスールー役として世界の人気者になり、そして2000年代になってからカミングアウトしてゲイのアイコンとなり、77歳にしてSNSで膨大なフォロワーを誇るという実は唯一無二の人生を送ってきたジョージ・タケイについてのドキュメンタリー。

旦那であるブラッド・アルトマンとの睦まじい夫婦(夫夫?)仲を紹介しながら、彼の生い立ちが語られていくもので、東京生まれでアメリカにやってきた父と、アメリカ生まれだが人種で隔離された学校を避けて日本で教育を受けた母とのあいだに生まれたジョージは、第二次大戦の勃発により一家の家財がアメリカ政府に没収され、カリフォルニアからアーカンソーの強制収容所に運びこまれ、終戦までそこで暮らすこととなる。ここらへんは日本人にとっても興味深い証言じゃないかな。

そして終戦後に解放された一家はカリフォルニアに戻り、父は中華料理屋の皿洗いから始めて再び家庭を支えることになる。青年になったジョージは当時から男性に興味があったわけだが、ここらへんのセクシャリティの目覚めについては結構フランクに語ってるのね。さらに彼は演技にも興味を持って役者を目指すのだが、最初にやった仕事は「空の大怪獣ラドン」のアメリカ版吹替の声優だったのか!それからテレビ番組の脇役としてあちこちに出演するようになり、やがて「スター・トレック」のスールー役を演じて世界的に名が知られるようになる。ジョン・チョウやBD・ウォンといったアジア系の役者が彼の影響についてコメントしてるけど、確かにアジア人の役者って当時少なかったからね。おれが初めて「スター・トレック」を観た80年代半ば当時でも、そんなにいなかったんじゃないのか。

役者の仕事のほかにも、博愛主義者だった父親の影響を受けて政治活動に関わるようになり、強制収容された日系人たちへの補償を求める運動も積極的に行なうようになる。そしてクリントン大統領に任命されて日米友好基金の理事をつとめ、日本政府からは旭日小綬章を授与されるのだが、式典に出るために東京へ行ったら、ブラッドが男性であるために式典への同席を拒否されたという話が明かされる。意外なところで日本の差別意識が指摘されたというか。

役者としての活動に影響が出ることを恐れ、長い間カミングアウトすることを控えていたものの(でも「トレック」のキャストにはバレてたし、当時からハリウッドにもハッテン場があったらしい)、シュワルツネッガーが知事として同性婚を認める法案を拒否したことに憤激してカミングアウトを決意し、それ以降はゲイの人権擁護のためにも積極的に活動。またハワード・スターンのラジオ番組の準レギュラーに起用されたことでさらなるファンを獲得し、Facebookを通じて数多くの人々と交流するさまが紹介されていく。

自由奔放なジョージと、良い人なんだけど心配性でカメラを常に気にしているブラッドのかけあいが漫才コンビのようで微笑ましい。その人柄から本当に多くの人たちに愛されているのが明らかで、コミコンとかに出ても大勢のオタクどもにあちこちで歓迎されているのがよく分かる。なおコミコンでウィル・ウィートンと再会したときに「太ったね」と言ったらウィートンが露骨に落ち込むシーンが出てくるのだが、どう見てもあいつ太ったからなあ…。

まあ自分の生い立ちや活動については以前からインタビューなどで積極的に語っていたし、ファンにとっては目新しい内容ではないものの、彼の経歴を紹介する意味では格好のドキュメンタリーではないでしょうか。いま日本のテレビでは「海外で活躍する日本人」をとりあげるのが流行ってるみたいだけど、彼も取り上げればいいのに。ジョージ・タケイほど世界で愛されてる日系人はそういないよ!

「TOO MANY COOKS」鑑賞


なんかアダルト・スイムが、インフォマーシャルばっかり流してる朝4時にとつぜん放送した動画らしいが…70年代のシットコムのオープニングの無邪気なパロディかと思いきや、だんだん変な方向に向かっていって、ついでに刑事ものやSF番組ものパロディになって、人がどんどん惨殺されるという…。グロとナンセンスはアダルト・スイムのお家芸ではあるのだが、何の告知もなしにしれっと放送してしまうセンスがいいな。12分と少し長めだが、観てるうちにちょっとラリってくるので周りに人がいないときに観るのをおすすめします。高画質版はこちら

「Life Itself」鑑賞


昨年亡くなった映画評論家ロジャー・イバート(エバート)の伝記ドキュメンタリー。晩年に執筆した同名の自伝を基にしたもので、映画論などよりも人としてのイバートに焦点をあてた内容になっている。

