「COMPUTER CHESS」鑑賞


昨年アメリカで公開されたインディペンデント映画。

舞台は1980年代初頭(おそらく)。とあるホテルにおいてコンピューター同士のチェスの団体戦が行なわれ、コンピューター少年たち(および少女1名)が次作のプログラムを抱えてホテルにやってくる。さらに同じホテルではカップル向けのセラピー・セッションが行なわれており、さまざまな人物がチェスのコマのごとくホテルを行き交うのだった…とかいうような内容。

というか話のプロットが存在しないような…。プログラムに目をつけたペンタゴンのエージェントたちが登場し、自我を持ったコンピューターの存在が示唆されるものの、話は決してSFやサスペンスにはならないし、コメディっぽいようでシュールな会話が続くだけだし、何と言ったらよいものか…。コンピューターと人間の関係の始まりを描いてるという説もあるようだけど、よく分からんのよね…。

映像はモノクロのビデオ撮りで、70年代のビデオ機材をeBayで入手して実際にそれで撮影を行ったらしい。一カ所だけカラーになるけど、悪夢のようなリピート映像になっております。監督のアンドリュー・ブジャルスキーはマンブルコア出身の人らしいが、インタビューを読んでも意図したかったことがよく分からず。それでも「AVクラブ」なんかは昨年のベスト映画の1つに挙げているんだよな。どこをどう読み取ればよいのか…。

モノクロ映像ということで昨年の「Escape From Tomorrow」に似てなくもないが、あれよりもずっと説明を拒否した、よく分からん映画でした。どなたか内容が解読できる方がいましたら教えてください。

チャーチズのライブ鑑賞

年末に「年取ってから後悔する37の事柄」という記事を読みまして、ならば俺はこれらの事を後悔しないように生きようと思いまして、なんか典型的なミッドライフ・クライシスの兆候が出ているわけですが、その37の事柄の1つに「機会があったときに好きなミュージシャンのライブに行かなかったこと」というのがあるわけですね。

それとこないだ書いたように90年代とかの音楽ばっかり聴いてるのも良くないよね、もっと新しい音楽を聴かないといけねいよね、と奮起して「AVクラブ」が選んだ2013年のベスト・アルバム群を片っ端から聴いてみたわけですね。そのなかではハイムやチャーチズ、デフヘヴンなどの曲が良いなと思いまして(逆にヴァンパイア・ウィークエンドは何度聴いてもピンとこない)、そのうちのチャーチズが来日することを知ってさっそくチケットを入手した次第です(本当はハイムがその前に来日してたのだがソールドアウトだった)。

場所は恵比寿のリキッドルーム。ワシが若い頃はリキッドルームは新宿にあったんじゃがのう。スタッフの対応はイマイチだったけど、会場は広くて良かったですよ。昨年ワイヤーが来日したときの、恵比寿の別のライブハウスは音が割れまくってたからなあ。

前座はエラーズとかいうグラスゴーのポストロック・バンド。事前にyoutubeでチェックしてた印象とは異なり、意外とギター・ロックっぽい編成であった。特にドラムのエフェクトのかけかたが面白かったな。しかし機材のトラブルが続き、1度はラップトップが落ちたとかで曲をまるまるやり直すはめに。エレクトロニカのバンドってこういうのが弱みだよね。「バンド名のとおりエラーが起きました、HAHA!」などと笑ってごまかしていたが、こういうときにブーイングしない日本の観客って人がいいよね。

そしてメインのチャーチズ登場。ボーカルの声がちょっと出てなかったような感じもしたけど、まあ許容範囲。ただこちらも機材トラブルがあったらしく、モニターの返りが悪いとかで3曲目あたりでいったんライブが中断したのに萎える。その後は順調に進んだけど、エレクトロニカ系のバンドってどうしても即興性に欠けるというか、カラオケっぽい感じになると思うのは俺の勉強不足でしょうか。あとアルバム同様に男性ボーカルの曲が1つあったんだけど、なんかヘタでした。今後は女性ボーカルに専念しなさい。

というわけで久しぶりにライブに行けて面白かったです。今年はもっとライブハウスに足を運ぶようにせねば。

「Babylon」鑑賞


チャンネル4の新シリーズ。今回のはパイロットムービー的な扱いで、秋からシリーズの撮影が始まるとか?監督はなんとダニー・ボイル。オリンピックの演出やったかと思いきや「トランス」撮って、そのあとこれを撮るとは忙しい人ですね。

イギリスの警察の世間の評判を回復させるために、スコットランド・ヤードはPRコンサルタントのリズ・ガーヴェイをアメリカより招聘。さらに警官たちの日常を撮影させるためにカメラマンを同行させる。リズはさっそく警察のイメージ向上にとりかかるものの、前任者の仲間の妨害などに遭って苦労する。さらに悪いことにロンドンで何者かによる連続狙撃事件が発生して…というプロット。

上は警視総監から下は現場の警察官まで、警察の混沌とした日常を赤裸裸に描いた内容になっていて、警察の指揮系統内、およびメディアに対する情報伝達の錯綜っぷりが大きなテーマになっている。ただしPRコンサルタントが主役とはいえ「The Thick of It」ほどのドギツさはないかな。

