2012年の映画トップ10

昨年同様に、観た順に10本選んでみました。順位は特につけません。

「ドライヴ」
サソリのジャケット買っちゃったよ。

「ファミリー・ツリー」
まったりと話が進んでいるようで、家族の絆をしっかり描いている点が秀逸。

「CHRONICLE」
少年マンガに出てくるような超能力バトルがしっかり撮れた作品。

「アベンジャーズ」
純粋な娯楽という点ではこれが抜きん出ていた。いろいろツボをちゃんと抑えた大作。

「アイアン・スカイ」
粗削りではあるんだけど、低予算で風刺と特撮をきちんとまとめたことに敬意を表して。

「キャビン」
ホラーの定番を見事にスプーフした傑作。これ観ちゃうとB級ホラーが普通に観られなくなるかも。

「ムーンライズ・キングダム」
あまりにも箱庭的にまとまりすぎてる気もするが、W・アンダーソンの1つの頂点ですな。

「THE BAY」
まさかバリー・レヴィンソンがファウンドフッテージものをやるとは。パニックに襲われる町を手堅く描いている。

「007 スカイフォール」
オールドファンに気をつかいつつ、新たな幕開けを迎えることに成功した秀作。

「Beasts of The Southern Wild」
『ハッシュパピー バスタブ島の少女』という邦題で公開されるみたいです。新人監督が町のパン屋さんを起用して、なぜこうも幻想的な作品が撮れてしまうのか。

特別賞:「ヒューゴの不思議な発明」
映画好きが、映画にまつわる映画を観たらそりゃ好きになるのは決まってるので、特別賞扱いとする。少年の話かと思いきや、映画に情熱をかけた老人の話にもっていってしまう巧みさ。

これ以外には「裏切りのサーカス」「ザ・レイド」「ダークナイト・ライジング」「プレミアム・ラッシュ」「ルーパー」などが良かったな。これでも取りこぼしている(観てない)作品が多々あるので、今年はもっと偏見なしに多くの映画を観るように心がけたいところです。

「 LOOPER/ルーパー」鑑賞


かの知られざる傑作「BRICK‐ブリック‐」のライアン・ジョンソンとジョセフ・ゴードン=レヴィットが再び組んだSFアクション。

既に日本の公式サイトがあるのでストーリーはそちらを参照してください。30年後の未来の犯罪組織から送られてくる邪魔者を始末する仕事を受けていた主人公が、未来の自分を始末する羽目になり…といったプロットです。ちょっと理解するのに時間がかかったんだが、舞台は現在とその30年後、ではなく2044年と2074年になるのですね。2044年の光景が現在とあまり変わらないんで少し困惑してしまったよ。

主役のゴードン=レヴィットの30年後の姿を演じるのがブルース・ウィリスで、他にもポール・ダノやエミリー・ブラント、ジェフ・ダニエルスなど豪華なキャストが脇を固めている。ウィリスに似せるためにゴードン=レヴィットは特殊メークをしてるのだが、おかげでいつもと違った顔つきになってしまい少し不気味であった。それでもあの顔がああなるのは結構無理があるような。

ブルース・ウィリスのタイムトラベルものという意味では「12モンキーズ」に似てるかな。「ガタカ」みたいな知的なSFものが好きな人にも受けるかと。タイムトラベルのシーンには、あの時間軸重なりまくりのカルト映画「プライマー」のシェーン・カルースが関わってるらしいんだけど、殆どそんなシーンは無かったような…?撮影はルイジアナと上海で行われていて、中国の配給会社が金を出してくれたので上海で撮影できたらしい。今後も中国資本をバックにした中国での撮影が増えてくるのかなあ。

タイムトラベルもの映画の常として、いろいろツッコミ入れたいところはあるのですが、あまり深く考えずに観れば楽しめる作品かと。ただアクションに重きを置きすぎて、アイデアが少し軽めになっている感は否めない。「ブリック」はハードボイルドのガムシューものを高校でやってしまったアイデアが斬新だったが、こちらはあくまでもよく出来たSF作品、といった感じ。

謹賀新年2013


みなさま明けましておめでとうございます。なんたらかんたら。

昨年末の世界終末は皆様の努力により無事回避されましたものの、世の中のニュースとかそれに対するヤフコメとかみてますと、いっそ世界は終わったほうがいいんじゃね?と思いつつも世の中は続いていくわけで。This circus has no prayer / No UFO to save us / And do we really care.