若い頃からジャーナリズムに興味のあったイバートは、大学卒業後に地元イリノイの新聞社シカゴ・サン=タイムズに雇われ、そこで映画批評の記事を書いて若いうちから頭角を示していく。イバートのナレーションや知人たちへのインタビューによって当時のことが語られていくのだが、なぜ彼が突然ラス・メイヤーの映画に共感し、カルト映画「ワイルド・パーティー」の脚本を書くことになったのかについては、未だに知人たちが当惑しているのが興味深い(「おっぱいだよ!」という明確な説明もされるのだが)。

そして1975年には映画評論家として初めてピュリツァー賞を受賞し、それからライバル新聞社の評論家であるジーン・シスケルと組んで「Two Thumbs Up!」で有名な映画番組「At The Movies With Gene Siskel & Roger Ebert」を製作してお茶の間の人気者になっていく。シスケルとは長年のパートナーでありながら、性格的にも映画の好みも正反対で、番組の挨拶を撮影するのも口喧嘩して何度も撮り直ししてるのが印象的であった。番組は全国規模のものになりながらも、自分が気に入った作品は公開館が少ないものでもきちんと紹介し、若手作家たちの映画もイバートはきちんとチェックしていた。また無名時代のマーティン・スコセッシをきちんと評価し、彼が有名になったあとでも評価できない作品(「ハスラー2」)についてはしっかり酷評したとスコセッシ自身が語っている。

なお冒頭から晩年の彼の入院シーンで始まり、彼の健康状態が決して良いものでないことが明確にされているわけだが、ガンによって下あごの骨を摘出し、顔の下半分はただブラリと顔に垂れ下がり、苦痛で顔を真っ赤にして看護婦から気管の吸引を受けている姿などは実に痛々しい。すべてをさらけ出したいというイバートの意向によりリハビリの光景なども撮影されており、奥さんがとにかく献身的で偉いんですよ。しかしガンが転移していることを知り、「このドキュメンタリーの完成を目にすることはないだろう」と悟ったように語るシーンが物悲しかった。声を失ってからもtwitterなどでは精力的な書き込みをしており、大統領選挙などについても的確なコメントをしてたのだけど、その裏では苦しい闘病生活をしていたのだなあ。

観ることによって新しいことを発見できるようなドキュメンタリーではないものの、ロジャー・イバートという芯の通った映画評論家がいたんだよ、ということを後世に伝えるものとしては最良の作品でしょう。

「Constantine」鑑賞


ヴァーティゴ・コミックスの「ヘルブレイザー」…もとい、DCコミックスの同名作品を原作にしたNBCの新シリーズ。

キアヌ君がアメリカンなバージョンを演じていた映画版とは異なり、こっちのジョン・コンスタンティンは金髪のイギリス人でコミック版によく似た外見を持っている。冒頭ではちゃんとイギリスのレイヴンスカー精神病院に収容されているものの、マーケットの都合もあって舞台はすぐさまアメリカに移ります。そこで彼は幽霊を見ることができるイヴという少女を悪魔から救い出し、2人は悪魔退治のために全米横断の旅に出る…という展開になるはずだったのが、イヴ役の女優が第1話のあとで降板してしまったため、別の女性(原作のゼドね)が登場することになるらしい。

原作(特にヴァーティゴ版)では結構えげつないキャラクターだったコンスタンティンだが、こっちでは比較的おとなしめ(?)になってる感じ。エクソシストという肩書きで呪文や魔法陣などで悪魔と戦うのだが、毎回そんな展開だったらすぐ飽きてしまいそうだな。コンスタンティンは他のコミックに脇役で出ているほうが、謎めいた雰囲気があって面白いとずっと前に書いたけど、主人公のミステリアスな感じをどこまで保てるかな。むしろドクター・フェイトのヘルメットなんかが登場してるので、DCコミックスの魔法キャラが登場するスーパーヒーローものになるのかな?

ちなみに原作では大酒飲みのヘビースモーカーという設定だが、地上波ネットワークの番組なので飲酒・喫煙シーンは一切なし。これは早くからファンのあいだで論争の的になってたけど、まー仕方ないわな。むしろ「酒場でタバコを消す」シーンなどを挿入することで頑張っている製作側の努力を認めてあげましょう。

舞台がアメリカになったため、コンスタンティンの姉とか姪などは登場しないかな?でもニューカッスル時代の知人なども登場してるので、どのくらい原作のネタが使われることになるんだろう。なおコンスタンティン唯一の友人であるチャズは登場して相変わらずタクシー運転してますが、なんか不死の存在みたいな設定になっていて、実は彼がいちばんコミックと異なるキャラクターになっているかもしれない。

第1話を観た限りではかなり粗削りな出来になっていて、主演のマット・ライアンも力を入れすぎた演技をしているように思えるのだが、決して悪い内容ではないので、今後の展開(特に「スーパーナチュラル」の二番煎じと思われないこと)に期待。