「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」鑑賞


こちらも簡潔に感想を:

・前半はね、前作であまり描かれなかったアスガルドの生活とかが描かれて、いろいろ楽しい小ネタ満載で面白いとは思うのですよ。散りばめられているジョークも心地よいし。ただそのノリで後半のクライマックスまで行ってしまって、なんかものすごいパワーを身につけたはずの的が、地球人のガジェットに苦戦したり、ビルからずり落ちたり、ソーが地下鉄乗ったり、なんだかなあという展開になってしまったのが残念。

・そして小ネタというなら、ジェーンとシフの三角関係をうやむやにしてしまったのが勿体なかったな。キャラクターの感情をきちんと表現できる格好の材料なのに。

・不思議の国にいるナタリー・ポートマンはアミダラ姫にしか見えない。

・ロキを演じるヒドルストンの演技が出色の出来。彼ひとりで映画を支えてると言っても過言ではない。無骨なソーとのコントラストが見事ですね。

・クリストファー・エクルストンは「GIジョー」でも鉄仮面をかぶってたけど、なぜハリウッド映画では素顔を出させてもらえないのか。

・アリス・クリーグ(ボーグ・クイーンね)のチョイ役は何だったんだ。クリス・オダウドはああいう役が似合うよねー。

・ダーク・エルフってテレタビーズの紫のやつに似てないか?

・コズミックものとしては「グリーン・ランタン」なんぞよりもずっと良く作られてはいるが、なんか「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の布石になってしまっているような。もう一押しして欲しかった作品。次作はおそらくもっとロキがフィーチャーされるだろうから、そちらに期待というところですかね。

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」鑑賞


ネタバレにならない程度に軽く感想を:

・ディカプリオ、やるじゃん!今まではシリアスな大作ばかり選んでいて演技の幅がえらく狭いような印象があったけど、今作では吹っ切れてコミカルな演技に徹し、役者としての新境地を開拓している。やはり「ジャンゴ」の演技が役立ったのかな。今までは必ずしも好きな役者ではなかったが、これならアカデミー賞穫っても納得かと。あの丸くなった輪郭でコメディを演じるとセス・マクファーレンにしか見えないという致命的な欠点には目をつぶろう。

・ジョナ・ヒルもいい感じ。もともと彼への期待値が低かったというのもあるけど、入れ歯つけた熱演を見せてくれる。彼は自分が主役やったり製作やると大抵ツマらないのですが、こういうサイドキック役を演じると巧いよね。ちなみにイーサン・スプリーのセリフが殆どないのはキャラがジョナ・ヒルとかぶるからだろうか。

・3時間の長尺とはいえ、テンポの良い演出と編集のおかげで、あまり中だるみせずに最後まで楽しめる。あの90年代的な絶妙なサントラはスコセッシが選んでるのだろうか、それともロビー・ロバートソン?

・意外なところでロッキー青木の名前が出てきて失笑。あの役をデヴォン青木に演じさせればよかったのに。

・なんかこういう映画にボカシ入れるのって野暮だよねえ。ジョナ・ヒルのチンコはニセモノ(小道具)だそうです。

・「The Equalizer」って「ザ・シークレット・ハンター」って邦題で日本放送されてたのか。

・食べ物が喉につまったときはハイムリッヒ法がいいんじゃないかなあ。

この動画でだいたいのあらすじが分かります:

「RAKE」鑑賞


FOXの新シリーズで、オーストラリアの同名番組のリメークらしい。第1話の監督はサム・ライミ。

キーガン・ディーンはロサンゼルスの弁護士だったがギャンブル好き・女好き・全てにルーズで自己中心的という徹底的なダメ男で、借金取りにボコられても懲りずに賭博に手を出し、弁護士仲間からも疎んじられている存在。彼は別れた妻子からもあてにされず、事務所の助手の給料も払えない状態だったが、すぐに金になりそうだということで連続殺人犯の弁護を引き受けることに。彼の有罪を認めるだけの手続きだったはずが、土壇場になって殺人犯が自分の罪状を否認し、裁判は思わぬ方向に…というのが第1話のプロット。

ちなみに題名の「Rake」とは「熊手」のことではなく「放蕩者」という意味な。そんな放蕩者の主人公を演じるのがグレッグ・キニアで、ごく普通の男性というかサエない男を演じさせたら彼ってトップレベルの役者だと思うのですよ。だからこの番組の役もすごく似合っているのだけど、逆に似合いすぎているというか、あまりにも主人公に魅力がないのが問題ではないかと。協調性のない主人公ということでアメリカでは「ハウス」と比べられているようだけど、あっちはまだ患者を救おうという意思があったのに対し、こちらは被告を弁護しようという気が感じられず、法廷ドラマとしても中途半端な出来になってしまっている。