私と言えば相変わらず臍を噛むような気持ちで日々を過ごしているわけですが、惰性で生きていても何かいいことあるさ、ということにしておきましょう。

それでは今年も宜しくお願いいたします。

「THE GIRL」鑑賞


HBOとBBCが共同製作したTVムービー。

アルフレッド・ヒッチコックと「鳥」の主演女優であるティッピ・ヘドレンの関係を描いたもので、撮影にあたり主役を探していたヒッチコックはTVコマーシャルに出ていたヘドレンが目にとまり、脚本家に反対されながらもモデル出身の彼女を「鳥」の主役に起用する。そして彼女を演出するうちにやがて性的な関係を迫るようになり、ヘドレンはこれを拒絶。これに対してヒッチコックは彼女を屈服させるため、生きた鳥に襲われる過酷なシーンを5日間にわたり彼女に演じさせるのだった…というようなプロット。

ヒッチコックを演じるのがトビー・ジョーンズで、見事な小太りメークをして冷徹ながらも色欲を垣間見せる不気味なヒッチコックを好演しているぞ。それに反発するヘドレンを演じるのがシエナ・ミラーなんだけど、こちらはずっと仏頂面であまり面白くない。ヒッチコックに耐えつつも屈服しない芯の強い女性を演じてるはずなんだが、どうも演技が堅いんだよな。そのふたりの関係に気づきつつも何もできないヒッチコックの妻を演じるのがイメルダ・スタウントン。

いちおう関係者の話をあつめて事実に基づいた内容になってるらしいが、キム・ノヴァクなど他の関係者からはヒッチコックの描写とかについてクレームがあがったらしい。まあ多分に脚色されてても内容が面白ければいいのですが、全体的に凡庸なメロドラマになってしまっているのが残念。主役ふたりの心理戦みたいなものをもっと掘り下げるべきだったのに、どうも人物の描写が薄っぺらいような。HBOってもっと凝ったTVムービーが撮れると思っていたんだがなあ。

奇しくも今年はアンソニー・ホプキンスもヒッチコックを別の映画で演じていて、トビー・ジョーンズのほうが良いという声も聞かなくはないのですが、肝心の内容がイマイチなため彼の熱演が空回りしているような作品。

「Doctor Who: The Snowmen」鑑賞


今年のクリスマス・スペシャル。新しいタイトルシーケンスは効果音がバチバチうるさい気がするものの、ドクターの顔が映るようになってオールドファンには嬉しい限り。リブート後はこれが欠けてたんだよなあ。

舞台となるのはビクトリア王朝時代のイギリス。前の話でエイミーとローリーを失ったドクターは失意にくれてロンドン上空の雲の上にとどまっていたが、友人のエイリアンたちの依頼を受け、雪ダルマが人を襲うという事件の調査に乗り出す。そしてその過程でクララという少女に出会ったドクターは、彼女と一緒に(というかつきまとわれて)事件の黒幕であるシメオン博士のもとに向かうが、さらにその裏には謎の存在が潜んでいて…というような話。

話が1話で完結していた過去2年のクリスマス・スペシャルに比べ、前の話のトラウマを引きずったドクターが新しいコンパニオンに出会い、彼女の謎を追うことになるという続き物の要素が強い内容になっている。

動く雪ダルマを使って人を襲撃させるシメオン博士を演じるのがリチャード・E・グラントで、ここは8代目ドクターと「ウィズネイルと僕」のコンビ復活とならなかったのが残念ですな。さらに博士の背後にいる黒幕の声をイアン・マッケランがあててるのですが、「ホビット」観たあとなので悪役というよりも温厚な老人の声にしか聞こえなかったよ。

ストーリーも決して凝ったものではないのですが、とはいえ面白くないのかというとそんなことはなく、演出が巧みなためにファンならずとも楽しめる内容になっている。雲の上に乗ってるターディスなんて普通のエピソードではまず目にしない設定だけど、幻想的でクリスマスの雰囲気にはよく似合ってますな。

ファンの方ならみんなご存知のとおりシーズン7第1話に出てきた「スフレ・ガール」と新コンパニオンのクララは同一人物であり、はたして彼女は何者か?というのがシーズン7後半のプロットになるみたい。それはそれで結構なのですが、シーズン5〜6に出てきた謎(サイレンスとか、「宇宙最古の質問」とか)ってまだ解明されてないよね?以前の伏線が回収されてないのに、新たな謎が出てくる展開には少し不安を憶えてしまうのです。すべて見事に解決してくれればいいのですが。