リズを演じるのが「ザ・イースト」のブリット・マーリングで、僅か数本の出演作で知的なブロンドという役柄を確立した感のある彼女ですが、そのキャラをそのまんまイギリスにも進出させております。警視総監を演じるのがジェームズ・ネスビットで、少し痩せたかな?主要なキャストのほかにPTSD気味の機動隊員とか警官に同行するカメラマンとかが出て来るんだけど、後のシリーズ版ではどこまでが再登場するんだろう。

登場人物が多いことに加え、話のトーンがコメディになったりサスペンスになったりと全体的に散漫な感じがするものの、演出は相変わらず巧みだしそれなりに楽しめる作品であった。最近のイギリスの警察ドラマって陰惨な展開のものが多い気がするので、こういう軽めのものがあっても良いかと。imdbなどでは評判が芳しくないみたいだが、シリーズになって本調子になってくることに期待。

「THE AFTER」鑑賞


以前に「ゾンビランド」とか作ったのに続いて、米アマゾンのインスタントビデオがパイロット版をまた10本くらい製作して公開しているのであります。前回のやつの中では「Alpha House」などがいちおうシリーズ化されているものの、地上波局の番組と肩を並べて賞を次々と獲得しているネットフリックスのオリジナル番組に比べて、アマゾンのはいまひとつパッとしないのは何故なんだろうね。「この10本のうち、投票で人気が高かったものをシリーズ化します」というスタイルはやめて、数本に絞ってがっちり宣伝すればいいと思うのだが。

そしてそのうちの1本がこの「THE AFTER」。ジジは夫と子供を東海岸に残してロサンゼルスにやってきた女優で、今日もオーディションに勤しんでいたが、乗り合わせたエレベーターが停電によりダウンしてしまう。他の乗客と協力して脱出したジジたちだったが、いつの間にか外部では未曾有の混乱が起きていた。原因不明の停電・断水によって街がパニックに陥るなか、ジジたちは救急車を奪取して仲間の1人の邸宅へと避難する。しかしそこにも暴徒があらわれ、さらには謎の言葉を話す不気味な生物も姿を見せて…というプロット。

監督と脚本は「Xファイル」のクリス・カーター。最近は何やってんだろうと思ったらこんな仕事をしていたのか。役者の演技がどことなくぎこちない気もするが、暴徒が街にあふれるシーンとかは大掛かりなセットとエキストラを使って、ネット番組とは思えない規模で撮影してますよ。ただこういうパニックの描写って映画でもテレビ(「ウォーキング・デッド」や「フラッシュ・フォワード」とか)でも最近よく見かけるので、今さらやってもなあ、という感は否めない。

エレベーターに閉じ込められた客の誕生日がみんな一緒だったり、謎の生物の体にあったマークと同じイレズミをしている客がいたりと、それなりに謎めいた設定もあるものの、あまりそっちに焦点があたってなくて「じゃあ次はどうなるんだろう」という気になれないのが残念。あと主人公にフランス人の役者を起用したのは何故だろう?訛りがきつくてセリフが聞き取りづらいのですが。

「Xファイル」ってSFの部分の描写がヌルくて個人的には好きな番組ではなかったが、これもどうも中途半端な内容になっているな。でもクリス・カーターのネームバリュー(あれば)でシリーズ化されるかな?日本のアマゾンもちゃんとこういうのを流せばいいのに。

「PREACHER」TVシリーズ化決定


昨年から噂はされていたけど、ガース・エニス&スティーブ・ディロンの傑作コミック「PREACHER」のTVシリーズ化をAMCが発表したそうな。企画は意外にもセス・ローゲンとエヴァン・ゴールドバーグ。

以前はHBOで企画が進んでるだのサム・メンデスが監督するだのと映像化の話は絶えなかった作品ですが、やっとこれで決まったかという感じ。AMCは「ウォーキング・デッド」で成功を収めているため、同じようにコミックが原作のTVシリーズが欲しかったのでしょう。HBOのほうが規制が緩いので下ネタ&バイオレンス満載の原作をもっとよく表現できたかもしれないが、文句は言うまい。

むしろ懸念点はセス・ローゲンとエヴァン・ゴールドバーグというコメディ畑の2人が関わってるところでして、あんたらシリアスな作品が書けんのか?という気がするのだが、7年も企画を温めていたという熱意があるみたいだし、原作もお下劣なコメディ要素があるので、「グリーン・ホーネット」みたいなダメダメ作品にはならないでしょう。というかならないことを願いたい。

あとはね、天使と悪魔の子供と融合した説教師が、ガールフレンドとアイルランド人バンパイアと一緒に神を捜しにいくという内容が、アメリカの視聴者層にどこまで受けるかな?地上波局よりかは保守層の抗議には強いと思うものの、AMCってコマーシャル流してたよね?スポンサーの撤退とかが無いとよいのだけど。

とまあいろいろ書きましたが、自分が大好きなコミック(エニスにサインもらいました)が映画化されることは嬉しいわけで、「ウォーキング・デッド」に続くヒットになることを期待しております。