せっかくグレッグ・キニアを起用してるのになんかもったいない番組。今後はもっと面白くなることに期待しましょう。

「In A World…」鑑賞


ナレーション業界(特に映画の予告編)を舞台にしたコメディドラマ。

ハリウッド映画の予告編のナレーションといえばドン・ラフォンテーンという伝説的な存在がいて、彼のキャッチフレーズ「In A World…」はあまたの予告編のナレーションで使われてきたわけですが、そのラフォンテーン亡きあと、誰が次のラフォンテーンになれるか?というのがこの映画の設定。主人公のキャロルは役者たちの発音コーチをしながらもナレーターを目指す女の子で、父親のサムはナレーターの大御所であるものの女性のキャロルには一切アドバイスを与えず、若いガールフレンドが出来たといってキャロルを家から追い出してしまうような奴。仕方なしに姉夫婦の家に転がり込んだキャロルは、新作映画のナレーションのオーディションに参加して仕事を勝ち取るものの、サムの友人でナレーター界のスターであるグスタフはそれを快く思わず…というようなストーリー。

主演と監督は「CHILDRENS HOSPITAL」に出ているコメディエンヌのレイク・ベル。あの番組の共演者であるロブ・コードリーやケン・マリーノのほか、ディミトリ・マーティンとかティグ・ノタロ、ニック・オファーマンといった中堅どころのコメディアンがいろいろ出演しているぞ。

女性の声優がアイドル的な扱いを受けている日本では想像もつかないが、ハリウッドのナレーション業界は男性のナレーターが圧倒的なシェアを占めているらしく、それを風刺した内容にもなっている。ラストにはしっかりジーナ・デイビス大統領が出てきてフェミニズムについて語ってくれるよ!(「あなたが女性だから選んだのよ」と言うのもそれはそれで差別的な気もするが)

全体的に粗削りなところもあって、姉夫婦の離婚危機のプロットは不要だったんじゃないかとか、ナレーション業界のことをもっと描いて欲しかった気もするものの、女の子が奮闘するコメディは嫌いではないですよ。個人的にも英語の訛りには興味があるので、いろんな外国人の会話を隠れて録音する主人公の姿とかは面白かったっす。

「I Give It a Year」鑑賞


イギリス人が乳繰り合うラブコメディを作ってはや20年(エドガー・ライトの作品とかも作ってはいますが)のワーキング・タイトル社が送る新たなラブコメ。

ナットとジョッシュのカップルは出会ってからすぐに恋に落ち、短期間で結婚にまで辿り着く。しかし2人の相性が微妙に合っていないのは周囲も認めるところであり、口の悪い友人には「2人の結婚はもって1年ね」と言われる次第。そしてその予見は現実のものとなり、2人の結婚生活は9ヶ月目に暗唱に乗り上げてしまう。それでも1年はどうにかもたせようと2人はカウンセラーのところに通ったりして努力するものの、ジョッシュの前には昔の彼女が現われ、さらにナットは金持ちの若社長に口説かれてしまう…というストーリー。

まあ「ラブ・アクチュアリー」的な、害のないジョークとホンワカとした展開が続くラブストーリーではあるのですが、主人公ふたりの食い違いがテーマになってるせいか、なんかしっくりこない内容になっていたような?恋愛のリアリティというかエグさをワーキング・タイトル作品に求めるわけではないですが、ナットへの若社長の迫り方なんてパワハラものだし、各キャラクターの描き方がみんな薄っぺらかったような。

それでもまあフィールグッドなオチに落ち着けばいいかなと思ってたのですが、最後はなんと(完全なネタバレなので白文字にします)『2人は結婚1周年のパーティーで「やっぱ俺ら合わないね」と離婚し、ジョッシュは元カノと、ナットは若社長とお互いの前で結ばれる!』いやーそれはないんじゃないの。奇をてらうにしても話の落としどころってものがあるだろうに。結婚してる人が観てもあれは納得いかないと思う。

ナットを演じるのがローズ・バーンでジョッシュ役がレイフ・スポール。おれレイフ・スポールってすごく無味乾燥なイメージがあって好きではないのですが、彼のどこらへんが魅力的なのでしょうか。親父と違ってイケメンになってしまったのが残念なところだな。ジョークをひたすら外す友人にスティーブン・マーチャント、結婚に飽きたシニカルな主婦にミニー・ドライバー、その鈍感な夫にジェイソン・フレイミング、ストーカーっぽい元彼女にアナ・ファリス、底の浅い若社長に相変わらず底の浅い演技しかできないサイモン・ベイカーと、脇役のキャスティングは完璧なだけに主人公ふたりの特徴のなさが惜しまれる。

恋愛下手の俺が言うのも何ですが、何か結婚というものをナメてるのではないと思った作品。もうちょっと世間体というものを気にしましょうよ。